黙っていても自己研鑽を積む社員を育てるにはどうしたらいいか?
相手が人間だけに、ただ自己研鑽を促しても、難しい面があります。
ただ、経営者のお立場なので、その気になって頂けるなら実現はそう難しくないと思い
ます。
業務以外にテーマ(ノルマ)を与えることはできるだけ避け、日業業務の中で、自然
と自己研鑽が行えるよう仕組むことが重要です。
では、仕組むとはどのような事なのかをじっくりご説明したいと思います。
おっしゃられている通り、社員自身が成長することによって会社は強くなりますから、
まず社長自ら、将来の強い会社のあるべき姿を描き、全社員に明示する必要があります。
具体的には、経営理念、ビジョンと言われるもので、それを基に中長期経営計画、経営
目標を作成します。一般に方針管理、方針展開と言われるものです。
目標が定まれば、どのようなスキルや経験を積んだ社員が求められるかが明確になって
来ます。逆に会社の方向が定まらなければ、社員もどの方向へ進んだらよいか分からず
自己研鑽意欲をなくすことになります。
将来に向けて、人材を育成するに当たり現状の人材のレベルを測り、望む人材像との
ギャップを個人別に明らかにします。(人材マップ・スキルマップ)
これにより、社員は身に付けなければならないスキルを自覚し、自主的に自己研鑽に励む
ことができるようになります。
社長は社員に対して、成長しようとしている社員を積極的に物理的、精神的支援を行い
ます。(例えば外部研修への推薦制度、信賞必罰制度、人事査定制度等)
社員を動かすには、社長が率先して動き、会社の成長の道筋をしっかりと描き、社員成長
のための仕掛けづくりをどうするかを考え、実行に移していく必要があると思います。
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人財開発戦略、教育プログラム構築、キャリアカウンセリング、人財開発コンサルティングなどに携わってきた経験から、できるだけ簡潔に、留意点をアドバイスします。結論を体系的に述べれば、Q&A「84 自律性を持たせるには」とほぼ同じです。ここでは、より具体的に理解していただくために、筆者が行っている社員を自律化するためのセミナープログラムのアウトラインを紹介します。ただし、職種によって、部分的に変えています。参考にしていただければ幸いです。
<目的>
変化の激しい時代には、スキルや経験を伝授すること以上に、キャリアが陳腐化するため、自律的な思考行動特性が最重要である。何のために仕事をするのか、成果を上げることはどういうことかなどを自分自身で考えて行動する必要がある。セミナーでは、会社の経営理念や価値観、自身の価値観を融合させ、企業の中での技術者の役割を認識し、価値判断力を磨き、基本的仕事の進め方を身につける。また、自律的な社員となるためのモチベーションと気付きも付加される。つまり、仕事の基本を体系的に学ぶことで、自己流のOJTからムダを排除でき、会社と個人の付加価値を高めることを狙っている。
<セミナープログラム概要>
(1)企業の目的と役割の再確認
社長から社員までの役割をブレークダウンさせた方針展開表を作成する。
(2)仕事のプロセス
ムダのない体系的な仕事の進め方を考える。
(3)求められる価値観
求められる社員像の明確化と社員個人の価値観をセルフアセスメントし、そのギャップを考える。
(4)仕事に必要な必須能力
コミュニケーション能力、問題解決能力、チーム力等の重点能力の必要性を理解する。
(5)判断基準
お客様とは、マーケティングの基本、コンプライアンス等を確認する。
(6)行動基準
研究・開発技術者、設計・生産技術者、製造・品質管理技術者、ソフトウェア技術者等役割に応じた行動基準を確認する。
(7)企業規模に適合させた社員のキャリアデザインの作成
必要に応じて個別のキャリアデザインを描く。
<補足事項>
その他に、会社の仕組を変えることで、社員の自律性を向上できる可能性もあります。例えば、次のような社員のモチベーションを上げるための施策が考えられます。
(1)できるだけキャリアデザインとリンクさせたセミナーや職業訓練に積極的に参加させる。
(2)資格手当を拡充する。業務に直接関連なくてもOKとする。なぜなら、企業は、いつ廃業するかわからない時代でもあるため、社員の自律を促す動機づけとなる。
(3)メリハリのきいた褒章システムを備えた提案制度を構築する。自分たちのアイデアが実現できることで、自律的に思考できる社員への動機づけにつながる。
回答者:ぷろえんじにあ代表 粕谷茂
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ものづくりに必要なこと
