社会実装をめざす人工光合成技術~グリーン水素製造とカーボンリサイクル~

光触媒を用いたグリーン水素製造とカーボンリサイクル技術の要点・最新動向を解説!

セミナー趣旨

  2012年度~2021年度のNEDO人工光合成プロジェクト(二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発)では、「①光触媒を用いて、水を水素と酸素に分解、②分離膜によって、水素・酸素混合ガスから水素を安全に分離、③得られた水素と二酸化炭素を原料として、基幹化学品であるC2~C4オレフィンを製造」という一連の技術開発により、数多くの研究成果を得た。これらの研究成果の社会実装を目的として、人工光合成プロジェクト(第2期)は、グリーンイノベーション(GI)基金事業プロジェクトの1テーマとして採択され、2022年より活動を開始した。
  本セミナーでは、 グリーン水素製造技術およびカーボンリサイクル技術の要点および最近の動向等もふまえ、NEDO人工光合成プロジェクト(第1期)の成果について、「光触媒を用いたグリーン水素製造」および「カーボンリサイクル」の観点から、関連する技術(グリーンアンモニア・メタネーション・e-fuel・SAF等)とともに詳細に紹介する。さらに、GI基金事業プロジェクトの一環として展開している「人工光合成技術の社会実装に向けた取り組み」について紹介する。
  2022年、東京大学とINPEXは、NEDO人工光合成プロジェクト(第1期)で得られた「光触媒を利用したグリーン水素製造」に関する研究成果を利用し、EU主催のコンテスト「Fuel from the Sun:Artificial Photosynthesis」に出場した結果、全22チーム中で1位となり、優勝賞金5百万ユーロを獲得した。本セミナーでは、このコンテストで最終選考に残った3チームの技術内容についても紹介する。

受講対象・レベル

・脱炭素技術の研究・開発に従事している企業研究者
・環境経営・ESG・SDGs・サステナビリティ推進関連部署等で、CO2削減問題・GX(グリーントランスフォーメーション)戦略等に
   従事している企業担当者
・水素・メタネーション・アンモニア・e-fuel・SAF等に関心のある方

習得できる知識

・CO2削減技術の全体像
・水素関連技術の現状と社会実装に向けた課題
・カーボンリサイクル関連技術の現状と社会実装に向けた課題
・グリーンイノベーション(GI)基金事業の全体像
・水素・メタネーション・アンモニア・e-fuel・SAF等の技術の現状と社会実装に向けた課題
・水分解光触媒に関する詳細な技術

