フォトン・アップコンバージョン ~原理・評価法から色素・材料の設計指針、応用と最近の展開まで~

○太陽エネルギー利用の高効率化、光触媒やバイオ応用等でも注目の現象、フォトンアップコンバージョン(UC)を九大 楊井准教授が詳解!
○可視光→紫外光/赤外光→可視光へのUCを示す色素や、UCを示すプラスチック材料の開発など最近の進展も解説。

セミナー趣旨

  フォトン・アップコンバージョンとは長波長の低エネルギー光を短波長の高エネルギー光に変換する現象です。太陽電池や人工光合成といった太陽光エネルギー利用技術を高効率化するとして期待されています。また、光線力学療法やオプトジェネティクスといったバイオ分野への応用も考えられます。
  例えば、波長400 nm 以下の紫外光により光触媒を励起することで、ソーラー水素の製造や屋内での消臭・抗菌を行うことができます。太陽光や室内光には紫外光がほとんど含まれず人工的に発生させる必要がありますが、紫外LEDなどを用いると余分なエネルギーを消費することになります。そこで、三重項-三重項消滅(TTA)を用いたフォトン・アップコンバージョン(UC)により、太陽光や室内光に多く含まれる波長400 nm 以上の可視光を紫外光へと変換することで、余分なエネルギーを使うことなく有用な紫外光を発生させることが期待されています。
  本講座ではフォトン・アップコンバージョンの原理と評価方法を説明した上で、可視光から紫外光、また近赤外光から可視光へのアップコンバージョンを示す色素や、アップコンバージョンを示すプラスチック材料の開発も含め、最近の進展をご紹介します。

受講対象・レベル

・フォトン・アップコンバージョンの応用に興味がある方。
・太陽光エネルギー利用技術の開発に取り組まれている方。
・フォトン・アップコンバージョンの実用化に関して相談したい方。

必要な予備知識

■事前に目を通しておくと理解が深まる文献・サイトなど(閲覧必須ではありません)
・重金属を用いずに可視光を紫外光へと高効率変換する分子性材料を発見
   ~低コスト・持続可能な紫外光生成によるクリーンエネルギー創出・環境浄化~
プレスリリース:https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/715
原著論文:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2022/TC/D1TC05526G

・可視光から紫外光へのアップコンバージョン効率の世界記録を大幅に更新
   ~太陽光や室内LEDからエネルギー創出・環境浄化に有用な紫外光を発生~
プレスリリース:https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/512
原著論文:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/anie.202012419

楊井研究室HP

習得できる知識

・フォトン・アップコンバージョンの基礎知識
・フォトン・アップコンバージョンの評価方法
・フォトン・アップコンバージョンを示す色素の設計指針
・フォトン・アップコンバージョンを示す材料の設計指針
・フォトン・アップコンバージョンの応用
   など

セミナープログラム

1.フォトン・アップコンバージョンの原理
 1)関連する光励起状態の基本的知識
 2)有機系アップコンバージョンの原理
 3)有機系アップコンバージョン材料の基本的な設計指針
2.フォトン・アップコンバージョンの評価方法
 1)アップコンバージョンを評価する際のパラメータ
 2)アップコンバージョン量子収率の考え方と求め方
 3)アップコンバージョンに必要な励起光強度の考え方と求め方
3.可視光から紫外光へのフォトン・アップコンバージョン
 1)可視光から紫外光へのアップコンバージョンの用途
 2)可視光から紫外光へのアップコンバージョンを示す材料の問題点
 3)可視光から紫外光へのアップコンバージョンを示す材料の問題点を克服した最近の展開
4.近赤外光から可視光へのフォトン・アップコンバージョン
 1)近赤外光から可視光へのアップコンバージョンの用途
 2)近赤外光から可視光へのアップコンバージョンの困難な点
 3)近赤外光から可視光へのアップコンバージョン困難な点を克服した最近の展開
5.フォトン・アップコンバージョンを示す固体材料
 1)実応用に適した固体材料の合成と評価
 2)結晶性の固体材料の例
 3)プラスチック材料の例
6.フォトン・アップコンバージョンの応用
 1)太陽電池
 2)人工光合成
 3)光触媒
 4)バイオ・医療分野
 5)化合物合成
<質疑応答>