「岡 潔」のことばより考えた
ものづくりに必要なこと
心の世界
花を見れば花が笑みかけていると思い、
小鳥を聞けば小鳥の声が呼びかけていると思う。
他が喜んでいれば嬉しく、
他が悲しんでいれば悲しく、
みんなのために働くことに無上の幸福を感じる。
なんの疑いもない。これが心である。
・・・・・
人には心が二つある。そして二つしかない。
一つは心理学の対象となっている心であって、
この心は、私を入れなければ動かないし、わかり方は必ず意識を通す。
これを第一の心ということにする。
欧米人は太古以来、この心しか知らないのである。
第二の心は頭頂葉に宿っている。
これは無私の心である。
わかり方は意識を通さない。
第一の心は、心理学者は知らないだろうが、
本当は物質的自然界全体に及んでいる。
自然科学者の暗黙の自然の説明が、
初めに時間・空間があると思うのはそのためである。
人は本当は
第二の心の中の
物質的自然界の中に住んでいるのである。
私たちは無量の情緒に包まれた物質的自然界の中に住んでいるのである。
コメント
正しいとか正しくない以前に自分の思考について、
アイデンティティをしっかり持つことの重要性と、
考える深さを教えられるように思います
人が何かを考えることはどういうことなのでしょうか
アイデアは第一の心では発明でしょうが
第二の心では発見(あるいは 無)でしょう
心の自覚を自分の場所にしっかり落ち着かせることで
安心した状態で、物事に取り組めると考えています
毎日の積み重ねを続けていきたいとおもいます
ものづくりの背景にはここまでの思考(哲学)が必要だと考えています
参考資料1
「基礎研究は、その人個人個人の『情熱』に依存している」
或教授の退職の辞( 西田幾多郎 )
「基礎研究は
結局その人個人個人の『情熱』に依存している」と言うことを検討します
なぜ情熱が必要になるのかと言うことを考えると、
「ハンモン → 煩悶(苦しくなるほど思い悩むこと)」と言うことを思い付きます
研究は研究課題の難しさや競争などの環境を含めた問題を解決していくために
考えつづける必要があります
考えることにより悩みが生まれ、その悩みをさらに深めていく必要があり、
そのために文学や哲学は大変参考(あるいは解決を示してくれること)になると思います
「悩みを深めて行く」ために情熱が必要となるのではないかと思います
私の場合、「或教授の退職の辞( 西田幾多郎 )」は
上記の参考例になったように思います
そこで参考としてその文章を提示します
或教授の退職の辞( 西田幾多郎 )
これは楽友館の給仕が話したのを誰かが書いたものらしい、
而もそれは大分以前のことであろう。
・・・
私は今日を以て私の何十年の公生涯を終ったのである。私は近頃ラムの『エッセー・オブ・エリヤ』を取り出して、「老朽者」という一文を読んだ。そしてそれが如何にもよく私の今日の心持を言い表しおるものだと痛く同感した。回顧すれば、私の生涯は極めて簡単なものであった。その前半は黒板を前にして坐した、その後半は黒板を後にして立った。黒板に向って一回転をなしたといえば、それで私の伝記は尽きるのである。しかし明日ストーヴに焼《く》べられる一本の草にも、それ相応の来歴があり、思出がなければならない。平凡なる私の如きものも六十年の生涯を回顧して、転《うた》た水の流と人の行末という如き感慨に堪えない。私は北国の一寒村に生れた。・・・
・・・・
彼はこういうようなことを話して座に復した。集れる人々の中には、彼のつまらない生涯を臆面もなくくだくだと述べ立てたのに対して、嫌気を催したものもあったであろう、心窃に苦笑したものもあったかも知れない。しかし凹字形に並べられたテーブルに、彼を中心として暫く昔話が続けられた。その中、彼は明日遠くへ行かねばならぬというので、早く帰った。多くの人々は彼を玄関に見送った。彼は心地よげに街頭の闇の中に消え去った。(昭和三年十二月)
参考資料2
「われわれの最も平凡な日常の生活が何であるかを
最も深くつかむことによって
最も深い哲学が生まれるのである
学問はひっきょうLIFEのためなり。
LIFEが第一等のことなり。LIFEなき学問は無用なり。」西田幾多郎
参考資料3
西田幾多郎 無の哲人:禅の思想から日本哲学へ
https://youtu.be/FzE_AYcZEjQ
鈴木大拙 講演 禅の考え方-頌寿記念講演(一部)
https://youtu.be/gkyfbRK29XE
青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/
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