私たちが取り組んでいるのは品質リスクアセスメントで、事前に予知をし改善策を現場の人に説明し指示を出しています。
しかしながら現場の人間からは、そんなことをしたら時間がかかって納期が遅れてしまう、作業がやりにくいと言われたりします。私は現場の意見も聞きながらやっているのですがなかなか上手くいきません。
また、現場の人間からは改善している暇がないと言われたりします。
こういった時はどうしたらいいのかわから
ず、また別の方法で品質改善をすることが可能なのか知りたいです。
アドバイスなどをいただけないでしょうか?
私がCSM(顧客満足経営)をアスストしている企業では、企業規模を問わず、欧米企業も含め、メーカー・サービス業共に常に顧客の本音を調べ、コトが起る前の課題解決を図っています。その方法は「顧客『不』満足度調査R」ですが、当調査が余り皆様の目に触れないのは、実施している企業が自社の同調査採用を公表していないからです(当調査の名称は調査手法の呼び名であり、調査対象には当名称は使用していないこと、ならびに私共が調査を受託する際に守秘義務契約をしているから採用企業名を告知していないからです)。当調査結果により「改善」「改良」「改革」がなされ、成果を生んでいるので、活動以降、成果・業績向上に貢献しています。さて、調査は欠点を洗い出して誰かの責任を問う取組みではなく、顧客の本音理解と解決による「業績=顧客の支持率」達成が目的です。
ちなみに「日本能率協会」は年に2回、1回2日間のセミナーが現在63回終了し、今年の10月、明年3月で64・65回目となります(途中まで年に1回の調査だったが、それでも既に20年以上のロングランセミナー)。
取組みの流れは「顧客不満足度調査」実施→課題の整理・分析→課題取組み・解決→顧客評価となります。勿論、費用を要しますが、セオリーを基盤にお見積りをします。ご存知のように問題が発生した後追い型の対応に要する巨額な費用(ロスコスト)の出費(直接経費・間接経費・顧客離脱など)に比べれば微々たるものです。ご興味がありましたらご一報ください。企業が発展し続けるための取組みです。
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現在、御社が生産されているものの品質が悪いという事を、現場も管理者も是識しているようです。
そのような品質でも、納品できているという事は、過去に信頼の実績があるからで、品質が悪くても納品先は受け入れてくれているので、それに甘えている状況です。
品質が悪ければ、明日にでも取引中止になりますよ。まずは、品質担当のリーダーが、「絶対、品質トラブルは出さない」の意識がなければ「ぬるま湯の蛙」からの脱却は無理です。問題は、品質担当のリーダーの意識です。
品質は良くて当たり前で、その上で機能、性能で差別化を図るのが生き残る道です。
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現場ですぐ使える品質改善技法の開発と普及活動を行っている高崎ものづくり技術研究所の濱田と申します。
品質担当のリーダーの役割は何でしょうか?
生産部門の現場の人の役割は何でしょうか?
そもそも、品質改善は現場が行うものであって、暇がないから改善できないというのは、業務の責任を放棄しているとしか言いようがありません。
また「そんなことをしたら時間がかかって納期が遅れてしまう、作業がやりにくい」と言うのは、与えられた方法に抵抗感を感じ、やらされ感を強く感じているのだと思います。
ではどうすれば、現場の改善が進むでしょうか?
