CO2と水素を用いたメタネーション技術開発の現状と今後の展望<Zoomによるオンラインセミナー:見逃し視聴あり>
★メタネーション技術の基礎から社会実装への道筋迄を解説致します
セミナー趣旨
CO2を再エネ水素と反応させて、メタンを合成して、リサイクルすることでCO2排出量を抑制するというメタネーション技術は1993年東北大学橋本功二教授(現東北大学・東北工業大学名誉教授)が世界に先駆けて発信した技術であった。この技術は2013年にAudiが世界最大のメタネーションプラントを建設し、再エネにより合成したメタンで走る天然ガス自動車の販売を開始し、一挙に注目度があがった。
水素・アンモニアを発電所の代替燃料とする脱炭素化技術開発が行われているが、消費エネルギーの60%は化石燃料直接燃焼による熱エネルギーである。電化できない多くの産業で、化石燃料によらない熱エネルギーの代替燃料が求められている。
これに対し、都市ガス業界では事業の脱炭素化を目指し、再エネ合成メタンをe-methaneという呼称で有力な代替燃料としての啓蒙・社会実装を目指したロードマップを作成している。国も次世代の熱エネルギーの必要性を理解し、2021年6月に「メタネーション推進官民協議会」を設立、「グリーン成長戦略」の14の重点分野に「次世代熱エネルギー産業」としてe-methaneを指定し、2030年までに1%、2050年までに90%導管注入、価格は天然ガスと同等という具体的目標を掲げた。
また2023年の改定水素基本でe-methaneは、水素・アンモニアと同等に扱う旨記載され、代替エネルギーとしての地位を向上させている。
その結果、e-methaneは海外からのサプライチェーンを確保するためのプラント大型化、ごみ焼却場の排CO2の資源化、鉄鋼のカーボンリサイクル高炉、国際船舶の代替燃料等様々な用途のFS、実証試験が同時進行に行われるようになった。これら複数のFSや実証試験を紹介するとともに、従前から技術開発が進められている水素・アンモニア燃料と比較して、e-methaneの優れたポイントについて、解説するものである。
受講対象・レベル
事業企画、経営企画、環境SDGS、TCFD担当、研究所等
企業団体において、脱炭素技術、地域循環社会構築の技術として、探索されている方
習得できる知識
・メタネーション技術の基礎、
・再エネ水素(水電解装置)について
・カーボンニュートラルとは?
・メタネーションによる二酸化炭素削減効果について
・社会実装への道筋(適用例の紹介)
セミナープログラム
1. メタネーション技術
1-1脱炭素技術、メタネーションとは?当社触媒の特徴
1-2メタネーション技術のメリット
2. メタネーション技術の歴史
2-1世界初のPower to Methane 0.1Nm3-CH4/h (1995年)
2-2東北工業大学 1Nm3-CH4/h (2003年)
2-3 東京ガス殿へのメタネーション反応器を納入(2010年)
2-4 2012年 NEDO事業とPTTEP共同開発
2-5 2016年ETOGAS社を買収
~Power to Gasシステムの世界No.1企業へ~
2-6 日立造船のメタネーション技術の歴史一覧
2-7 欧州よりも16年も早く始動した日本のメタネーション研究
2-8 見直されてきたCO2の削減効果
3. 再エネ水素~グリーン水素水電解開発の歴史、メタンを合成するために必要なエネルギー
3-1 日立造船の水電解開発の歴史
3-2 水電解装置の種類と原理
3-3 アルカリ水電解装置の概要
3-4 PEM水電解の基本的構造
3-5 日立造船の再エネ水素の納入実績
3-6 PEM型水電解装置の大型化
3-7 大型再エネ水素実証事業
~山梨県企業局のNEDO実証事業への協力/連携~
3-8 当社PtG設備、柏事業所から技術研究所へ移転し、技術集約
4. 再エネ水素と合成メタンのコストかかる問題
4-1 高位発熱量(LHV)と低位発熱量(LHV)とエネルギー効率
4-2 水電解システムのコスト予測
~IRENA(国際再生可能エネルギー機関)の予測~
4-3 ドイツ電力の電力市場におけるスポット価格
4-4 Audi e gas Plant 水電解装置の稼働状況
5. 第6次エネルギー基本計画に向けたメタネーション技術の政策動向~過去・現在~
5-1 いま地球に起こっていること!
5-2 なぜ、脱炭素を目指すのか?
5-3 50年ゼロエミ宣言と’30年46%削減
5-4 第6次エネルギー基本計画
5-5 「2050年に向けたガス事業の在り方研究会」での議論
5-6 ガスの役割を果たすための取り組み 日本ガス協会提出資料
5-7 「2050年に向けたガス事業の在り方研究会」のロードマップイメージ
5-8 「2050年に向けたガス事業の在り方研究会」中間議論まとめ
~第6次エネルギー基本計画の策定に向けて~
6. メタネーション技術の普及・拡大~将来~
6-1 NEDO CO2有効利用技術開発事業
6-2 実証試験評価、事業評価 NEDO CO2有効利用技術開発事業
6-3 現時点での技術開発シナリオ NEDO CO2有効利用技術開発事業
6-4 環境省 「清掃場から回収した酸化炭素の資源化による炭素循環モデルの構築実証」事業
6-5 清掃場から回収した酸化炭素の資源化によ る炭素循環モデルの構築実証
6-6 小田原市清掃工場 実証試験設備完成予想図
6-7「中国におけるメタネーション技術の導入可能性調査」事業
7.拡がるメタネーション技術の将来~各業界での適用検討~
7-1 メタネーション技術の普及・拡大
7-2 国際海運での動き
7-3 代替燃料に関する評価
7-4 CCR研究会「船舶カーボンリサイクルWG」
7-5 ゼロエミッション燃料の可能性調査の結果~CCR研究会「船舶カーボンリサイクルWG」~
7-6 ガス事業者
~東京ガスのメタネーションロードマップ~
7-7 鉄鋼業界
~JFEのカーボンリサイクル高炉~
7-8 メタネーション推進官民協議会
セミナー講師
元日立造船株式会社 脱炭素化事業本部 顧問 熊谷直和 先生
1979年 横浜国立大学工学部卒 同年大機ゴム工業(株)に入社 開発部に配属
1982年-1985年 東北大学金属材料研究所に派遣 電極材料に関する研究に従事
1989年 東北大学工学博士号取得
2006年 アタカ工業と大機エンジニアリングが合併アタカ大機(株)となり、同社産機開発部兼産機設計部長に就任
2012年 同社執行役員に就任
2014年 アタカ大機(株)を日立造船が吸収合併、日立造船(株)の執行役員に就任
2015年 同社 地球環境ビジネス開発推進室長
2016年 メタネーション技術の普及のため、Carbon Recycle and Reuse(CCR)研究会をエックス都市研、産総研、東京大学、日揮、INPEX社らと共同で設立、初代会長となる。
2018年 同社顧問に就任、CCR研究会 会長退任
2023年 同社退職 CCR研究会名誉会員、現在に至る
1993年-現在に至るまで、東北大学、東北工業大学名誉教授 橋本功二先生が提唱したグローバル二酸化炭素リサイクル構想に基づき、再再生可能エネルギーからの電解水素と二酸化炭素から合成するメタネーションの材料プロセスなどの研究開発に従事してきた
■専門・得意分野
電気化学・金属材料化学、工業電解プロセス設計
セミナー受講料
【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
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