プラスチックの用途拡大・資源循環も注目される中、高分子化学の基礎知識が益々重要に!
高分子の物性・機能を左右する様々な重合技術の基礎を1日で習得!
セミナー趣旨
高分子は、有機合成化学を基礎とし、連鎖重合法や逐次重合法により合成され、様々な産業分野に応用されています。そのような高分子材料を、新しい材料として開発し、あるいは改良を施すために、高分子の性質とその合成法をよく理解することは、新たな解決法を見出すことができると思われます。また、新たな発想により、問題の解決に導けると思われます。
講師は、企業様との技術相談の長年の経験から、基礎的な知識の重要性を強く感じています。高分子材料の特性は基本的にモノマーの種類および重合方法に依存しますので、目的とする物性・機能を得るためには、重合反応に関する基本的かつ幅広い知識が必要となりますが、その辺りの知識が十分で無く、構造や特性の制御に苦労されている例が多く見受けられます。
また、高分子合成化学分野とは異なる技術分野においても、高分子合成化学の観点からアプローチすることで、容易に解決できる可能性も少なからずあると思われます。昨今では、自動車・機械・エレクトロニクス等様々な分野において高分子材料が用いられる機会が増えてきており、高分子合成化学を専門としない技術者においても、その基礎知識をきちんと理解しておくことは非常に大切なことであると思われます。
本セミナーでは、大学院の講義における基礎講座としての高分子化学をイメージしています。学生時代に、高分子合成化学を一通り学んではいるが、もう一度学び直したい方や、新たな技術課題に直面し新たな解決策を探りたい方、あるいは高分子合成化学をきちんと学んだことが無くその理論・メカニズムに興味がある方等を対象に、高分子の構造や基本的性質から、様々な高分子合成法及びその反応機構・特徴などについて幅広く解説、実務に必要となる高分子合成化学の基礎知識を養うことを目指します。
受講対象・レベル
日々の研究開発業務などで高分子材料を取り扱う方で、
・もう一度、高分子合成化学を学び直したい方
・新しく、高分子合成化学を学びたい方
など
習得できる知識
・高分子合成化学の基礎知識
・ありとあらゆる高分子材料の合成法について、その反応機構や特徴等を理解できる
・基礎から学び直すことで、新たな解決手段の再発見につながる。
セミナープログラム
1.高分子とは何か
・高分子の特徴と歴史
2.分子の化学構造
・高分子の一次構造
・分岐構造と網目構造
・高分子溶液の性質
・高分子の分子量
3.重縮合反応による高分子の合成法と反応機構・特徴等
・溶融重縮合法
・溶液重縮合法
・界面重縮合法
・活性エステル法
・直接重縮合法
・縮合剤を用いた重縮合
・ポリアミド
・ポリエステル
・ポリカーボネート
・ポリエーテル
・ポリイミド
・ポリベンゾオキサゾール
・重縮合反応による高分子の用途・活用展開
4. 重付加反応による高分子の合成法と反応機構・特徴等
・ポリウレタン
・ポリウレア
・可溶性ポリイミド
・ビスエポキシドの重付加
・ラジカル重付加
・固相反応系の重付加
・重付加反応による高分子の用途・活用展開
5. 付加縮合反応による高分子の合成法と反応機構・特徴等
・ポリフェノール樹脂の合成
・尿素樹脂の合成
・メラミン樹脂
・エポキシ樹脂
・オキセタン樹脂
・付加重合反応による高分子の用途・活用展開
6. ラジカル重合による高分子の合成法と反応機構・特徴等
・ラジカルとは
・ラジカル重合の素反応
・ラジカル重合の開始剤
・光ラジカル重合
・ラジカル重合禁止剤
・ラジカル重合方法
・ラジカル重合による高分子の用途・活用展開
7. ラジカル共重合について
・ラジカル共重合反応性
・Fineman-Ross法
・共重合組成曲線
・様々なモノマー反応性比
・交互共重合の例
・ラジカル共重合による高分子の用途・活用展開
8. カチオン重合による高分子の合成法と反応機構・特徴等
・カチオン重合の素反応
・カチオン重合開始剤
・光カチオン重合開始剤
・光カチオン重合の開始剤反応機構
・カチオン重合による高分子の用途・活用展開
9. アニオン重合による高分子の合成法と反応機構・特徴等
・アニオン重合とカチオン重合の比較
・アニオン重合の開始反応
・成長反応
・停止反応
・アニオン重合性モノマー
・アニオン重合開始剤
・アニオン重合による高分子の用途・活用展開
10. 配位重合による高分子の合成法と反応機構・特徴等
・チーグラ・ナッタ触媒の応用例
・エチレン、プロピレンの重合
・立体規則性ポリマーの合成
・配位重合による高分子の用途・活用展開
11. リビング重合について
・リビング重合の定義と発見
・リビングアニオン重合
・リビングカチオン重合
・リビングラジカル重合
・リビング重合による高分子の用途・活用展開
12. 開環重合による高分子の合成法と反応機構・特徴等
・開環重合性モノマー
・ポリアミノ酸の合成
・ポリ乳酸の合成
・開環重合による高分子の用途・活用展開
13. 高分子の官能基変換(高分子反応)
<質疑応答>
セミナー講師
関西大学 化学生命工学部 教授 博士(工学) 工藤 宏人 先生
セミナー受講料
【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名52,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき41,800円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
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