工場ですぐ使える品質改善技法の開発と普及活動を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。
トヨタ生産方式の「省人化」「少人化」の違いについてのご質問ですね。
「省人化」:Manpower Reduction
0.9人分の仕事を減らし、「省力化」しても0.1人分の仕事が残っていればその人は減らすことができません。更に0.1人分の仕事を効率化して確実に一人減るようにしなければならない。このことを「省人化」といいます。
つまり、必ず一人分単位の仕事を効率化すること言います。具体的には
①機械化の工夫(人の作業を機械に置き換える)
②無人化の工夫(調整や監視を無くす)
③自働化の工夫(機械に善し悪しを判断させる)
実際の改善活動では、省力化を行なったものの、省人化は達成できず、実際の成果(つまり利益)に結びついていないケースが多々存在します。
「少人化」:Flexible-Manpower Line
生産ラインに配置される人を固定的に考えず、例えば生産量が少ないときは3人で、多いときは5人に増やす仕組みを考えます。つまり、多品種少量生産では、顧客の注文量に応じて生産量が変化します。そのため効率が低下しないように、生産ラインの人員の増減を容易にし、"フレキシブル生産"を実現します。
それには次のような仕組みを作ります。
①1個流し生産(セル生産方式)
②多工程持ち(多能工化)
③標準作業(サイクルタイム、作業順序、仕掛品の標準手持ち)
④非定員組織、助け合い作業(作業者をラインに固定配置しない)
「少人化」の狙いは、ずばり定員制からの脱却です。
ジャストインタイム生産ラインは、「省力化」から「省人化」への作業の効率化が図られ、需要量の変動に応じて人員を増減する「少人化」のしくみから成り立っています。
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