★次世代バイオプラスチックのポリ乳酸を例とした
 プラスチック添加剤の正しい選択と配合設計

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    セミナー趣旨

     一般的に高分子はニートレジンのままでは最終製品の要求性能を満足させることは困難で、各種添加剤が適宜選択・配合設計されるのが通例である。しかるに、例えばポリ乳酸に耐衝撃性を付与するために主剤との相溶性に優れる可塑剤を用いると、耐衝撃性は向上しても強度・弾性率は半減しTgも室温以下に低下する。また、耐熱性を向上させるために結晶化を促進する造核剤を添加すると、耐熱性は向上しても耐衝撃性は逆に低下することが知られている。
     本セミナーでは、上記技術的課題解決のための各種添加剤の選択・配合設計指針を成形加工分野毎に分かり易く解説する中で、耐熱性向上に必須の結晶化速度の解析手法や近年プラスチック添加剤のニューフロンティアとして注目されている一分子内に相反する基を有する高分子界面活性剤としてのマルチ機能改質剤の作用機序についても解説する。

    習得できる知識

    ・ポリ乳酸の基本特性(強度、弾性率、Tg)を維持しながら耐衝撃性を向上させる方法。
    ・ポリ乳酸の耐熱性を向上させる結晶化促進剤とその選択・配合設計指針。
    ・ポリ乳酸の耐熱性と耐衝撃性を同時に向上させるマルチ機能改質剤の分子設計。

    セミナープログラム

    1.次世代バイオプラスチックとしてのポリ乳酸
     1-1 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
      (1) 石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
      (2) 自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環(炭素循環)へのリンク
      (3) 生分解性バイオマスプラへのパラダイムシフト
     1-2 ポリ乳酸の基本特性
      (1) 熱可塑性脂肪族ポリエステル…結晶性高分子(Tm:130~190℃、Tg:58℃)
      (2) 安全性、食品衛生性、抗菌・防カビ性
      (3) 環境低負荷特性…LCAによる客観的・定量的評価
      (4) 生分解性バイオマスプラ
       [1]生分解機構…非酵素分解(加水分解)型
        ・2段階2様式の特異的な生分解機構…生分解性と耐久性の両立
        ・分解(開始・速度)制御機構内包…短期使用から長期耐久性構造材料まで
       [2]自然環境(土壌、海水・淡水)下での完全生分解性
       [3]使用後の再資源化(リサイクル)
        ・バイオリサイクル…堆肥化(好気性下)又は生ごみ発電(嫌気性下)
        ・ケミカルリサイクル…熱分解による原料ラクチドへの還元
        ・マテリアルリサイクル

    2.耐衝撃性改良剤の選択と配合設計
     2-1 耐衝撃性改良剤の分類と作用機序
      (1) タイプA 可塑剤
      (2) タイプB ブロック共重合体、高分子界面活性剤
     2-2 タイプAが内包する問題点
      (1) 主剤ポリマーの基本特性(強度、弾性率、Tg)の低下、喪失
      (2) 成形品の室温放置下(二次結晶化)における物性並びに形状の経時変化
     2-3 タイプB(本命)…主剤ポリマーの基本特性維持
     2-4 ポリ乳酸成形品の耐衝撃性の現状到達レベル
      (1) 電気・電子機器筐体、部品…9.6 kJ/cm2(シャルピー衝撃強度)
      (2) シート成形品…落球法(100gの重りを50㎝の高さから)

    3.結晶化促進剤の選択と配合設計
     3-1 ポリ乳酸の結晶化挙動の解析
      (1) 高分子の古典的結晶化理論
      (2) 成形加工工程における結晶化の分類
       [1]Melt Crystallization ② Cold Crystallization
      (3) DSCによる等温結晶化挙動の解析…結晶化速度パラメータの算出
     3-2 ポリ乳酸の結晶化速度に影響を及ぼす因子
      (1) 一次構造…PLAのD体共重合比XD(%D)
      (2) 分子量
      (3) 造核剤や結晶化促進剤(架橋剤、可塑剤、マルチ機能改質剤)→後述
     3-3 結晶化速度が遅い場合に顕在化する問題点
      (1) 耐熱性
      (2) 寸法安定性(熱収縮率、経時変化)
      (3) 成形加工性(成形サイクル)
     3-3 結晶化促進剤の分類
      (1) 造核剤…結晶核形成促進作用
       ・固体分散型 ・溶解型(透明耐熱性) ・架橋剤
      (2) 結晶成長促進剤
      (3) マルチ機能改質剤…結晶核形成と結晶成長促進(後述)
     3-4 成形加工分野別結晶化促進剤の選択指針…成形時の溶融張力必要性の有無
     3-5 ポリ乳酸成形品の耐熱性の現状到達レベル
      (1) 電気・電子機器筐体、部品…低荷重下(0.45MPa)150 ℃
      (2) 電子レンジ加熱可能…120~130℃ x 5分
      (3) 熱湯注入可能…95~100℃

    4.マルチ機能改質剤の分子設計と作用機構
     4-1 ポリグリセリン脂肪酸エステル(PGFE)…高分子界面活性剤
     4-2 PGFEの分子設計…重合度、エステル化度、脂肪酸C数
     4-3 マルチ機能改質剤(PGFE)としての作用機構
      (1) 結晶化促進剤…結晶核形成(造核)と結晶成長の双方に効果的
      (3) 耐衝撃性改良剤…耐熱性と耐衝撃性の同時改良
      (4) 流動性改良剤…薄肉射出成形

    5.ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発動向
     5-1 成形加工性の物理的意味と支配的因子
      (1) 溶融押出過程…溶融粘度、溶融張力の分子量依存性
      (2) 冷却固化過程…Tg又は結晶化速度(冷却速度、変形速度依存性)
     5-2 成形加工性改良剤
      (1) 溶融粘度、溶融張力調整剤
      (2) 結晶化促進剤…造核剤、可塑剤、高分子界面活性剤
     5-3 成形加工法…押出成形、射出成形、真空・圧空成形、発泡成形、ブロー成形
     5-4 ポリ乳酸製品・市場開発動向…豊富な製品写真で紹介
      (1) 農林・園芸・土木・水産資材
      (2) 食品容器・包装資材(短期使用・使い捨て材料)
      (3) 生活雑貨
      (4) 産業資材(長期耐久性構造材料)

     【質疑応答】


    キーワード:
    ポリ乳酸,生分解性,バイオプラスチック,添加剤,耐衝撃性,耐熱性,セミナー

    セミナー講師

    望月 政嗣 氏
    元・京都工芸繊維大学特任教授、工学博士、高分子学会フェロー

    【専門】
    高分子材料科学。特にバイオプラスチックや生分解性高分子。
    高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術。
    繊維・不織布の構造と物性。

    【略歴】
    1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
    1969年 ユニチカ(株)入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
    2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
    2007年 ユニチカ(株)定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)として5年間勤務。この間、日本バイオプラスチック協会(JBPA)識別表示委員会 委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。
    繊維学会功績賞、日経BP技術賞、その他を受賞。

    【著書】
    「生分解性プラスチック入門-生分解性プラスチックの基礎から最新技術・製品動向まで-」(CMCリサーチ)
    「生分解性プラスチックの素材・技術開発-海洋プラスチック汚染問題を見据えて-」(NTS)
    「バイオプラスチックの素材・技術最前線」(シーエムシー出版)
    「生分解性ポリマーのはなし」(日刊工業新聞社)、その他多数。

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    55,000円(税込、資料付)
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