省エネ :新環境経営 (その21)

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 新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有害物質管理の現状、エネルギーマネジメント、エコを経営に活かす、について解説してきました。今回からは、省エネ、創エネ、畜エネについて解説します。
 

1. 省エネはネガワット

 創電、創エネをポジワットとすると、省エネはネガワットになります。電気を創りだして電力需給問題にポジティブに貢献する創エネに対し、省エネはエネルギー消費を減らすことで電力需給問題に貢献します。創電に比べ地味な省エネにネガワットの名称をつけることで、省エネは創電と同様の価値があり、ネガとポジの表裏の関係であることをアピールしています。
 

2. 省エネ行動

 5S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)は、日本の製造現場から始まり、今やアジアに広まって高品質(ジャパンクオリティー)を生み出すことに貢献していますが、これからは、5Sに省エネ行動を加えた「6S」が必須です。本来、省エネは躾の一部ですから、5Sに含まれますが、二酸化炭素による地球温暖化問題に苦しむ世界にとって、今や省エネは最重要課題です。日本人が高度成長期に忘れていた省エネルギーな行動スタイル、生活様式を取り戻さなければなりません。ジャパンクオリティーを生み出す要素は、5S以外にも、安心、安全、おもてなしなど、たくさんありますが、まずは5Sに省エネ行動を加えたいと思います。便利さ優先で、電気使いたい放題の社会の要請で、電気を安く提供するために原子力発電を進めてきましたが、核の廃棄物処理の見通しも立たない状況では、原発頼りはありえません。それであれば、エネルギー資源小国の日本は、省エネ活動を徹底する必要があります。以下では家庭の於ける省エネ行動について解説しますが、人が働くオフィスや事務所でも共通です。工場等の特殊な環境を除いて、適用が可能です。
 

3. 省エネの基本は断熱(ガラス・壁)

CSR
 透明ガラスは光を透過させ、太陽光を取り入れた明るく快適な生活を送るために、極めて優れたものですが、一方、断熱の観点からすると、大きな問題を持っています。ガラスは熱伝導が良く、室内の暖気、冷気をどんどん外に逃がしてしまいます。室内で暖房、冷房にエネルギーを使っても、ガラスにはほとんど断熱機能がないため、エネルギーの無駄使いとなります。これに対し、近年、ペアガラスと称してガラスを2層、3層にし、間に断熱透明シート及び空気層を設けることで、断熱性能を飛躍的に向上させたガラス窓が商品化され、新築の建物を中心に急速に普及し始めています。
 
 又、従来は壁の断熱も不十分でした。外壁の内側に断熱のためのガラスウールは使用していますが、ガラスウールが薄く、外気遮断の施工も不十分なため、暖房、冷...
 新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有害物質管理の現状、エネルギーマネジメント、エコを経営に活かす、について解説してきました。今回からは、省エネ、創エネ、畜エネについて解説します。
 

1. 省エネはネガワット

 創電、創エネをポジワットとすると、省エネはネガワットになります。電気を創りだして電力需給問題にポジティブに貢献する創エネに対し、省エネはエネルギー消費を減らすことで電力需給問題に貢献します。創電に比べ地味な省エネにネガワットの名称をつけることで、省エネは創電と同様の価値があり、ネガとポジの表裏の関係であることをアピールしています。
 

2. 省エネ行動

 5S(整理、整頓、清潔、清掃、しつけ)は、日本の製造現場から始まり、今やアジアに広まって高品質(ジャパンクオリティー)を生み出すことに貢献していますが、これからは、5Sに省エネ行動を加えた「6S」が必須です。本来、省エネは躾の一部ですから、5Sに含まれますが、二酸化炭素による地球温暖化問題に苦しむ世界にとって、今や省エネは最重要課題です。日本人が高度成長期に忘れていた省エネルギーな行動スタイル、生活様式を取り戻さなければなりません。ジャパンクオリティーを生み出す要素は、5S以外にも、安心、安全、おもてなしなど、たくさんありますが、まずは5Sに省エネ行動を加えたいと思います。便利さ優先で、電気使いたい放題の社会の要請で、電気を安く提供するために原子力発電を進めてきましたが、核の廃棄物処理の見通しも立たない状況では、原発頼りはありえません。それであれば、エネルギー資源小国の日本は、省エネ活動を徹底する必要があります。以下では家庭の於ける省エネ行動について解説しますが、人が働くオフィスや事務所でも共通です。工場等の特殊な環境を除いて、適用が可能です。
 

3. 省エネの基本は断熱(ガラス・壁)

CSR
 透明ガラスは光を透過させ、太陽光を取り入れた明るく快適な生活を送るために、極めて優れたものですが、一方、断熱の観点からすると、大きな問題を持っています。ガラスは熱伝導が良く、室内の暖気、冷気をどんどん外に逃がしてしまいます。室内で暖房、冷房にエネルギーを使っても、ガラスにはほとんど断熱機能がないため、エネルギーの無駄使いとなります。これに対し、近年、ペアガラスと称してガラスを2層、3層にし、間に断熱透明シート及び空気層を設けることで、断熱性能を飛躍的に向上させたガラス窓が商品化され、新築の建物を中心に急速に普及し始めています。
 
 又、従来は壁の断熱も不十分でした。外壁の内側に断熱のためのガラスウールは使用していますが、ガラスウールが薄く、外気遮断の施工も不十分なため、暖房、冷房エネルギーの無駄使いが起きていました。最近は、外断熱工法が普及し、外壁と内壁の間に空気層を設けて断熱し、ガラスウールを適切に使用して、外気と室内の空気の流れを遮断することにより、断熱性能が大幅に向上してきています。
 
 高度成長期の建物は、断熱性能よりも機能性に重点が置かれていましたが、近年の建物は、耐震及び断熱の技術進化が著しく、省エネも進んでいます。ただ、建物の建て替え、改造は高価なため、中々置き換えが進まず、省エネの普及が進まない現実があります。既存の建物でも、できるだけ最新の技術を取り入れて、省エネを進めることが重要です。
 
 次回は、省エネハイテク機器について解説します。
 

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この記事の著者

石原 和憲

人と地域をつなぐ、交流型イノベーター

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