中小・中堅企業向けにものづくり改革、収益性向上や販路拡大などの支援を実施している経験からコメントさせて頂きます。 下記の(1)〜(4)に従い、検討して頂くと効果的です。
(1)自社の強みを知る
まず、顧客が自社になぜ注文をくれるのかを知ることが重要です。顧客が必要性を感じて発注しているため、その必要性(=自社にとっての強み)を知るのです。知る手段としては簡単です、注文をもらった際に、なぜ自社を選んで頂いたかを確認するだけです。その実績を積み上げていくことが、自社を知ることにつながります。簡単にできますので、すぐにでも始めてください。
また必要に応じてSWOT分析を行い、自社の置かれている内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を把握し、自社が対外的にどのような位置付けにあり、弱みや脅威を克服するために、どのような強みを伸ばしていくかを明確にしていきます。顧客が考えている強みと自社の考えている強みのギャップを修正することにもなりますし、短期〜中長期的な観点で自社をどのように伸ばしていくか検討が可能となります。
(2)強みをPRする
自社の強みを認識できたら、それをターゲット顧客に対してPR(広報)します。つまり、新聞やテレビ、雑誌にプレスリリースとして情報発信し、記事や番組ネタとして取り上げてもらうのです。このプレスリリースを行う場合は、公共性・新規性・話題性などの要素がないと取り上げてもらえないので、自社の強みやPRしたい商品・サービスを如何にアピールするかが重要となります。尚、プレスリリースが取り上げられたら、一時的に自社のホームページのアクセス数が増加し、見積もりや問い合わせが激増しますので、あらかじめホームページなどを見直しておくことも重要となります。
当方でもプレスリリースを活用した拡販を支援した経験がありますので、ご要望があればご相談頂ければと存じます。
(3)収益性の高い得意先を絞り込む
またある程度の社会的な認知度があり、注文もある場合、優良顧客を絞り込むことが重要と考えています。売上金額(件数)と利益率で顧客をマッピングし、利益率が高く売上高も高い顧客が優良顧客ですので、この優良顧客内の自社シェアを拡大する方法を検討します。また売上高や利益率の一方が低い顧客には、それぞれ増加するための取り組みを模索することになります。売上高と利益率も低い顧客は、固定費回収などのための受注に限定するなど、自社の負担を少なくするためのとりくみも必要かもしれません。
(4)技術営業ができる人材育成
(1)〜(3)の取り組みを実践する中で、重要なキーワードが「技術」です。従って、(1)〜(3)の取り組みを技術が分かる従業員に担当させ、技術視点で売上拡大アプローチを進めたら如何でしょうか。例えば、顧客先に技術担当(=技術営業)が出向き、なぜ発注してくれたのかを技術担当から聞き出し、それを売上拡大の起爆剤として新たな施策を検討させるのです。これもまずは実践が重要です。初めから大きな成果を期待せず、長い目で人材育成に取り組んでみてください。
当方の支援経験の範囲内で整理させて頂きましたが、まずは(1)の受注時になぜ注文をくれたのか顧客に確認するだけでも効果があると思いますので、ぜひ実践してみてください。
以上、ご参考になれば幸いです。
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回答の評価で、「当社の規模ではプレスリリースは難しい」とありましたので、補足いたします。 プレスリリースは大規模企業のものと思われがちですが、実際企業規模はあまり関係ありません。当方が支援した企業も10人や40人程度の製造業で、また一般的にも従業員がいない個人事業主なども多く活用されています。要は、社会に対して誇れる商品やサービスがないことの方が、売上拡大や企業成長には問題です。売上拡大に向けて、何が重要かを考えるキッカケにして頂ければと思います。
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受注拡大に向けて、営業活動にを意識することは大切です。
従業員が、40名前後ですと、営業パーソンは、2~3名に社長および幹部の方になるのでしょうか。
多くの部品加工メーカーで見受けられることですが、顧客から引き合いの連絡を受けて、訪問・打合せをするという御用聞きの営業パターンが多いです。
これは、営業活動、つまり受注拡大に対する経営者や経営幹部の意識が薄いことに起因することが多いように感じます。
その点をご理解いただいていることは重要です。
それでは、受注拡大に向けたアプローチについて考えてみましょう。
まず、自社が、顧客をどの程度知っているかが重要です。
具体的には、顧客の資本金や住所、従業員数など基本的な内容がまず一つ目です。
次に、顧客の生産品目や受注金額、顧客がプレスや板金部品を外注にどのくらいの金額を発注しているのかなどです。
また、顧客の組織やキーマンなどをA41枚にまとめておくことです。
これらの情報を整備したうえで、引き合い案件ごとについて、情報を整理していきます。
詳しい項目は、引き合い案件、数量、納期などの項目とともに、顧客の要求している項目になってきます。
項目は控えますが、打合せの中から顧客の要求事項や自社の特徴を知ることができるようになって、顧客別の営業方針を決めることができます。
ここで、理論的な販売手順を作っておくとよいでしょう。(自社のロジカル・セーリング・プロセスです。)
自社の強みや特徴を知って、活かすことを述べますが、顧客によって自社に要求している方向が異なっている可能性もあります。
つまり、自社の強みが、顧客によっては重要でないこともあるということです。顧客の自社への要求を知ることが大切です。
技術営業が出来る人材を育てるにはどうすればよいかも、上記のような情報を整理していく中で考えなければなりません。
技術営業が出来る人材は、やはりプレス品や板金品の製作を理解している社員を登用すべきだと考えます。
ここから先は、ケース・バイ・ケースになるのではないでしょうか。
以上、ご参考になれば幸いです。
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お客様から信頼を得て、受注を拡大するには「技術力」は欠かせない要素です。
部品の使われ方を知ることは、その部品の加工ミス、組立ミスなどによって引き起こされる重大故障や事故を事前に予測可能となり、事故の未然防止につながります。そのためには、まず発注元の技術部門の協力を得て、組み合わせる相手部品や製品の仕様などの情報を積極的に得ることがポイントとなります。
そこから、図面にはない、加工上の注意点や重点管理すべき特性値および設備や治具の点検点を抽出することができます。このように製造工程の信頼性を高めるには、工程FMEA手法の導入が有効な手段と考えられます。工程FMEAでは、機械設備、材料、作業方法などの故障モードをすべて抽出し、市場での故障や事故を予測、リスクの大きさをランク付けして予防策を講じることが可能です。
未然予防のしくみ確立、技術力のアップは、競合他社との競争は優位となり、一ランク上の製品受注につながって行くものと考えられます。
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