MLCC(積層セラミックコンデンサ)の基礎と大容量/小型化設計/信頼性評価

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    セミナー趣旨

     5Gは様々な業界で利用されている。生成AIが令和5年後半から空前のブームになり、AIの言葉を聞かない日は無い。その次の技術であるBeyond 5G(6G)は、AIとさらに一体化しサイバー空間と現実世界 (フィジカル空間) との融合を目指している:自動運転レベル4の実現である。
     受動部品の代表である積層セラミックスコンデンサ-(MLCC)は小型・大容量・高性能・省電力・高信頼化が進んできた。特に、Ni内電MLCCはNi金属の低コスト化を特徴にして大容量・小型化が急速に進んだ。令和6年1月、長辺=0.16㎜,短辺=0.08㎜の「016008」サイズで, 現在最小の0201タイプ(0.2×0.1mm)と比べて体積は1/4ほどになるMLCCが発表された。同様に、受動部品の016008サイズのチップインダクタの開発が成功した。AI対応などに必須の受動部品MLCCとインダクターはさらに高性能化が進むであろう。
     一方、生成AIサーバー向けの半導体チップに1608タイプ (1.6x0.8mm) の100μFの大容量MLCCの量産が発表された。
     当講座では、MLCC の高積層技術、高信頼性技術を中心に幅広く、かつ詳細に解説を行なう。

    習得できる知識

    ・なぜ日本メーカは強いのか
    ・積層セラミックスコンデンサ-(MLCC)材料の基礎から応用
    ・原料からMLCC積層体まで
    ・内部電極/外部電極の進化
    ・MLCCの高積層・高容量の技術
    ・積層の技,、その問題
    ・MLCCの信頼性技術

    セミナープログラム

    1.移動通信システムの進化/自動運転レベル3、自動運転レベル4

    2.AIサーバー用大容量MLCCの必要性

    3.民生用/車載用MLCCサイズの変遷/MLCCの温度特性:車載用/生成AI

    4.コンデンサのDC電圧依存性 (Class1 vs Class2 MLCCの温度特性/DC特性/温度上昇)

    5.スマートホンに搭載される電子部品の個数/自動車に搭載されるMLCCの個数の変遷

    6.ムーアの法則は生きているか?そろそろ飽和?
      ロジック半導体の微細化ではムーアの法則は生きている

    7.MLCCの世界ランキングと市場、MLCC事情、MLCCの世界ランキングが変わる

    8.Ni-MLCCの商用化でIEEE Milestone賞を受賞

    9.MLCCをLCR等価回路で考えると?低ESLコンデンサの利用、Lキャンセルトランス

    10.Lキャンセルトランスでノイズ対策、近傍アンテナ間のノイズ対策、なぜノイズが消える?

    11.MLCC材料から見たBaTiO3+希土類+アクセプタ+固溶制御材+焼結助剤の歴史

    12.MLCCの小型化,容量密度の進化,誘電体層薄層化の進化

    13.MLCCの進展方向、小型化、大容量、高信頼性、自動車用コンデンサの要求性能

    14.Ni-MLCCの製造プロセス、グリーンシートの技術動向

    15.高信頼性MLCCに必要なこと、微小粒径、コア・シェル構造の利点

    16.BaTiO3の誘電率のサイズ効果/小型・大容量化の課題、コアシェル構造の効用

    17.薄膜用MLCCに求められる特性、水熱BaTiO3、修酸法BaTiO3

    18.微少・均一BaTiO3のためのアナターゼTiO2、アナターゼTiO2の合成法

    19.固相反応によるBaTiO3 の反応メカニズム

    20.水蒸気固相反応法、水を介してBaTiO3の低温反応/
          水で加速する室温固相反応(BaTiO3)/ Cold sintering は実用化できるか