まず改善は、現場の状況を熟知している現場の人が主体となって行い、品質部門は、その支援を行う立場であることを明確にすべきです。
「事前に問題点を予知をし改善策を講ずる」のは現場であって、現場にその仕組みの導入を図って定着させるのが管理部門の役割です。
そのような意識付けや改善活動のしくみを作ることをトップ層に提案し、支援を得た上で、推進していかれることを期待しております。
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現場の改善を行うには、何よりも現場の人がこんな状況ではまずい、何とかしないといけない、という気持ちになってもらうことがまず大事です。生産部門の品質が悪いとはどんな状況でしょうか。数字や金額などで現場の人に現状の大変さを理解してもらっているでしょうか。
現場の品質改善は現状を整理し、不具合の原因を究明してその対策を検討、手順書に落とし込んで実施するということですが、事前に予知をして改善策を現場の人に説明して指示を出しているということは都度指示が異なるということでしょうか。現場の人が言われる通り、納期遅れや作業のやりにくさといった新たな問題を発生させての品質改善であれば、その効果は小さくなります。どうしてもむずかしいのであれば、納期の調整をしてリードタイムが多少長くなってもトータルとして問題が小さくなる方向へ持っていく等の必要があると考えます。
品質改善だけを見るのではなく、その取り組みが他へどのような影響をあたえるのかを良く考え、現場の人が問題を抱えることなく安心して品質改善に取組むことができる環境を作っていくことも重要と思います。現場の人と現状の認識合わせを行い、改善を進めるにあたって不安を抱えることなく安心して業務が進められる環境をつくることで現場の人の目的意識を高めてもらうことができれば、改善は自ずと進んでいくと思います。品質改善のテクニックの部分はもちろん重要ですが、マインドを形成していくということでものごとは大きく前進します。頑張ってください。
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これまでの経験と実績から、以下を提案します
「品質担当のリーダーが、統計数理の理解を深める(学習する)」
難しい上に、技術としても嫌われる傾向の統計ですが
確実に大きな成果につながっています
(推奨しても、実際に学習される人は1割以下です)
以下参考資料
参考
故赤池弘次先生記念ウェブサイト
故赤池弘次先生ブログ
上記からの抜粋
複雑な現象に対する取り組み方としての
バイブルだと考えています
抜粋・・・・初め
スイングの動きを固めるには統計的な見方が不可欠
テーマ:念のため
クラブを握ってボールを打つと、
否応なくスイングの結果の不確実さを思い知らされます。
実は、この不確実性に対処することの面白さが人々をゴルフに誘うのです。
人類は大昔からサイコロ風の道具を使って遊んでいます。
サイコロを投げる時、結果は確実には予測できず、
これを予想することで賭のスリリングな楽しみが生まれます。
賭に対処するには、これまでの経験での成功の割合を考え、
これを成功の確率として捉えています。
ゴルフの場合は、見る人はショットの不確実な結果について
様々な期待をめぐらせて楽しんでいるのです。
ゴルファー自身にとっては、
目的に適したショットの実現が問題で、
単純な成功の確率よりは更に詳しく飛距離や
方向のばらつきが問題になります。
この場合は目標を目指しての一回のショットの飛距離と
その方向を測り、その散らばり(分布)について確率を求めます。
社会の中で特定の特性を持つ人々の数を表す数値は
古くから統計と呼ばれて来ています。
そこで、多数回の結果の中で一定の値
(正確にはその近傍の値)が現れる確率を検討する方法を
統計的な見方と呼びます。
ショットの改善を考える場合には、
ショットの結果の方向と飛距離についての統計的な検討が必要になります。
ここまでの話は常識的なものですが、
ここから更に一歩踏み込んでスイングの動き自体の検討に進みます。
この場合は、上手な人の動きを真似たりその人の教えに従ったりして
その結果を統計的に確認するという方法だけではなく、
スイングを生み出す体とクラブの動きの構造を
自分で捉えることが必要になります。
ところが、動きを生み出す体の仕組みは、
社会の仕組みのように無数の部分の繋がりで出来上がっています。
この複雑なシステムの動きを、
その構成部分の動きの総和として捉えようとするのが統計的な見方です。
この場合、最終的には体の動きを生み出すための
単純化したイメージが必要になります。
このイメージの構築の基本要素は、体の仕組みの知識と、
これまで強調して来た最終的な動きの目的意識です。
