親友は、ギター製作の学校で技術を学び、大手製造メーカーで5年間働いた上で個人での独立を考えています。
私は、そんなに製造業は甘くないから、今独立することはあまり好ましいとは感じておらず、親友によく考えてほしいと思っています。
私の意見に対して、友人は聞く耳を持ちませんが専門家の意見であれば耳を貸してくれると思うので意見をいただけるとありがたいです。
以下に質問内容を載せます。
1.オーダーメイドのギター製作で、会社を立ち上げることは現実的か?
2.個人のオーダーメイドのギター製作で、楽器製造業界で生き抜くための秘訣はあるか?
3.オーダーメイドギター製作会社を立ち上げるにあたり、用意しておくとよい設備投資や管理ソフトにどのようなものがあるか?
現在、私の友人は現実を見ずに自分の技術に過信して夢想しているように感じます。厳しい意見とアドバイスを専門家の方からお願いしたいです。
よろしくお願いします。
補足1
ちなみに、友人はギター製作については一から全てできるそうですが、製造メーカーでは塗装のみを担当していたそうです。
ニックス様、ご質問どうもありがとうございます。
もしご友人に対する厳しいアドバイスを期待されているようでしたら、ごめんなさい。ご期待には沿えないかもしれません。
私はクラシカル・ギターを趣味としていますので、小さなギター工房がたくさんあることは知っています。ギター工房では金具や木の材質、色、音色、ネックの太さなど、注文主の細かな要望に応えてギターを作っているようです。決して大きくはありませんが、クラシカル・ギターの世界には特注ギターのマーケットが一定の規模あります。
無名のギター工房がいきなり注文を受けるのは難しいかもしれませんが、不可能ではないと思います。昔なら著名な演奏家に使ってもらったり、楽器店の片隅に置かせてもらうことくらいしか宣伝する方法がありませんでしたが、いまではインターネットなどを使って宣伝することもできます。
もしご友人が小さなギター工房ではなく、ギター製造会社を考えておられるようなら、さらにリスクは高くなりますが、長期的に見れば不可能ではないと思います。
私はCordobaというブランドのギターを使っていますが、このメーカーは1997年にギター工房から立ち上げてたった20年で、今ではクラシカル・ギターやウクレレ業界では大手企業となりました。成功事例のひとつです。
Cordobaの成功の秘訣を一言で言えば、マーケティングの成功だと思います。適切なセグメンテーション、価格設定、プロモーション活動など。旧態依然としたクラシカル・ギター業界に、伝統的な製造技術と新しいマーケティング技術を組み合わせて、一躍有名企業になりました。
また老舗ギブソンの破綻のように、先進国での楽器業界は厳しいものがあるかもしれませんが、一方では発展途上国では楽器業界が今後も伸びるという予想もあります。
それらを踏まえ、私の個人的な回答は、
1. ギター製作で会社を立ち上げることは、当然リスクは伴うが不可能ではない
2. 楽器製造業界で生き残るための秘訣は、競争戦略や成長戦略を考えること。製造技術だけではなく、マーケティング力が何よりも必要。人口減の日本よりも海外に目を向ける必要があるかもしれない。
3. ギター製作にはそれほど初期投資は必要ないので、まずは実績を作ること。実績を作りながら、設備等を考えていけばよいのでは。
ギターを趣味とする者として、またものづくりを応援する者として、ご友人が作るギターに興味があります。個人的はご友人の夢が叶うことを期待しています。
P.S. 日本の住宅事情を考えると、大きな音の出るギターよりも、サイレント・ギターのようなものが伸びるのではないかと感じています。
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