グリーン水素製造におけるAEMを用いた水電解技術 ~アニオン伝導膜の特性・高耐久化とアルカリ水電解への展開~
水素エネルギー社会の実現に向け、コスト削減・性能向上が急務となっているグリーン水素製造技術の中で急激に注目されるAEM型水電解技術!グリーン水素製造方法を概観、その後AEM型水電解のしくみや数々の課題を解決する技術・その現状などについて解説します!
セミナー趣旨
近年、脱炭素社会の実現に向け、水素をエネルギー媒体と用いた、水素エネルギー社会の構築が進められており、低コストかつ高性能なグリーン水素製造技術の開発が急務となっている。
そうした中で、安価に水素を製造する技術として、アニオン交換膜(AEM:Anion Exchange Membrane)を用いた水電解技術が急速に注目を集めている。
AEMを用いた水電解技術は、これまでいくつかの技術的課題のため、あまり注目されてこなかった。しかし、触媒に貴金属を使わないため大幅なコスト低減が可能であることに加え、数々の課題を解決する技術的進展が見られたことで高性能化への可能性が拡がり、国内外で研究開発が活性化してきている。
本セミナーでは、水電解によるグリーン水素製造法を概観した後、アニオン交換膜の基礎特性や設計開発の状況をふまえながら、アニオン交換膜を用いた水電解技術の現状について解説する。
受講対象・レベル
・水電解による水素製造に興味のある方
・アニオン伝導膜を用いたアルカリ水電解の開発現状を知りたい方
など
習得できる知識
・アニオン交換膜及び水電解に関する基礎知識
・アニオン交換膜の分子設計・材料開発に関する考え方
・アニオン交換膜を用いたアルカリ水電解の開発現状
など
セミナープログラム
1.水素エネルギー社会における水電解
1) Power to gasによる水素エネルギー社会の構築
2.水電解による水素製造方法とその特徴・課題
1) アルカリ溶液型水電解
2) 固体高分子形水電解
3) アニオン交換膜型水電解
3. アニオン伝導膜の基礎物性及び評価方法
1) アニオン伝導膜の分子構造
2) アニオン伝導膜のイオン伝導特性
a) イオン交換
b) イオン伝導度の測定及び評価
c) イオン官能基密度
d) イオン官能基の解離度
e) 含水特性
f) 膜中の相分離構造の制御
g) OH-イオン伝導度の評価方法
3) アニオン伝導膜の機械特性
a) 機械強度及び機械的柔軟性
b) 膨潤特性
c) 薄膜化による長所
4) アニオン伝導膜の耐久性
a) ガラス転移温度及び耐熱性
b) アルカリ耐久性
c) 酸化耐久性
4. アニオン交換基・アニオン伝導膜の劣化機構
1)アニオン交換基の劣化
a) 4級アンモニウムの劣化機構
b) 種々のアニオン交換基の劣化挙動
c) 量子化学計算による安定官能基のスクリーニング
d) 溶媒和が劣化に与える影響
e) 安定なアニオン交換基の開発
2) 芳香族ポリエーテル系アニオン伝導膜の劣化挙動
3) モデル化合物による芳香族アニオン伝導膜の劣化機構の解析
a) 分解機構の解析
b) 骨格や官能基の構造が分解機構に与える影響
c) 電子状態と分解速度の関係
5. 高耐久性芳香族アニオン伝導膜の開発
1) エーテルフリー型アニオン伝導膜の特徴
2) エーテルフリー型アニオン伝導膜の開発
a) ポリフェニレン型アニオン伝導膜
b) ポリフェニレン/パーフルオロアルキル共重合伝導膜
c) スピロ構造を導入した芳香族アニオン伝導膜
d) 加熱変換型アニオン伝導膜
e) ポリフェニレンアルキレン型アニオン伝導膜
f) ポリフェニレンピペリジニウム型アニオン伝導膜
g) ポリフルオレン/テトラフルオレオフェニレン共重合体アニオン伝導膜
6. アニオン交換膜型アルカリ水電解の構造
1) 電解セルの詳細構造
2) 供給溶液及び供給方法
7.アルカリ水電解における触媒開発
1) 酸素発生触媒の開発
2) 水素発生触媒の開発
8.アニオン伝導膜を用いたアルカリ水電解の開発現状
1) 市販アニオン伝導膜を用いたアルカリ水電解の性能及び耐久性
a) SUSTANION膜を用いた研究例
b) TOKUYAMA膜を用いた研究例
c) FUMASEP膜を用いた研究例
d) AMERION膜を用いた研究例
e) ORIONTM膜を用いた研究例
2) エーテルフリー芳香族アニオン伝導膜を用いたアルカリ水電解の開発現状
a) ポリフェニレンアニオン伝導膜を用いた研究例
b) ポリフェニレンアルキレン型アニオン伝導膜を用いた研究例
c) ポリフェニレンピペリジニウム型アニオン伝導膜を用いた研究例
d) ポリフルオレンテトラフルオロフェニレンを用いた研究例
9. 総括
<質疑応答>
セミナー講師
宮西 将史 先生 東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所 特任准教授 博士(工学)
セミナー受講料
1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
※本講座は、お手許のPCやタブレット等で受講できるオンラインセミナーです。
配布資料・講師への質問等について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)。
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 当日、可能な範囲で質疑応答も対応致します。
(全ての質問にお答えできない可能性もございますので、予めご容赦ください。) - 本講座で使用する資料や配信動画は著作物であり、
無断での録音・録画・複写・転載・配布・上映・販売等を禁止致します。
下記ご確認の上、お申込み下さい
- PCもしくはタブレット・スマートフォンとネットワーク環境をご準備下さい。
- ご受講にあたり、環境の確認をお願いしております(20Mbbs以上の回線をご用意下さい)。
各ご利用ツール別の動作確認の上、お申し込み下さい。 - 開催が近くなりましたら、当日の流れ及び視聴用のURL等をメールにてご連絡致します。
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