*途中、小休憩を挟みます。

セミナー講師

 楊井 伸浩 先生   九州大学 大学院 工学研究院 准教授 

■講師紹介
2022年  4月 - 現在: JST創発的研究支援事業 研究者
2018年10月 - 2022年3月: JSTさきがけ 「量子技術を適用した生命科学基盤の創出」領域 研究者
2015年10月 - 現在: 九州大学大学院工学研究院応用化学部門 准教授
2014年10月 - 2018年 3月: JSTさきがけ 「分子技術と新機能創出」領域 研究者
2012年11月 - 2015年9月: 九州大学大学院工学研究院応用化学部門 助教
2011年  4月 - 2012年10月: JSPS 海外特別研究員 (イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校)
2008年  4月 - 2011年3月: 京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 博士後期課程 (北川進研究室)
2006年  4月 - 2008年3月: 京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻 修士課程(北川進研究室)
2002年  4月 - 2006年3月: 京都大学工学部工業化学科

セミナー受講料

【オンライン受講:見逃し視聴なし】 1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円

【オンライン受講:見逃し視聴あり】 1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円

*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

受講について

※本講座は、お手許のPCやタブレット等で受講できるオンラインセミナーです。

配布資料・講師への質問等について

  • 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
    (開催1週前~前日までには送付致します)。

    ※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
    (土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。)
  • 当日、可能な範囲で質疑応答も対応致します。
    (全ての質問にお答えできない可能性もございますので、予めご容赦ください。)
  • 本講座で使用する資料や配信動画は著作物であり、
    無断での録音・録画・複写・転載・配布・上映・販売等を禁止致します。

下記ご確認の上、お申込み下さい

  • PCもしくはタブレット・スマートフォンとネットワーク環境をご準備下さい。
  • ご受講にあたり、環境の確認をお願いしております(20Mbbs以上の回線をご用意下さい)。
    各ご利用ツール別の動作確認の上、お申し込み下さい。
  • 開催が近くなりましたら、当日の流れ及び視聴用のURL等をメールにてご連絡致します。

Zoomを使用したオンラインセミナーとなります

  • ご受講にあたり、環境の確認をお願いしております。
    お手数ですが下記公式サイトからZoomが問題なく使えるかどうか、ご確認下さい。
    確認はこちら
    ※Skype/Teams/LINEなど別のミーティングアプリが起動していると、Zoomでカメラ・マイクが使えない事があります。お手数ですがこれらのツールはいったん閉じてお試し下さい。
  • Zoomアプリのインストール、Zoomへのサインアップをせずブラウザからの参加も可能です。
    ※一部のブラウザは音声(音声参加ができない)が聞こえない場合があります。
     必ずテストサイトからチェック下さい。
     対応ブラウザーについて(公式) ;
     「コンピューターのオーディオに参加」に対応してないものは音声が聞こえません。

申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です

  • 開催5営業日以内に録画動画の配信を行います(一部、編集加工します)。
  • 視聴可能期間は配信開始から1週間です。
    セミナーを復習したい方、当日の受講が難しい方、期間内であれば動画を何度も視聴できます。
    尚、閲覧用のURLはメールにてご連絡致します。
    ※万一、見逃し視聴の提供ができなくなった場合、
    (見逃し視聴有り)の方の受講料は(見逃し視聴無し)の受講料に準じますので、ご了承下さい。
    こちらから問題なく視聴できるかご確認下さい(テスト視聴動画へ)パスワード「123456」

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:00

受講料

41,800円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、コンビニ払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

化学反応・プロセス   高分子・樹脂技術   環境負荷抑制技術

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


13:00

受講料

41,800円(税込)/人

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※銀行振込、コンビニ払い

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全国

主催者

キーワード

化学反応・プロセス   高分子・樹脂技術   環境負荷抑制技術

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