私が勤務していた会社では、「安全衛生推進パトロール」というものがありました。職場ごと、毎月当番制で、所属する職場を巡回し、安全面や3S、5Sの面でパトロールをします。このような活動は、多くの会社で同様のことがされていると思います。自分たちの職場を自分たちでチェックし、不具合があれば改善、見守り、翌月への申し送りなどをして、職場環境を維持向上させる活動です。
毎月各事業部の総務部門、或いは安全衛生推進部門が統一目標を広報や文書で示します。そのことを含めながら、各委員が着眼点や実施項目などを立案し、課長の確認を貰います。この時点で課長の思いを含めたり、指導、擦り合わせが出来ます。そして自分たちで決めた日にパトロールを実施します。
安全衛生の面ですから、現場で実施する場合は、ここに安全担当やクリーン化担当を加えると良いでしょう。各専門の担当者は、専門知識があるので問題が見えて、改善・対策がしやすいのです。実施場所は、自分の席の周りだけでなく、品質や技術部門は、保有している分析、解析装置のある部屋も見ます。また、自分たちの職場の文書が保管されている場所があるので、そこも確認します。
保管文書は、重要度に応じて、1年、3年、5年、10年保管など会社で決められている機密文書のルールに合わせ保管、廃棄がされているかを確認します。こういう文書もただ倉庫に山積するのではなく、保管期限のグループごとに、また年月の古い順にという風に配置します。この理由は、期限が来た時に廃棄しやすいこと、及び品質問題や客先クレーム発生時、過去の対応経緯や処置を参考にすることが出来るので、文書のトレーサビリティ(遡及容易性)と言えます。
ちょっと逸れましたが、このように単に担当が見るだけでなく、安全担当、クリーン化担当を加えると、専門的な見方、考え方を共有することが出来ます。別な表現をすると、専門でない人たちを、安全衛生パトロールという場を使いOJTが出来るということです。
普段問題ではないと見逃していたことを、専門性の高い人たちから、問題であることや、それはなぜかを知ること、考えることが出来るからです。ちょっと意識すると全員の目が肥える、育成、教育の場になります。すると問題意識が高くなり、日常的にいろいろなこと...