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QUESTION 質問No.332

少人数でも能率を上げる方法を伝授してください

生産人的資源マネジメント |投稿日時:
今勤めている工場には5人の従業員がいますが、仕事の出来る人と出来ない人との差がかなり見受けられます。なので割り振りも偏っているため、どうしても仕事が出来る人に負担がいきがちです。それでいて給与体系を聞いてみれば、出来ない人とあまり差が無い事から、ある期間が来ればそう言った人は退職してしまい条件のいい会社へと転職してしまうため、若い力が伸びません。これからの事を考える、そういった事の対応も必要かと思い相談してみました。ですが会社のスタッフ自体は性格の良い人が多く働きやすい環境にあるためその問題をクリヤできればと思うのですが良い案をよろしくお願いします。

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

工場ですぐ使える品質改善技法の開発と普及活動を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。

能力のある人が辞めて行ってしまう、また若手が伸びないといった悩みは多くの中小企業の実態ではないでしょうか?
従業員が5人の工場ですと、一人一人の能力が生産性に直に響いてきます。
決定打はありませんが、長く勤めてもらうためにはどうするか?また若手を伸ばすためにはどうするか?いくつか案を上げてみたいと思います。

辞めて行く理由は、自分の能力を評価してもらえない、またこのままだと、先が見えないという不安があるのだと思います。また若手も、なかなか仕事を覚えるチャンスもなく、やはり先が見えないという不安があると思います。

その不安を無くすためには、社長から積極的にコミュニケーションの機会を設けて、全員で話し合うことが重要ではないでしょうか?これは、社外で食事をしながらでも良いと思います。その方が本音の意見が出やすいかも知れません。トップの考え方を明確に伝えること、それに対する社員の意見、日ごろ感じていることなどを率直に出し合うことが大事だと思います。

また、計画的な教育訓練の実施は必須ではないでしょうか。
1回当たり短い時間でも、目標を立て、それを継続的に実施し、記録を取っていきます。レベルアップを見える化し、目標達成感を味わえるように工夫します。

教育訓練は先輩から、若手に対するOJTが主体となりますが、何をどこまで、どのように教えるのかはパターンを決めておくようにします。手順書の様なドキュメントの作成は時間が掛かり、小人数では負担が大きいので、ビデオ撮影などで作業手順を記録し、それを教材として使用するようにします。




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回答No2 | 投稿日時:

 いろいろな分野での人財開発の支援実績を基にコメントしてみます。工場の従業員ということですので技能者であると仮定して、技能者での成功及び失敗事例から解決策を考えてみました。
 教育の究極の理想解は何だと思いますか?もちろん、いろいろな考え方があると思います。私の想いは「教育をしないこと。」だと思います。でも、一部の研究・開発技術者なら成立する可能性もありそうですが、技能者の場合には何も教えないというのも非効率です。なぜなら、教育訓練によって技能スキルは格段に向上できるからです。したがって、どうしたら高いスキルの技能者の社外流出を防止できるか、未熟な技能者のスキルを向上させられるかの視点で解決策を考えると、モチベーションを上げることが効果的であるという仮説を立てました。つまり、以下の4つのモチベーション理論の視点で整理してみました。参考にしていただければ幸いです。
(1)仕事の面白さ(好奇心)、仕事への挑戦
 この裏付けとして、ブルームの期待値理論があります。例えば、仕事の本質的意味を教育する、資格取得の褒章制度を儲ける等のしくみを構築して、従業員のチャレンジ精神を引き出します。さらに具体例を一つ上げれば、厚労省の「職業能力証明(訓練成果・実務成果)シート」が職種ごとにフォーマットされておりますので、活用されてもよいと考えます。職務遂行のための基本的能力と評価規準を自己評価と上長評価を毎年話し合いにより更新し、スキルアップに貢献できると思われるものです。
(2)チームや人とのコミュニケーション
 この裏付けとして、エドワード・デシの関係性への欲求、マズローの所属欲求があります。例えば、仕事を個人の仕事ではなくチームで行うものと考え、定期的な改善提案等の検討会のしくみを導入してチーム活動の楽しさ。やりがい等を感じさせます。
(3)上司・メンバー・顧客からの承認
 この裏付けとして、マズローの承認欲求、フランクルの意味への意思があります。例えば、品質が向上したり、スキルが向上したりした時には褒めて表彰してあげます。
(4)組織貢献感や仕事の意義
 この裏付けとして、アトキンソンの期待×価値モデル、フランクルの意味への意思、ブルームの期待値理論があります。例えば、仕事でどう会社に貢献しているのか、どうお客様の役に立っているのか等を期末や期初のイベント等で繰り返し繰り返し従業員に訴えていきます。

<補足説明>
 裏付け理論の中で、なじみのない理論を、いくつか確認しておきます。まず、ブルームはモチベーションを引き起こす誘因として、テーマの魅力度、組織的貢献度、テーマ達成の可能性を挙げています。アトキンソンの期待・価値モデルは、難しい課題ならば、達成されたときには、大きな喜びとなる。目標が容易に達成されるものは、成功への主観的確率は高いが、目標の魅力度は低くなる。つまり、「出来るかもしれないし、出来ないかもしれない」ときに、課題への動機付けが最も高まるとしています。フランクルの意味への意思は、人間とは意味を求める存在である。意味を見出す方法は3つ。何かを創造したり、何かを体験したり、自らの運命に対して取る心構えと態度であるとしています。最後に、エドワード・デシの心理的欲求の意味は、人が生得的に持っている心理的欲求として、自律性への欲求、有能感への欲求、関係性への欲求の3つを上げています。ここで、有能感とはコンピテンシーのことであり、関係性とはコミュニケーションのことになります。

 ぷろえんじにあ 代表 粕谷茂