エコロジーな経営とは :新環境経営 (その18) 

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 前回は、作り過ぎる無駄を減らすについて紹介しました。今回は、生産工程で生じるロスを減らすと、生産設備に関わる無駄を減らすです。
 CSR

<5つの「エコロジーな経営」の観点>

1. 作り過ぎる無駄を減らす
2. 生産工程で生じるロスを減らす
3. 生産設備に関わる無駄を減らす
4. 廃棄物の処理
5. 二酸化炭素排出を減らす

1. 生産効率化を阻害する16大ロス

 

(1) 設備効率を阻害するロス

  1)故障ロス 2)段取り・調整ロス
  3)刃具ロス 4)立上がりロス 5)チョコ停・空転ロス
  6)速度低下ロス  7)不良・手直しロス 8)シャットダウンロス
 

(2) 人の効率化を阻害するロス

  9)管理ロス  10)動作ロス  11)編成ロス  12)自動化置換ロス  13)測定調整ロス
 

(3) 原単位の効率化を阻害するロス

  14)歩留りロス 15)エネルギーロス 16)型・治工具ロス
 
 生産効率化のための知恵は、投入資源をロスなく使い切る取り組みです。エコロジーな経営の重要な要素となります。
 

2. マテリアルフローコスト会計(MFCA)

 製造プロセスにおける資源やエネルギーの無駄使い(ロス)を減らす手法としてMFCAがあります。MFCAはドイツで開発され、生産工程で生じるロスに着目した環境会計*の手法です。
 
 *「事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し伝達する仕組み」
 
 製造プロセスにおける資源やエネルギーのロスに着目して、原価計算システムにマテリアルの重量情報や温室効果ガス等の排出情報を統合することで、そのロスに投入した材料費、加工費、設備償却費などを「負の製品のコスト」として、総合的にコスト評価を行ないます。
 
 これによって、これまで見過ごしていた廃棄物の経済的価値および環境負荷の大きさを可視化できます。これら「負の製品コスト」および「環境コスト」の見える化によって、社内的にはコストダウンを達成し、対外的には企業の社会的責任を果たすことが同時に可能になります。廃棄物削減と生産性向上を同時に実現します。...
 前回は、作り過ぎる無駄を減らすについて紹介しました。今回は、生産工程で生じるロスを減らすと、生産設備に関わる無駄を減らすです。
 CSR

<5つの「エコロジーな経営」の観点>

1. 作り過ぎる無駄を減らす
2. 生産工程で生じるロスを減らす
3. 生産設備に関わる無駄を減らす
4. 廃棄物の処理
5. 二酸化炭素排出を減らす

1. 生産効率化を阻害する16大ロス

 

(1) 設備効率を阻害するロス

  1)故障ロス 2)段取り・調整ロス
  3)刃具ロス 4)立上がりロス 5)チョコ停・空転ロス
  6)速度低下ロス  7)不良・手直しロス 8)シャットダウンロス
 

(2) 人の効率化を阻害するロス

  9)管理ロス  10)動作ロス  11)編成ロス  12)自動化置換ロス  13)測定調整ロス
 

(3) 原単位の効率化を阻害するロス

  14)歩留りロス 15)エネルギーロス 16)型・治工具ロス
 
 生産効率化のための知恵は、投入資源をロスなく使い切る取り組みです。エコロジーな経営の重要な要素となります。
 

2. マテリアルフローコスト会計(MFCA)

 製造プロセスにおける資源やエネルギーの無駄使い(ロス)を減らす手法としてMFCAがあります。MFCAはドイツで開発され、生産工程で生じるロスに着目した環境会計*の手法です。
 
 *「事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し伝達する仕組み」
 
 製造プロセスにおける資源やエネルギーのロスに着目して、原価計算システムにマテリアルの重量情報や温室効果ガス等の排出情報を統合することで、そのロスに投入した材料費、加工費、設備償却費などを「負の製品のコスト」として、総合的にコスト評価を行ないます。
 
 これによって、これまで見過ごしていた廃棄物の経済的価値および環境負荷の大きさを可視化できます。これら「負の製品コスト」および「環境コスト」の見える化によって、社内的にはコストダウンを達成し、対外的には企業の社会的責任を果たすことが同時に可能になります。廃棄物削減と生産性向上を同時に実現します。
 
 生産効率化を阻害する16大ロスは、設備と人を含めたロスを減らすための切り口であり、これまでの現場作業を基に積み重ねられてきたノウハウが詰まっています。これらのロスの本質を理解した上で、マテリアルフロー会計などのツールを活用すると継続的な改善につながります。ツールを鵜呑みにして業務に取り組むと一時的には効果が出ても長続きはしません。ツールを使って成果を出しながら、並行してロスの本質の理解を深めることが肝要です。
 
 次回は、廃棄物の処理について解説します。
 

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この記事の著者

石原 和憲

人と地域をつなぐ、交流型イノベーター

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