国内外における食品包装規制の最新動向―日本、欧州、米国の容器包装規制について―

最新トピックをわかりやすく解説! 現行及び2025年6月1日完全施行後のポジティブリスト制度を詳細に説明します。

セミナー趣旨

  食品衛生法改正(2018年6月13日公布)により、食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度導入が2020年6月1日施行され、施行後5年間の経過措置を経て、来年の2025年6月1日に完全施行となる。ポジティブリスト制度により、器具・容器包装事業者には次の義務が追加された。①合成樹脂の器具・容器包装は、ポジティブリスト収載の安全性が確認された原材料のみを使用し、ポジティブリストにない原材料の使用を禁止する。②合成樹脂を使用した器具・容器包装の適正製造管理(GMP)を行う③販売・製造・輸入者は、器具・容器包装がPL制度に適合していることを利用者に説明する (情報伝達)④合成成樹脂製の器具・容器包装製造事業者は、自治体に届出を行う。
  完全施行するにあたり現行ポジティブリストの整理が審議され、2023年11月30日にポジティブリスト改正の告示が出された。制度の円滑な運営を目的とし、ポジティブリストの対象範囲及び制限の見直しを行い、ポジティブリストを新形式に改めた。新ポジティブリストは2025年6月1日に施工される。6月1日以降に製造するものは、新ポジティブリストに適合していることを確認しなければならない。
  ポジティブリスト制度の導入に伴い、食品衛生法の規格基準とポジティブリストの整合性から、合成樹脂の一般規格、個別樹脂規格、用途別規格の改正案が出された。食品衛生法で定める合成樹脂の含有量等の規格基準への適合も必要である。
  本講演では、現行及び完全施行後のポジティブリスト制度を詳細に説明する。
  欧州では、枠組み規則、適正製造基準、プラスチックチック規則を説明する。欧州市場に投入する要件として、ラベル表示、トレーサビリティ、GMP、プラスチック規則(ポジティブリスト)への適合、適合宣言の発行が求められる。適合宣言は、欧州輸出には必要になるので、適合宣言内容や事例について述べる。
  米国では、容器包装を含む連邦食品医薬品化粧品法、及び規格・基準を定めた連邦規則集を説明する。連邦規則集(ポジティブリスト)では、適正製造基準及び接着剤、コーティング剤、紙・板紙、プラスチックポリマーの個別規格、添加剤等の規格を説明する。
  ポジティブリストに収載のない物質は、FCN届出制度により届出を行い受理されることで使用が可能となる。
  日本、欧州、米国でのポジティブ制度の比較及び安全性に関する考え方を説明する。

習得できる知識

・日本:食品衛生法の改正、ポジティブリスト制度
    情報伝達、器具又は容器包装を製造施設の衛生的な管理
・欧州:食品に接触することを意図した食品包装規制(プラスチック規則)
    プラスチック規則ガイドライン
・米国:食品包装規制(FFDCA、連邦規則集)
    米国新規物質登録制度