セミナープログラム

1.はじめに
   脱炭素社会をめぐる国内外の動向、GX(グリーントランスフォーメーション)戦略
2.グリーン水素製造に関する取り組みの現状と人工光合成技術
 2-1.水素の色分け:グレー水素・ブルー水素・グリーン水素
 2-2.日本における水素基本戦略
 2-3.海外における水素戦略
 2-4.グリーンイノベーション(GI)基金事業(FY2021~FY2030)
 2-5.各種水素製造技術および光触媒を用いたグリーン水素製造技術の位置付け
 2-6. グリーン水素を原料としたグリーンアンモニアの重要性
3.光触媒を用いたグリーン水素製造技術
 3-1.光触媒を用いた水素製造の基本原理
 3-2.水分解光触媒
     3-2-1.水分解光触媒開発の歴史
     3-2-2.光触媒に用いられる各種材料
     3-2-3.光触媒への要求特性・反応機構
     3-2-4.電極型光触媒と粉末型光触媒
     3-2-5.助触媒の選択
     3-2-6.光触媒のキャラクタリゼーションと性能評価
 3-3.光触媒を用いたグリーン水素製造技術の課題
4.人工光合成プロジェクトで開発している、光触媒を用いたグリーン水素製造技術
 4-1.水分解光触媒の開発
     4-1-1.水素発生光触媒
     4-1-2.酸素発生光触媒
     4-1-3.水素発生光触媒と酸素発生光触媒を組み合わせた2段階水分解(Zスキーム)
     4-1-4.単独で水の全分解が可能な光触媒
 4-2.光触媒シートの開発
 4-3.酸素・水素分離膜の開発
 4-4.水分解光触媒と酸素水素分離膜の組み合わせによるグリーン水素製造と100㎡フィールドテスト
 4-5.社会実装に向けた取り組み
5.カーボンリサイクル技術と人工光合成
 5-1.カーボンリサイクルとは
 5-2.大気からの二酸化炭素回収技術(DAC:Direct Air Capture)
     5-2-1.吸着剤を利用した二酸化炭素回収技術
     5-2-2.分離膜を利用した二酸化炭素回収技術
 5-3.二酸化炭素の資源化技術
     5-3-1.二酸化炭素の化学反応
     5-3-2.コンクリート製造
     5-3-3.生物を用いた手法、SAF(Sustainable Aviation Fuel)
     5-3-4.メタノールエコノミー
     5-3-5.メタネーション、e-fuel(合成燃料)
     5-3-6.プラスチック原料製造
     5-3-7.人工光合成プロジェクトで開発している、エチレン・プロピレン・ブテン等の製造技術
         ・検討した複数の技術(Fischer - Tropsch法等)
         ・メタノール合成
         ・MTO(メタノールtoオレフィン)合成
         ・社会実装に向けた取り組み
 5-4.人工光合成活用による優位性
6.二酸化炭素の直接還元を指向した人工光合成技術
 6-1.粉末半導体光触媒を利用した二酸化炭素の直接還元
 6-2.金属錯体を利用した二酸化炭素の直接還元
 6-3.光触媒電極を利用した二酸化炭素の直接還元
7.EU主催の人工光合成コンテストにおける注目技術
 7-1.2022年に開催された人工光合成コンテストの概要
 7-2.日本チーム(東京大学+INPEX)の技術
    ~(光触媒シートを用いたグリーン水素製造とCO2 -メタネーションを組み合わせたe-methane生産)~
 7-3.イギリスチーム(ケンブリッジ大学)の技術
    ~(ペロブスカイト型多層セルを用いたsyngas製造)~
 7-4.フランスチーム(原子力・新エネルギー庁)の技術
    ~(ペロブスカイト/Siタンデムセル・水電解一体型デバイスによる水素製造と、バイオメタネーションによるメタン合成)~
 7-5.審査結果
8.まとめ

セミナー講師

 人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)  研究知財部 部長 博士(工学)  西見 大成 氏

■ご略歴
1992年:九州大学大学院 工学部研究科 合成化学専攻 博士課程修了(国武豊喜研究室)
1991年~1993年:日本学術振興会 特別研究員として、Mainz大学 Ringsdorf研究室、Emory大学 Menger研究室に留学。
1993年~2014年:富士写真フイルム 足柄研究所および先端コア技術研究所にて、
写真フイルムの改良研究、バイオセンサー商品化研究等に従事。
この間、1998年~2000年:訪問研究員として、Rice大学Miller研究室に留学。
2014年~2021年:人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem) 技術部長・業務部長。
2022年~:現職。
■ご受賞歴
2000年:International Conference on Colloid and Surface ScienceにてBest Poster Award 受賞。
2006年:日本化学会 コロイドおよび界面化学部会 技術奨励賞受賞。
■ご専門
分子組織化学、界面コロイド化学、環境エネルギー科学
■本テーマ関連学協会でのご活動
日本化学会 コロイドおよび界面化学部会 事業企画委員
高分子学会 無機高分子研究会 運営委員会 副委員長

セミナー受講料

【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円

【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名52,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき41,800円

*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

受講について

  • 配布資料は、印刷物を郵送で1部送付致します。お申込の際はお受け取り可能な住所をご記入ください。
    お申込みは4営業日前までを推奨します。
    それ以降でもお申込みはお受けしておりますが(開催1営業日前の12:00まで)、
    テキスト到着がセミナー後になる可能性がございます。
    資料未達の場合などを除き、資料の再配布はご対応できかねますのでご了承ください。
  • 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
  • Zoomを使用したオンラインセミナーです
    →環境の確認についてこちらからご確認ください
  • 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
    →こちらをご確認ください

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

47,300円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、コンビニ払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

化学反応・プロセス   地球温暖化対策技術   省資源

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47,300円(税込)/人

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化学反応・プロセス   地球温暖化対策技術   省資源

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