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~国内外の動向、開発技術、ポテンシャル、経済性など~
海洋エネルギー・鉱物資源の開発はどこまで進んでいるのか。
商業化に向けた課題とは? 日本におけるポテンシャルや今後の展望は?
「海底鉱物資源」「メタンハイドレート」について、2名の講師がそれぞれ解説します。
セミナープログラム
第1部【13:00~15:00】
「海底鉱物資源開発の最新動向と課題-日本の可能性の追求-」
世界第6位の広さを誇る日本の排他的経済水域(EEZ: Exclusive Economic Zone)には、世界に類を見ない量の海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、レアアース泥などの海底鉱物資源が賦存していることが知られている。これらを開発・利用するために、日本では1980年代から現在に至るまで、技術開発が進められてきた。しかし、技術開発が進展するほど、課題解決のためにコストが掛かることが判明すると共に、陸上資源の開発コストの増加が抑えられてきたために、海底鉱物資源開発の実現は遠のく一方という状況が続いてきた。しかし、最近のカーボンニュートラルを目指す動きの中で、これらの海底鉱物資源に含有されるコバルト、ニッケル、レアアース、銅などの急速な需要拡大が見込まれるため、開発・利用が改めて熱望される状況が生まれている。さらに、これらの金属を全て輸入に依存する日本にとっては、経済安全保障という観点からも、海底鉱物資源開発の実現は喫緊の課題となってきている。
本講演では、開発・利用をめぐる世界の最新動向とブレークスルーが必要な課題について紹介すると共に、その状況の中で、日本が果たすべき役割について述べる。さらに、日本の持つ可能性の追求についても述べる。
<得られる知識>
・カーボンニュートラル実現への課題認識
・海底鉱物資源の開発・利用の現状認識
・海底鉱物資源の開発・利用に向けた課題把握と難易度認識
・日本の海底鉱物資源開発・利用の可能性認識
・海底鉱物資源開発・利用に向けた投資対象認識
<主な受講対象者>
・世界および日本の金属需給動向に関心のある方
・日本の経済安全保障に関心のある方
・日本の産業動向に関心のある方
・ハイリターンの可能性のある投資先を捜している方
・予備知識が無くても理解できる説明を心がけます
<プログラム>
1.海底鉱物資源の資源としての利点
1.1 陸上資源開発との比較
1.2 複数の有用金属含有
2.海底鉱物資源開発を巡る世界動向
2.1 海底熱水鉱床
2.2 マンガン団塊
2.3 Stop Deep Seabed Mining(モラトリアム)
3.日本の海底鉱物資源ポテンシャル
3.1 海底熱水鉱床
3.2 コバルトリッチクラスト
3.3 マンガン団塊
3.4 レアアース泥
4.コバルト、ニッケル、レアアース、銅の需給予測
4.1 カーボンニュートラル実現に必要な金属
4.2 既存陸上資源の限界
5.開発・利用のために必要なブレークスルー
6.日本が果たすべき役割
7.日本の可能性
□質疑応答□
第2部【15:15~17:15】
「メタンハイドレートの開発技術と商業開発に向けた課題・展望」
日本近海に存在するメタンハイドレート(MH)は国産エネルギー資源として期待されており,MH商業開発へ向けた技術整備が進められている。世界的にもMHは海底下地層中に膨大な量が存在しており、日本と中国では、その商業的開発を目指して、ガス生産実験を実施してきた。
本講演では、受講者がMH物性の基礎、砂層型MHと表層型MHの違い、MHの資源としてのポテンシャルとその開発方法を理解した上で、MH商業開発に向けての課題・展望(技術面,経済性,エネルギー収支など)を把握することを目的とする。また,二酸化炭素をMH層に固定しながらメタンガスを生産する手法に関する研究を紹介し、カーボンニュートラル2050に向けたMH資源開発の考え方についての理解を深める。
<得られる知識>
・MH物性に関する基礎、表層MHと砂層MHに対する開発方法の違い
・MH商業開発に向けて克服すべき技術課題、MH開発の経済性・エネルギー収支
・二酸化炭素を固定しながら砂層MHからガスを生産する新しい手法の概念
MH開発に関する基礎を2時間の講演で理解でき、MH開発が将来的にいつ実現するのかのイメージがクリアになると思います。
<プログラム>
1.メタンハイドレート物性の基礎
1.1 水とメタンの相平衡、ハイドレート構造、分解反応(吸熱反応)とハイドレート分解熱
1.2 ハイドレートを分解したときに発生するガス量・水量の計算法
2.メタンハイドレートの資源としてのポテンシャル
2.1 表層型メタンハイドレートと砂層型ハイドレートの定義(成因と賦存形態の違い)
2.2 各ハイドレートの資源量と資源としての位置付け
3.メタンハイドレート開発技術とその現状
3.1 MHの探査と資源量評価技術
3.2 MH層からのガス生産技術
3.2.1 ガス生産手法の概念(減圧法と加熱法)
3.2.2 数値計算と室内実験による生産手法の評価
3.2.3 フィールドでの生産実証試験
4.メタンハイドレート開発の課題・展望
4.1 商業開発に向けての技術課題
4.2 開発の経済性とエネルギー収支
5.カーボンニュートラル2050に向けたMH資源開発の考え方
5.1 二酸化炭素をMH層に固定しながらメタンガスを生産する手法に関する研究
(ガス置換法とCO2エマルジョン圧入法)
5.2 メタンハイドレート商業開発の考え方と展望
□質疑応答□
セミナー講師
「海底鉱物資源開発の最新動向と課題-日本の可能性の追求-」
大阪府立大学 名誉教授/大阪公立大学 客員研究員 工学博士 山崎 哲生 氏
1981年4月 工業技術院 公害資源研究所研究所 入所
2001年4月 独立行政法人 産業技術総合研究所 主任研究員(組織改変のため)
2008年4月 公立大学法人 大阪府立大学大学院 教授
2019年4月 同上 名誉教授 及び 客員研究員
2022年4月 公立大学法人 大阪公立大学大学院 客員研究員
上記の43年間に渡って、一貫して海底資源開発の研究に従事
ホームページはこちら 第2部【15:15~17:15】
「メタンハイドレートの開発技術と商業開発に向けた課題・展望」
専門:石油工学、多孔質媒体内の物質・熱の移動現象モデリング、メタンハイドレートの開発分野
1982年4月~1986年2月 石油資源開発株式会社 勤務
1986年3月 東京大学講師(工学部資源開発工学科)
1992年11月 東京大学助教授(大学院工学系研究科)
2008年4月 東京大学准教授(大学院工学系研究科付属エネルギー・資源フロンティアセンター)
2014年12月~2023年3月 東京大学教授
2001年よりメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(経済産業省)に参加し、メタンハイドレート層からのガス生産挙動を予測するための貯留層シミュレータを共同開発。2009年4月~2019年3月の間、同コンソーシアムのプロジェクトリーダー。
「メタンハイドレートの開発技術と商業開発に向けた課題・展望」
東京大学 名誉教授 博士(工学) 増田 昌敬 氏
1982年4月~1986年2月 石油資源開発株式会社 勤務
1986年3月 東京大学講師(工学部資源開発工学科)
1992年11月 東京大学助教授(大学院工学系研究科)
2008年4月 東京大学准教授(大学院工学系研究科付属エネルギー・資源フロンティアセンター)
2014年12月~2023年3月 東京大学教授
2001年よりメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(経済産業省)に参加し、メタンハイドレート層からのガス生産挙動を予測するための貯留層シミュレータを共同開発。2009年4月~2019年3月の間、同コンソーシアムのプロジェクトリーダー。
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