セミナープログラム

1.日本における容器包装規制
 1.1 容器包装に関する食品衛生法改正
    1.1.1 改正食品衛生法概要
    1.1.2 ポジティブリスト制度概要
 1.2 法改正による追加義務
    1.2.1 ポジティブリスト収載物質に限定
     1) 対象物質
     2) 対象範囲
    1.2.2 器具又は容器包装を製造する営業の施設の衛生的な管理(GMP)
    1.2.3 情報伝達の実施
     1) PL制度適合
     2) 経過措置適合
     3) 食品衛生法適合
    1.2.4 器具・容器包装製造事業者(委託含む)の届出
 1-3 現行ポジティブリスト
    1.3.1 器具・容器包装又は原材料一般規格改正
    1.3.2 ポジティブリスト規定方法・形式
     1) 使用可能樹脂のグループ化
     2) ポジティブリスト形式
     3) 使用可能な食品の定義
    1.3.3 ポジティブリスト収載物質
     1) ポリマー
     2) コーティング材
     3) 基ポリマーに対して微量で重合可能なモノマー
     4) 添加剤・塗布剤
 1-4 ポジティブリストの改正
    1.4.1 ポジティブリストの改正内容 
     1) ポジティブリストの収載物質(合成樹脂)の範囲
     2) 基材の改編(樹脂区分、収載物質、制限の撤廃、ポジティブリスト形式)
     3) 添加剤の改編(収載内容の整理:消除、移動、統合、制限の変更)
    1.4.2 ポジティブリスト改正告示(2025.6.1施行)
     1) 第1表基材の改正
       ・ポジティブリスト形式、使用可能樹脂の新グループ化
       ・物質のモノマー等の組み合わせ表
       ・被膜形成時に化学反応を伴う塗膜用途の重合体のモノマーリスト
     2) 第2表添加剤の改正
       ・ポジティブリスト新形式
 1-5 食品衛生法の合成樹脂の規格基準改正案
    1.5.1 一般食品用合成樹脂規格基準の改正
    1.5.2 器具・容器包装用途別規格の変更
 1-6 既存物質・新規物質申請の手続き
 1-7 ポジティブリスト対象範囲各論
2.欧州における容器包装の法規制
 2-1 EUにおける法規制体系
 2-2 枠組み規則
   ・一般規則 ・表示 ・トレーサビリティ ・適合宣言
 2-3 食品と接触することを意図した材料および物品の適正製造基準
 2-4 食品に接触することを意図するプラスチック材料及び製品の欧州規則
    2.4.1 認可された物質
     1) ポジティブリスト収載化学物質
        ・モノマー又は他の出発物質 
        ・添加剤
        ・ポリマー製造助剤
     2) 連盟リストに掲載されていない化学物質
     3) 規制及び制限
     4) 化学物質のグループ規制
    2.4.2 材料及び製品への規制 
    2.4.3 多層材料及び製品のEU規則
    2.4.4 適合試験
     1) 食品疑似溶媒
     2) 特殊移行量試験
     3) 総移行量試験
    2.4.5 適合宣言
     1) 宣言目的及び義務事業者
     2) 宣言内容・事例
 2-5 プラスチック規則のガイドライン
     1) プラスチック規則の全般的なガイドライン
     2) サプライ・チェーンにおける情報に関するガイドライン
 2-6 新規物質の申請ガイドライン
3.米国における法規制と安全性試験・評価
 3-1 米国における法体系
 3-2 連邦食品医薬品化粧品法(FFDCA)
 3-3 適正製造基準
 3-4 容器包装関連の連邦規則集
    3.4.1 一般規則
    3.4.2 間接食品添加物 
     1) 接着剤、粘着剤
     2) コーティング材
     3) 紙および板紙の成分
     4) ポリマー
        ・オレフィンポリマー、ナイロン、PET、ポリスチレン等
        ・レトルト包材
     5) 添加剤、製造助剤、殺菌剤、色材など
 3-5 米国の認可申請制度
     登録申請制度(FAP)、FCN届出制度、規制の閾値申請制度、オピニオン制度
 3-6 FCN届出制度
    3.6.1 登録制度(FAP)とFCNの比較
    3.6.2 届出の範囲
    3.6.3 申請書の作成
     1) 化学的物理的特性
     2) 一日推定摂取量
        (a) 溶出試験 (b) 一日推定摂取量
     3) 毒性試験 
 3-7 安全性評価
4.日・米・欧の比較
 4-1 ポジティブリスト制度比較
     対象物質、GMP、情報伝達
 4-2 新規物質申請制度比較
    4.2.1 溶出試験法及び食事中濃度の算出方法比較
    4.2.2 毒性試験比較
 4-3 食品用器具・容器包装における再生プラスチック材料の使用

セミナー講師

 藤井包装技術事務所 所長   藤井 均 氏

■ご略歴
2010年6月まで大日本印刷株式会社にて包装材料の開発、包装設計に従事。
2016年6月まで、紙製容器包装リサイクル推進協議会
2018年12月まで、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会
2016年7月より藤井包装技術事務所を開設
■ご専門
高分子材料・包装関連の法律、規制

セミナー受講料

【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円

【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名52,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき41,800円

*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

受講について

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  • 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
    →こちらをご確認ください

※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


10:30

受講料

47,300円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込、コンビニ払い

開催場所

全国

主催者

キーワード

食品包装   高分子・樹脂材料   安全規格

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