    21.粉砕と分散とは、メデイアのサイズ、メデイアの材質

    22.微小ビーズ対応ミルによるナノ分散テクノロジー最前線

    23.分散技術/分散質の種類と分散系/分散機構の概要

    24.MLCC分野におけるポリグリセリン誘導体の検討、
          MLCC用添加剤材/MLCCへの適用、MLCC焼結体への効果

    25.BaTiO3ナノキューブの開発と適用、
              BTナノキューブ/グラフェン積層体のMLCC適用

    26.RFプラズマ法による複合ナノ粒子合成

    27.分級,MLCCの内電Ni粒子に最も重要な技術/Niナノ粒子の作り方(分級の役割)

    28.MLCCでもう一つ重要な要素、内部電極と外部電極

    29.高積層・高容量MLCCのためのNi内部電極用Ni微粒子

    30.供材の効果(Ni電極と誘電体の線膨張係数差を如何に少なくする)

    31.2段焼成法のNi内部電極の効果、カバーレッジの向上

    32.Ni内部電極の成形メカニズム(膜断面の観察)、
              Ni内部電極の連続性(カバーレッジ)向上のメカニズム

    33.熱プラズマNi微粒子の合成、粒度分布、表面不活性

    34.Ni電極への添加効果(Ni-Cr, Ni-Sn)、Ni-Sn内電MLCCの特性

    35.Ni電極印刷法(グラビア印刷)、プラズマ法、微粒子コーテイング法

    36.MLCC外部電極(高温対応)

    37.セラミックスコンデンサー(MLCC)の温度特性

    38.X8R規格のMLCC、(Ba,Ca,Sn)TiO3の特性評価、Caの役割、Snの役割

    39.X8R規格のMLCCの他の方法, 応力印加効果

    40.電圧印加で容量が増加するMLCCとは?PZT薄膜のキュリー点が600℃?
                          歪エンジニアリング/”Strain Engineering”

    41.導電性高分子コンデンサ、フィルムコンデンサ、シリコンキャパシター

    42.2022 Taiwan-Japan Passive Component Technology Symposium

    43.積層セラミックスコンデンサ(MLCC)の信頼性/BaTiO3の絶縁性/

    44.絶縁破壊と絶縁劣化/BaTiO3の絶縁性を上げるための添加物の役割

    45.置換サイトの基本は絶縁性、BaTiO3のどのサイトに入る?置換サイトの同定法

    46.BaTiO3の高温電気伝導に与えるBa/Ti比、希土類効果

    47.MLCCの絶縁劣化メカニズム/絶縁抵抗:時間、HALT結果

    48.コア・シェル構造の絶縁抵抗依存性/Cu, Sn固溶Ni-MLCCの絶縁抵抗時間変化

    49.誘電体の導電メカニズムの分類/薄膜、MLCCのリ―ク電流依存性

    50.ショットキー電流とプールフランケル電流/Cu-MLCCとNi-MLCCの特性の違い

    51. 劣化時のリーク電流の変化について/酸素欠陥評価法:熱刺激電流

    52.交流インピーダンス・等価回路法による評価、MLCCやSOFCに適用

    53.圧電応答顕微鏡(PFM)、接触共振-圧電応答顕微鏡(CR-PFM)、KFM法による表面電位測定

    54.熱刺激電流による酸素欠陥の評価

    55.MLCCの絶縁抵抗劣化に及ぼすLa添加効果

    56.セラミック/内部電極界面、粒内・粒界を流れる電流、JE特性による分類

    57.まとめ

    付記1 最近のMLCC研究動向

    付記2 現象論的熱力学を用いたBaTiO3の特性シミユレーション

    ≪質疑応答≫


    キーワード:
    MLCC,積層,セラミック,セラミックス,コンデンサ,自動車,通信,講座,講義,セミナー

    セミナー講師

    防衛大学 名誉教授/大阪公立大学 客員教授 工学博士 山本 孝 氏

    セミナー受講料

    55,000円(税込、資料付)
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