
リチウムイオン電池用導電助剤の開発動向と分散、活用技術
★カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン
各導電助剤の特性、特徴と電池性能を向上させる使いこなし方を解説!
セミナープログラム
<10:00〜11:30>
1.アセチレンブラック導電剤の分散性向上技術と電池特性の向上
デンカ(株) 松井 瑞樹 氏
【本講座で学べること】
・アセチレンブラックを始めとするカーボンブラックの特性・特徴
・リチウムイオン電池用途におけるアセチレンブラックの役割と活用テクニック
・アセチレンブラックの分散の考え方、実践方法
・リチウムイオン電池の高エネルギー密度化に向けたアセチレンブラックの特長と活用法
【講座概要】
カーボンブラックは、帯電防止や導電性付与の目的で樹脂やゴム、電池材料の添加剤として幅広く用いられています。本講演では、アセチレンブラックに関する製法、特性、物性評価法、並びに活用方法を解説します。リチウムイオン二次電池において、導電性を効果的に発現させるためには、適切なアセチレンブラックの選定に加え、配合、混練・分散と複数の要因があります。これらの要因について、技術的に重要な考え方についても解説します。
本講座ではアセチレンブラックの導電性を最大限発揮し、リチウムイオン二次電池の特性向上に必要な知識と考え方について理解頂けるような講演にしたいと思います。
1.はじめに
2.アセチレンブラックの特性と用途
2.1 代表的な導電性カーボンブラック
2.2 アセチレンブラックの特長と基本性状の評価方法について
2.3 導電性カーボンブラックの特性と用途
2.4 リチウムイオン電池用途におけるカーボン系導電材の役割及びアセチレンブラックの適用
3.アセチレンブラックの導電性メカニズムと分散性
3.1 アセチレンブラックの代表的な品種
3.2 導電性、分散性に影響を及ぼす因子
3.3 高エネルギー密度化に向けた対応
4.リチウムイオン二次電池の電極作製プロセスを事例にしたアセチレンブラックの分散技術
4.1 用途における分散の定義及び工程分散について
4.2 小粒径アセチレンブラックの活用術
4.3 分散の新しい評価技術
5.小粒径ABを使用したリチウムイオン二次電池の電池特性
5.1 小粒径化の効果と電池特性向上のメカニズム
5.2 アセチレンブラックとカーボンナノチューブの併用事例
6.次世代アセチレンブラックへの課題と対応
6.1 リチウムイオン二次電池用途の課題と導電材
6.2 まとめ
【質疑応答】
<12:10〜13:40>
2.カーボンナノチューブの分散技術とリチウムイオン電池への応用
(国研)産業技術総合研究所 周 英 氏
【本講座で学べること】
・CNTの基礎知識と市販CNTの特徴
・CNT分散と評価
・LIBデバイスにおけるCNTの役割と応用技術
【講座概要】
カーボンナノチューブ(CNT)は、その優れた導電性や機械的強度を活かし、リチウムイオン電池(LIB)の電極における導電助剤として年間5000トン以上が使用されています。しかし、CNTのポテンシャルを最大限に引き出すためには、適切な分散技術が不可欠です。CNTはナノスケールで強い凝集力を持つため、均一に分散させなければ期待される性能を十分に発揮できません。特に、高濃度電極への適用を目指す場合、分散状態が電池性能に大きな影響を及ぼします。
本講演では、まずCNTの基本特性と市販品の特徴を概説した後、CNT分散技術に焦点を当て、分散剤の選定、分散プロセスの最適化、そして分散状態が電池性能に与える影響について詳しく解説します。また、CNT技術の進展がLIBのエネルギー密度向上や充放電特性の改善にどのように貢献するのかについても議論します。本講演を通じて、CNT分散の重要性と最先端技術に対する理解を深め、次世代LIB開発に向けた新たな視点を得る機会となれば幸いです。
1.はじめに
2.カーボンナノチューブ(CNT)とは
2.1 CNTの構造・物性
2.2 市販CNTの特徴と分類
3.CNTの分散
3.1 CNT分散の基本
3.2 CNT分散の評価
4.LIBへの応用
4.1 CNTの役割と優位性
4.2 Si負極
