
非GLP・GLP規制の概要と非臨床試験及び資料の信頼性確保~AI活用並びにコンピュータバリデーションを含めた入門講座~<会場開催セミナー>
医薬品の有用性(有効性と安全性)に係わるin vitroやin vivo非GLP・GLP試験全般の信頼性確保について要点を解説致します
セミナー趣旨
新薬承認申請には、信頼の置ける資料(DI:data integrity)が求められて半世紀以上となる。具体的な規制として薬機法のGLP非臨床試験が施行されて約40年、その間、創薬から開発、そして承認申請の一貫した製薬企業から、それぞれの分野で専門性を生かす分業化が進行してきている。GLP試験も受託機関(CRO)に任せ、製造・販売申請企業に手渡される事例も珍しくない。多くの目に見えない方々の信頼に成り立っているが、資料の見落としなどの連携不足もみえてきだした。
今回、医薬品の有用性(有効性と安全性)に係わるin vitroやin vivo非GLP・GLP試験全般の信頼性確保について、GLP概要とともに信頼性の重要性の再確認の時期と考える。なお、従来からの薬効・安全性の文献(データベース事例)検索に加えて、AIによるデータ解析、類薬との比較など考察への活用と留意点についても解説する。
受講対象・レベル
・試験の信頼性保証(GLP)・検証(非GLP)業務担当者
・試験施設の運営・営繕管理・教育改善担当者
・試験従事者と試験責任者
・承認申請業務担当者
習得できる知識
・GLPの求めるData Integrity(DI)の具体的な操作手順
・GLPは試験実施施設と組織の運営並びに実施(責任)組織、機器管理、試験成績の報告/保管管理、
関係者以外の信頼性保証(検証)に適用
・GLPは安全性に係わる非臨床試験(試験種)に適用
・非GLP試験(有効性・動態など)では、DIは信頼性の根拠
・信頼性は不慮の試験計画・データの逸脱、機器の不具合や操作過誤への適切な対応
・AIやコンピュータアプリによる試験(データ)処理・解析における信頼性の支援
・承認申請書までの信頼性確保
セミナープログラム
1.GLP規制の概要
1.1 Data integrity(DI)並びにGLPの原点
・DIとALCOA(Attributable, Legible, Contemporaneously recorded, Original and Accurate)
・承認申請書に求める信頼性(正確性・完全性/網羅性・保存)
・安全性に係わるGLP
1.2 GLP省令とOECD
・医薬品、医療機器、再生医療等製品の相互乗り入れ
・省令とOECD
・GLPとICH/OECD試験法ガイドライン
・試験のセキュリティ(施設と組織運営)
・試験実施時期と試験計画
・試験の信頼性検証(QC)と保証(QA)
・試験従事者と関係者の習熟度
1.3 非GLP試験の書面調査とGLP試験の適合性調査
・試験報告書と申請書の一貫性
・QCとQAによる社内管理
・規制による調査
1.4 GLP対象試験種と試験の管理
1.5 ガイドラインと非ガイドライン試験
・非GLP試験計画とAIや文献支援
2.非臨床試験の信頼性確保のための施設内規程
2.1 試験計画(書)から試験報告書(実施/成績記録/解析)までの合理性
・設備/機器の確保と従事者作業分掌
・施設標準操作法(SOP)と機器操作法マニュアル
・試験関連文書と電子版(想定外の不具合への対応)
・試験計画/実施/記録/解析報告書作成の手順と記録
2.2 試験従事(動物手技・検査など)者の熟練度(資格)と教育
2.3 検証業務と試験従事者とのコミュニケーション(打合せ)
・不慮の不具合/逸脱への連絡、対応の承認
2.4 データの収集と訂正等のトラッキング
2.5 報告書書式(ICHガイドラインへの対応)
2.6 動物試験への倫理規程
2.7 デジタル化に係わるバックアップなどの管理規程
2.8 社内検証(QC)体制
・書面調査/適合性調査への対応
3.試験運営に係わる信頼性の確保
3.1 施設の運営管理者の職務
3.2 施設内(単独)試験と施設外(複数場所)試験
3.3 試験報告書と承認申請書
・原本報告書と翻訳報告書
・CRO委託との資料授受
・背景値(陽性/陰性/無処置など)
3.4 試験関連資料(生データ/標本など)の保管管理
・書面とデジタル媒体
・資料保管と管理期間
4.試験の検証(QC)と信頼性保証(QA)の実務
4.1 コンプライアンスの要としての職位・職務
4.2 適合性書面調査チェックシートと事例
・紙媒体と電子媒体の調査のポイント
4.3 試験の検証(調査)報告書と責任者の対応確認
・QC報告書のポイント
・試験実施と予期せぬ事態の検証
4.4 適合性施設調査のポイント
・信頼性保証書
・チェックリストと調査対応
5.試験関連資料の保管管理のポイント
5.1 紙媒体と電子媒体
5.2 Computer System Validationについて
6. AI(Artificial Intelligence)の活用と留意点
7.質疑応答(Q&A)
※途中、小休憩を挟みます。
セミナー講師
AEIC研究所 非臨床開発コンサルタント 代表/獣医師、医学博士 飯島 護丈 氏
■ご略歴
昭和50年、台糖ファイザー株式会社 薬理研究所(現:ファイザーR&D合同会社)に入所。
農薬・動物薬・医薬部外品・医療用機器・医薬品における感染症などの薬理、
動態、毒性試験を経験して、毒性試験責任者となる。
その間、モントリオール大学大学院医学における毒性学の基礎を確立したClaude Bernard博士縁の講座に留学、
また、名古屋市立大学の病理学教室では学位(医学博士)を取得した。
毒性部門、病理部門の長の経験後、米国でFDAのGLP基準に適合したコンピュータシステムとシステムマネージューの訓練を受ける。
システムバリデーションでは第三者機関の訓練、FDAによる適合性調査などを疑似体験した。
試験責任者から新薬申請業務(非臨床試験)に携わる。平成19年、同社中央研究所閉鎖と定年が重なり退社。
現在まで、医薬品・添加物の非臨床試験、新薬申請に関するコンサルタントを行い、
GLPや毒性に関する執筆活動、毒性学会への発表も行う。
■ご専門・得意分野
非臨床試験の新薬申請、毒性学、毒性病理学、トキシコキネティクス、GLP及び信頼性確保
本テーマ関連学会などでの活動
学会:日本毒性学会、日本毒性病理学会、比較眼科学会、米国Society of Toxicology
執筆参加:「GLP/非GLP試験の具体的実施ポイント」(情報機構,2009年)、
「GxP内部監査・自己点検実務資料集」(情報機構、2012年)、
日本油化学会編「油脂・脂質・界面活性剤データブック」(丸善出版、2012年)、
「医薬品承認申請と使用するデータの管理と信頼性確保」(技術情報協会、2019年)、
日本毒性学会年会におけるポスター(2022、2023、2024年)
セミナー受講料
1名46,200円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき35,200円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 感染拡大防止対策にご協力下さい。
- セミナー会場での現金支払いを休止しております。
- 新型コロナウイルスの感染防止の一環として当面の間、昼食の提供サービスは中止させて頂きます。
- 配布資料は、当日セミナー会場でのお渡しとなります。
- 録音・録画行為は固くお断り致します。
- 講義中の携帯電話の使用はご遠慮下さい。
- 講義中のパソコン使用は、講義の支障や他の方の迷惑となる場合がありますので、極力お控え下さい。
場合により、使用をお断りすることがございますので、予めご了承下さい。(*PC実習講座を除きます。)
受講料
46,200円(税込)/人