開催日:2022年 8月17日(水)
セミナー趣旨
2011年3月11日の東日本大震災と、それに続く福島第一原子力発電所の事故は、この国の電気事業の在り方を一変させました。地下資源もなく50/60Hzに系統が分かれ、国際連系線もない我が国が、低廉で安定的な電力供給を実行できたのは、もはや過去のことです。ロシアのウクライナ侵攻はこの傾向に拍車をかけ、実際、電力需給逼迫は恒常化、新電力も苦境が続きます。東日本大震災以降の電力システム改革の柱として導入された「容量市場」「需給調整市場」はその処方箋・解決策として期待されていますが、その基本的な仕組みや位置づけ、制度の在り方はどのようなものなのか、電気事業の本質からわかりやすく紐解きます。エネルギー政策の憲法とも言える「エネルギー政策基本法」起草に携わり、現在は資源エネルギー庁及び電力広域的運営推進機関で審議会委員を務める講師により、本講では、第1回目は「ゼロから学ぶ電気事業と容量市場」と題して容量市場の基礎論・本質論を、第2回目は「ゼロから学ぶ電気事業と需給調整市場」と題して、需給調整市場の基礎論・本質論を解説いたします。
セミナープログラム
第1回 ゼロから学ぶ電気事業と需給調整市場
1.そもそも「電気事業」とは
(1)電気と言う財の特性と事業者に求められる資質
(2)電力自由化と発送電分離
(3)今後の電気事業の方向性
2.ゼロから学ぶ容量市場
(1)なぜ容量市場が必要なのか
(2)容量市場と調整力公募・他市場(卸電力取引市場・需給調整市場等)の関係性
(3)海外における容量市場の状況と課題
(4)容量市場の時系列フローと価格の決まり方
(5)容量市場に対するこれまでの評価(長所と短所)と留意すべき点
3.まとめ
第2回 ゼロから学ぶ電気事業と需給調整市場
1.そもそも「電気事業」とは(第1回復習)
(1)電気と言う財の特性と事業者に求められる資質
(2)電力自由化と発送電分離
(3)今後の電気事業の方向性
2.ゼロから学ぶ需給調整市場
(1)なぜ需給調整市場が必要なのか
(2)需給調整市場と調整力公募・他市場(卸電力取引市場・容量市場等)の関係性
(3)需給調整市場のスケジュール感
(4)需給調整市場で取引される商品
(a)三次調整力②
(b)三次調整力①
(c)二次調整力①と②
(d)一次調整力
(5)需給調整市場に対するこれまでの評価(長所と短所)と留意すべき点
3.まとめ
セミナー講師
市村 健(いちむら たけし) 氏
エナジープールジャパン株式会社 代表取締役社長
資源エネルギー庁ERAB検討会 委員
電力広域的運営推進機関・調整力及び需給バランス評価等に関する委員会 委員
電力広域的運営推進機関・需給調整市場検討小委員会 委員
セミナー受講料
【全2回一括申込の場合】 1名につき55,000円(税込)
【第1回・第2回】 各受講方法 1名につき33,800円(税込)
受講について
収録時間 【第1回】1時間53分 テキストデータ(PDFデータ)つき
【第2回】2時間05分 テキストデータ(PDFデータ)つき
※各回の講座は、それぞれ独立した講座となりますので、単独でのご受講も可能です。
■セミナーオンデマンドについて
<1>収録動画をVimeoにて配信致します。
<2>動画の配信期間は公開日より2週間ですので、その間にご視聴ください。
2週間、何度でもご都合の良い時間にご視聴可能です。
関連教材
もっと見る関連記事
もっと見る-
プラズモンとは?種類やよく用いられる現象、今後の展望をご紹介!
【目次】 プラズモンとは、金属中の自由電子が光と相互作用することで生じる集団的な振動のことを指します。この現象は、ナノテクノロジーや... -
マシンビジョンとは?仕組みと導入メリットや活用事例をご紹介!
【目次】 マシンビジョンは、近年の産業界において注目を集めている技術の一つです。これは、カメラやセンサーを用いて物体を認識し、分析す... -
ホール効果とは?自由電子と正孔の場合のポイント等ご紹介!
【目次】 ホール効果は、物質中の電流の流れに対して垂直な方向に電圧が発生する現象であり、半導体物理学や材料科学において重要な役割を果... -
パワーエレクトロニクスとは?近年注目されている理由や用いられる産業等をご紹介!
【目次】 パワーエレクトロニクスは、電力の変換や制御を行う技術であり、現代のエネルギーシステムにおいて欠かせない要素となっています。...