5.まとめ
【質疑応答】
<13:50〜15:20>
3.二次構造化カーボンナノチューブパウダー分散体の開発とその特性
山陽色素(株) 田中 祐樹 氏
【本講座で学べること】
・カーボンナノチューブについて
・カーボンナノチューブを用いた合剤スラリーのレオインピーダンス測定
・活物質へのカーボンナノチューブの被覆状態が与える電池特性への影響
【講座概要】
リチウムイオン二次電池の導電助剤にはカーボンブラックが汎用されるが、近年ではカーボンナノチューブが採用され始めている。カーボンナノチューブを用いると、カーボンブラックより少ない添加量で優れた入出力特性やサイクル特性を示すことが認知されてきている。カーボンナノチューブは非常に凝集力が強く、合剤スラリーの作製工程で原料粉末をそのまま使用しても、うまく解繊して使いこなすことが難しい。そこで分散加工したカーボンナノチューブスラリーが一般的に使用されているが、「CNT含有率が低い」、「貯蔵安定性が低い」、「水分の混入」などの課題がある。本講演ではこれらの課題を解決する一つのソリューションとなりうる「二次構造化カーボンナノチューブパウダー分散体」について紹介し、その特性についても紹介する。
1.カーボンナノチューブ
1.1 単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブ
1.2 リチウムイオン電池におけるカーボンナノチューブ導電助剤の課題
2.二次構造化カーボンナノチューブ
2.1 二次構造化とは?
2.2 二次構造化カーボンナノチューブパウダー分散体
2.3 二次構造化カーボンナノチューブパウダー分散体を用いた合剤化プロセスと使いこなすテクニック
3.二次構造化カーボンナノチューブパウダー分散体用いた合剤スラリーおよび電極の特性
3.1 合剤スラリーのレオインピーダンス
3.2 電池特性
4.次世代リチウムイオン二次電池に向けたCNT/活物質コンポジット
【質疑応答】
<15:30〜17:00>
4.機械的剥離グラフェンのリチウムイオン二次電池用導電助剤への応用とその効果
東北工業大学 下位 法弘 氏
【本講座で学べること】
・機械的剥離による黒鉛(グラファイト)の薄片化技術
・機械的剥離グラフェンの湿式分散
・機械的剥離グラフェンと粒状材料(活物質)との均一混練技術
・シリコンを利用したリチウムイオン二次電池負極活物質
・リチウムイオン二次電池の特性
【講座概要】
我々はリチウムイオン二次電池用正負極活物質の合成研究開発を行っており、電池の高容量化・長寿命化のためには電極を構成する素材の最適化が必要不可欠だと考える。そこで、本講座では負極電極を構成するマトリクス素材として、炭素粉末を機械的剥離法で薄片化したグラフェンの導電助剤への応用に着目し、薄片形状を保持したまま負極活物質に混錬した電極の作製、およびその電極を使用したリチウムイオン二次電池の負荷特性評価結果を紹介する。
1.背景
1.1 リチウムイオン二次電池用導電助剤
1.2 導電助剤としての炭素素材
1.3 機械的剥離法
2.黒鉛粉末の機械的剥離
2.1 機械的剥離技術
2.2 黒鉛粉末の機械的剥離
2.3 機械的剥離による黒鉛の薄片(グラフェンシート)化と分散性
2.4 活物質と薄片化黒鉛の混練
3.リチウムイオン二次電池の試作及び特性評価
3.1 リチウムイオン二次電池負極活物質
3.2 塗料合材の作製
3.3 電極および電池試作
3.4 特性評価
4.まとめ
【質疑応答】
セミナー講師
1. デンカ(株) 千葉工場 電池・導電材料開発部 研究員 松井 瑞樹 氏
2. (国研)産業技術総合研究所 ナノカーボンデバイス研究センター 主任研究員 工学博士 周 英 氏
3. 山陽色素(株) 第二技術開発部 新事業開発グループ 主任研究員 田中 祐樹 氏
4. 東北工業大学 工学部 電気電子工学科 教授 博士(工学) 下位 法弘 氏
セミナー受講料
1名につき66,000円(消費税込・資料付き)
〔1社2名以上同時申込の場合1名につき60,500円(税込)〕
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