これらによって試行錯誤的にイメージの改善を進めることになります。
こんな面倒な話は聞きたくもないと思うかも知れませんが、
「天は自らを助けるものを助ける」と言うように、
スイングは人から教えられるものだけでは不十分で、
自分で考えて仕上げることが不可欠です。
その場合に「統計的な見方の有効利用」が成功へのキーワードになります。
抜粋・・・・終わり
<データの統計解析に関する資料>
<統計的な考え方について>
統計数理は以下のように考えられています
統計的な物の見方というのは、
1)我々がどのように自分が持っている知識や情報を利用しようとするのか
と言うことに関係する(すなわち、主観的な発想に基づいている)
2)具体的な経験・知識に基づいた心の枠組みで考える(すなわち、具体的である)
3)物事の量的な特性に対するいろいろな考え方が豊かになっていく展開
(すなわち、抽象的である)
まとめ
統計数理には、抽象的な性格と具体的な性格の二面があり、
具体的なものとの接触を通じて
抽象的な考えあるいは方法が発展させられていく、
これが統計数理の特質である
<論理モデルの作成について>
(情報量基準を利用して)
1)各種の基礎技術(注)に基づいて、対象に関する、
D1=客観的知識(学術的論理に裏付けられた洗浄理論)
D2=経験的知識(これまでの洗浄結果)
D3=観測データ(現実の状態)
からなる 「情報データ群 」、DS=(D1,D2,D3) を明確に認識し
その組織的利用から複数のモデル案を作成する
2)統計的思考法を、
情報データ群(DS)の構成と、それに基づくモデルの提案と検証の繰り返し
によって情報獲得を実現する思考法と捉える
3) AIC の利用により、様々なモデルの比較を行い、最適なモデルを決定する
4) 作成したモデルに基づいて洗浄装置・洗浄システムを構築する
5) 時間と効率を考え、以下のように対応することを提案します
5-1)「論理モデル作成事項(効果的な超音波洗浄技術について)」を考慮して
「直感によるモデル」を作成し複数の人が検討する
5-2)実状のデータや新たな情報によりモデルを修正・検討する
5-3)検討メンバーが合意できるモデルにより装置やシステムの具体的打ち合わせに入る
上記の参考資料
ダイナミックシステムの統計的解析と制御:赤池弘次/共著 中川東一郎/共著:サイエンス社
生体のゆらぎとリズム コンピュータ解析入門:和田孝雄/著:講談社
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改善活動を定着させるのって難しいですよね。
それでも多くの企業では改善に取り組んでおり、大きな成果を上げている企業もたくさんあります。
どのように改善活動を根付かせるのか?
もちろん、その必要性や基本的な考え方、手法など多くを理解し継続して学ばないと改善活動は根付かないのだと思いますが、作業者の立場になって考えた場合はどうなるのでしょうか?
今はどこの企業もコスト削減で作業者に余裕なんてありません。
忙しいのにさらに仕事を増やすのか!、そんなのは俺たち/私たちの仕事じゃない!
そんな声が聞こえてきそうです。
現場の人たちにとっての改善活動は今の仕事の範囲なのでなく、新しい仕事ととらえられているのではないでしょうか?
では、新しい仕事を教える時って、皆さんはどのように教育していますでしょうか?
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」連合艦隊司令長官 山本五十六の名言です。
つまり、いきなり現場の人にやらせるのでなく最初は「やってみせる」ことなんだと思います。
まずはリーダーが、改善点と思われることをよく観察し、その潜在的な問題と根本原因を検討してみる。そのうえで現場の人に声をかけ、「言って聞かせて」意見を聞いてみる。この時に大切なのは考えを押し付けるのでなく、「耳を傾け」言い分をよく聞くこと。意見が違う場合はなぜそう思っているのかを再度よく検討すること。現場の人の同意が得られたら、その改善案をよく検討し、改善を行ってみる。ここで効果が得られなければ根本原因と思ったことが違っているか改善方法が適切でないかのどちらかなので、再度検討する。
このサイクルを何度か回していくと、現場で改善効果が実感できるので、自発的にこんな問題がある、こうしたほうが効果/効率的でないかといった改善案が出てくるのではないでしょうか?
ここまで来たら、あとは改善の進め方を指導し、「任せてやり」「承認して」「やらせてみる」。成功すれば「褒めてやる」。
改善手法取得の前段階の話です。参考に去れば幸いです。
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