当然ながら、弊社の取引先なども、T社関連の仕事に精力的に乗り出していることはいいのですが、最近では数の論理から、弊社の仕事を後回しにしている感があり、先日ついに懸念していた納期遅延を起こし、その件でお得意様に多大な迷惑をかけてしまいました。
なので、取引先を拡大しようと考えておりますが、体力的にそれほど強くない会社が多く、必要な加工機を購入する体力も無いので、弊社の機械を貸し出しして、生産をして頂くまで条件の緩和を考えたのですが、機械が故障した場合の修理の対応まで面倒が見れないのと、その間生産が出来なくなるというリスクを考えた場合、近場の取引先しか考えられないと思うのですが、体力のある所は、先に述べたT社関連優先の感が多く、見つけ出すのが非常に困難な状況です。
こんな場合、皆さまはどのようにして、取引先を拡大しているのでしょうか?
やはり、遠方でも体力のある取引先を探しているのでしょうか?
工場ですぐ使える品質改善技法の開発と普及活動を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。
まず、御社の外部調達の基準はどのようなものでしょうか?
3000名の社員なら、決して中小企業ではなく、人材も豊富ですから、機械を貸し出してまで外注に生産委託する理由は何なのか、直感的に疑問を感じます。内部に仕事を取り込むことで、外注費用を減らすことができ、機械の稼働率も上がり、社内の付加価値生産性(労働生産性、機械生産性)が向上すると考えられます。
外注費が安いから仕事を外に出すという考え方は間違いであって、社内の機械や人をフルに稼働させることを優先させるべきだと思います。機械は遊んでいても固定費は同じに掛かりますから、外注化することによって、その分外注費用が増加し、利益は少なくなってしまいます。また直接の外注費用のほかに管理するための間接費用が掛かることも忘れてはいけません。
外注化を考えるのは、技術的に自社の設備や技術力で対応できないものに限るべきと考えます。
取引先を拡大するとありますが、顧客ではなく外注先を拡大するという意味であれば、むしろ逆で、取引実績をランク付けして、数を絞り込み、優良外注先との取引をより緊密にしていくことが、これからの資材調達部門の役割ではないかと考えます。
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