<今知っておくべき>PEM(固体高分子膜)型水電解~原理・構造・特長・コスト・電極/触媒・技術動向・課題~
PEM水電解による水素製造について前提知識から最新情報までを解説!全体像がわかる半日速習セミナーです。
セミナー趣旨
近年、注目を集めているPEM水電解による水素製造について今更聞けないような前提知識から最新の情報まで網羅する。
本セミナーではPEM水電解に関する原理、知識、電極/触媒、MEA作製方法とMEA作製に必要な機材、セルの組み立て方、どの再生可能エネルギー電力を使用すべきか、PEM電解装置の制約とコスト構造、および最近の動向とPEM水電解の課題などについて解説する。
受講対象・レベル
PEM水電解に関心のあるメーカーおよびこれから水電解に参入しようとする会社の担当者
必要な予備知識
学部レベルの電気化学の知識を持つのが望ましい
習得できる知識
・水の電気分解の学術的基礎知識
・PEM水電解の原理から組み立て試験までの流れ
・PEM水電解を運用するための知識
・PEM水電解が抱える課題や問題点の理解
セミナープログラム
1. 今更人に聞けない水電解の基礎
1)PEM水電解条件下での水の電気分解の基礎
a) 電気化学反応
b) 電位と電極
c) 電極電位
d) ポテンショスタット
e) 2極式測定と3極式測定
f) 作用電極、対極、参照電極
g) 塩橋
h) ルギン細管
i) サイクリックボルタモグラム
j) IRドロップとIR補正
k) 水電解と燃料電池
l) 水素発生反応メカニズム
m) 酸素発生反応メカニズム
n) 酸性条件下での腐食
・腐食と不動態
・腐食の種類
・卑金属と触媒
o) よく使われる水素発生電極/触媒と使われる理由
p) よく使われる酸素発生電極/触媒と使われる理由
q) 水素の色の意味
2)PEM水電解の基礎
a) PEM水電解の利点と欠点
b) セル構造
c) MEA構造
d) PEM水電解セル用電極・触媒に求められる特性・性能
e) 過電圧の種類
f) 接触抵抗
g) 3極式測定とセル測定はそれぞれ何を測定しているのか
2. 再生可能エネルギー由来の電力の特徴と水電解への影響
1)再生可能エネルギー分布:太陽光
2)太陽光発電の発電パターンの特徴
3)再生可能エネルギー由来の分布:風力
4)風力発電の発電パターンの特徴
5)再生可能エネルギー由来電力の水電解への影響と対策
a) 逆電流
b) 電解装置の運転起動停止の触媒への影響
c) 電解装置の運転起動停止のセル温度への影響
d) 定格電流以下で無理やり運転した場合の影響
6)どの再生可能エネルギーを選択すべきか
7)再生可能エネルギー電力のならし効果
3. 再生可能エネルギーを用いた水素サプライチェーン構築
1)水素サプライチェーン構築の必要性
2)有機ハイドライド電解合成法とは?
3)有機ハイドライド電解合成法の利点
4)有機ハイドライド電解合成法の研究課題
5)触媒被毒
6)耐久試験実施例
4. 実践編:PEM水電解セル
1)PEM水電解セル構成
a) PEM水電解セルの全体像
b) セルの組み立て
2)スプレーコート法によるMEA作製方法
a) 電極インクの作り方
b) CCMとCCEの違い
3)感圧紙
4)スプレーコート法によるMEA作製に必要な具材と機材の紹介
5)その他MEA成膜法の紹介
6)触媒層の均一性とコストについて
7)セル試験法の詳細
8)電解データの読み方
9)測定条件と得られるデータ
10)アクティベーション
a) 失敗事例
b) 成功事例
11)水の流路依存性
12)加速劣化試験方法
13)電解性能の劣化原因
5. 実践編:PEM水電解装置
1)PEM水電解装置の概略
2)PEM水電解装置とPEM水電解セルの違い
3)PEM水電解装置のコスト構造
4)装置導入時の注意
5)実際に加速劣化試験を行った感想
6)PEM水電解装置が大型化したときの問題点
7)最新の技術動向と課題
6. 実践編:最先端研究で開発されているPEM水電解用電極/触媒
1)世界はPEM水電解の触媒についてどう考えているのか?
2)少貴金属化路線:最新の貴金属触媒
a) 少白金触媒
b) 少酸化イリジウム触媒
3)貴金属代替路線:最新の卑金属触媒
a) 酸性条件下で腐食しないカソード電極
b) 酸性条件下で腐食しないアノード電極
4)貴金属代替路線の将来展望
3/4 セミナー内容更新
セミナー講師
国立大学法人 筑波大学 数理物質系 准教授 博士(理学) 伊藤 良一 先生
■ご略歴
【ご職歴】
2008年2月~2008年7月 シンガポール国立大学 化学専攻リサーチアシスタント (Suresh Valiyaveettil 教授)
2009年4月~2011年8月 東京工業大学大学院 日本学術振興会特別研究員DC-1 (榎 敏明 教授)
2011年9月~2012年3月 シンガポール国立大学 日本学術振興会特別研究員PD (Suresh Valiyaveettil 教授)
2012年4月~2012年12月 Max Plank Institute for Polymer Research 博士研究員 (Klaus Mullen 教授)
2013年1月~2016年3月 東北大学WPI-AIMR 助教 (陳明偉 教授)
2015年10月~2019月3月 JST-さきがけ研究員(江口浩一 教授)
2016年4月~2016年10月 東北大学原子分子材料科学高等研究機構・准教授(任期あり)
2016年11月~現在に至る 筑波大学数理物質系・准教授(任期なし、独立)
2022年4月~現在に至る 筑波大学・ゼロCO2エミッション機能性材料開発研究センター・副センター長
【ご専門】
電気化学
【本テーマ関連学協会でのご活動】
水素エネルギー協会編集委員
セミナー受講料
【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
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