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QUESTION 質問No.258

品質を向上させるとコストはアップするのでしょうか?

生産品質マネジメント |投稿日時:
製造品質を向上させようとすると製造コストがアップするそうですが、本当でしょうか?
当社では、品質とコストはトレードオフの関係というのが常識となっています。


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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

工場ですぐ使える品質改善技法の開発と普及活動を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。

製造品質とコストの関係についてのご質問ですが、まず御社では「製造品質向上」させるためにどのような手段を講じているでしょうか?

例えば、検査を厳重に実施して、2重に検査する、人出を掛けて全品を検査するなどの方法では、コストはその分上昇します。しかし、検査を省いた結果、不良が流出するなら、市場での処置、回収作業など、社内コストと比べ膨大なコストが掛かります。また、信用も失い、無形の損失も大きいと思います。

実は品質管理の目的は、「コストを掛けずに品質向上させる」ことなのです。
それには、製品や工程の不適合(トラブル)を未然に防止し、検査は行わなくても、トラブルが起きないよう、管理のしくみや、教育訓練、作業手順、設備、測定機の配置を事前に考え万全な体制を敷いてで生産をスタートさせる手順を確立しなければなりません。

一例として、費用を掛けずに品質を作り込む、トヨタ生産方式の「自工程完結」「自働化」「ポカヨケ」などの考え方が参考になります。トヨタ生産方式の考え方は、費用を掛けずに現場でアイデアを出し、試行錯誤を繰り返して独自の管理方法を確立することです。

そのほかに、コストを掛けずに品質向上させるための手法はたくさんあります。
この「ものづくり.com」にもたくさんのヒントが掲載されていますので、じっくりとご覧になることをお勧めします。




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回答No2 | 投稿日時:

私は、ISOの審査員とコンサルティングをおこなっています。
ご質問の件ですが、貴社はISO9001は取得されているのでしょうか?
ISO9001は、2015年に改訂されたことはご存知と思います。
このISO9001:2015年版では、事業プロセスとの統合が求められ、そのためには何をすべきか?
即ち、何に取り組むべきかを求めており、これは、規格の6.1に要求されている、”望ましくない影響”と”望ましい影響”を知り、それらに対するリスク及び機会を決定し、そこから6.2品質目標につながる活動が必要です。
上記の望ましくない影響(これが、不適合や無駄を発生させる要因))を知り、これらにどのように対応するか、又は処置するかが、何に取り組むかになります。
品質向上は、先に回答されている専門家の方も書かれていましたが、検査を重要視するのではなく、如何に製品品質を作り込むかが重要です。
そのためには、現状の製造プロセスにある、リスクを知ることは非常に重要と考えて下さい。
リスクを知れば、当然そのリスクへの対応を考えます。
リスクへの対応には、低減、削減、排除などがありますが、それを行うことが品質向上につながり、結果として必ずコストダウンにつながります。
又、”望ましい影響”とは、リスクを含め現状に対し、改善になる事項(情報)を知ることです。
機会を知ることは難しいとは思いますが、これには、新技術・最新設備の導入などの設備投資も含まれ、また工程の変更・改善などが含まれます。
品質向上はコストアップではなく、コストダウンにつながらなければ企業は成り立ちません。
是非、このISO9001が求めている、望ましくない影響と望ましい影響を知る活動を進めて下さい。




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回答No3 | 投稿日時:

コストを下げて品質を改善する
洗浄事例が多数ありますので紹介します

1:超音波洗浄機の出力を下げることで
  水槽と洗浄液が最適化され、洗浄効果が高くなる
  (コスト:消費電力)

2:洗剤の濃度を下げる、洗浄液の液温を下げる・・
  液循環制御(ON/OFF)設定により
  最適な相互作用が洗浄効果を改善します
  (コスト:洗剤の使用量、ヒータの電力)

3:一つの水槽に、複数の超音波振動子を入れている場合
  超音波振動子の使用数量を減らす
  あるいは出力OFFの振動子を組み合わせる
  事例 30台->5台、10台->3台、5台->2台
  水槽構造に合わせた振動子の設置方法により
  超音波の使用数量は減らすことができます

4:5-6万円のマグネットポンプの追加で
  超音波の使用を中止して、洗浄効果を改善した事例があります
  マグネットポンプによる
  マイクロバブル発生液循環設定で
  均一な洗浄レベルを実現しました

5:その他
 
コメント
 高価な機械ほど、適切な利用状態を追及する必要があると思います
 同じ機械を購入して使用していても
 非常に良い表面を実現できる会社とできない会社の違いになります

 特に、マイクロバブルの利用による表面改質効果は
 適切に行うことで
 大きな成果(品質改善)を出している会社が増えています