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セミナー趣旨
まず断熱材の開発動向と断熱性能(熱伝導率)を簡単に紹介します。その後,断熱材の熱伝導率測定方法を紹介し,高温度領域における測定精度の現状について述べます。また,近年の研究成果である新しい熱伝導率測定方法(熱流分離法)について解説します。この測定方法に基づけば,安くて簡単に測定装置を自作でき,気体や液体の静止状態における熱伝導率の測定も可能であることを紹介します。さらに,測定のコツや注意点について述べます。
身近な断熱材である発泡スチロールやシャツ(普通のシャツと機能性シャツの比較),断熱紙などの熱伝導率の特徴を紹介します。また,建築用や工業炉用に使用されている断熱材の熱伝導率,ナノ粒子断熱材や真空断熱材についても,その熱伝導率を紹介します。
ほとんどデータの無い熱伝達率について,その測定原理と装置,測定結果を示すと共に,断熱材のような多孔質材料が持つ熱伝達率の特徴を示します。
熱伝導率解析と称して,断熱材の熱伝導率を固体,ふく射,気体の伝熱成分に分離する方法と,真空断熱材の厚さ方向の熱伝導率を推定する方法を紹介します。
熱伝導率測定方法として開発した熱流分離法を応用して,簡単に比熱が測定できることを紹介します。比熱は非常に小さいサンプルで測定するのが一般的ですが,この方法では大きなサンプルでも測定可能となります。コンクリートの測定例を通して紹介します。
最後に、物体の表面温度測定方法について、簡単に説明させていただきます。これは、数値シミュレーション結果と実測結果を比較する場合に役立ちます。今までの経験から、物体の表面温度測定に誤差があり、計算結果と一致しないことがありました。ちょっとしたテクニックや注意点をお話しするつもりです。
受講対象・レベル
・断熱材料メーカーの開発者・技術者
・断熱材を扱うメーカー(ユーザー企業)の方
・熱伝導率の測定、断熱性能の評価に興味のある研究者、など
セミナープログラム
1. 近年の断熱材開発状況
2. 熱伝導率および熱伝達率の基礎
2-1 フーリエの法則
2-2 熱伝導方程式
2-3 ニュートンの冷却則
2-4 熱伝達率
2-5 ふく射伝熱
3. 熱伝導率の評価方法と測定例
3-1 GHP法
3-2 周期加熱法
3-3 熱流計法
3-4 非定常熱線法
3-5 HotDisk法
3-6 短時間加熱による簡易熱特性評価
3-7 新しい測定方法(熱流分離法を使った厚さ方向および面内方向の熱伝導率同時測定方法)
・従来の断熱材と最近注目されつつある断熱紙の熱伝導率
・パンやビスケットなど多孔質体とみなせる食品の熱伝導率
・機能性シャツの熱伝導率
・粉体の熱伝導率
・流体の熱伝導率(液体と空気の静止熱伝導率)
・コンクリートの熱伝導率
4. 熱伝導率測定のコツと注意点
5. 熱伝導率解析
5-1 断熱材の熱伝導率を固体,ふく射,気体に寄与する等価熱伝導率に分離する方法
5-2 真空断熱材の芯材部分における熱伝導率を推定する方法
6. 断熱材の熱伝達率
7. 比熱の簡易測定方法
8. 物体の表面温度測定における注意点
【質疑応答】
キーワード
断熱材,熱伝導率,測定,伝熱,定常,非定常,真空,建材,自動車,研修,講座,セミナー
セミナー講師
和歌山工業高等専門学校 知能機械工学科 教授 博士(工学)
大村 高弘 氏
《専門》 熱工学、断熱材の熱伝導率、熱伝達率および比熱測定
1984年3月 立教大学 理学部 物理学科 卒業
1984年4月 富士通(株) 入社
1987年8月 富士通(株) 退社
1987年9月 理学計測(株)【理学電機(株)】に入社
1992年8月 理学計測(株)【理学電機(株)】退社
1992年9月 ニチアス(株)に入社
2003年2月 九州大学大学院総合理工学府環境エネルギー工学専攻博士課程修了。博士(工学)
2015年3月 ニチアス(株) 退社
2015年4月 和歌山工業高等専門学校 知能機械工学科 准教授
2018年4月 和歌山工業高等専門学校 知能機械工学科 教授
2025年3月 和歌山工業高等専門学校 知能機械工学科 定年
定年後 和歌山工業高等専門学校 名誉教授
《活動等》
日本熱物性学会 副会長 (2017年1月~12月)
日本熱物性学会 監事 (2018年,2019年)
日本熱物性学会 シンポジウム実行委員長 (2022年)
セミナー受講料
55,000円(税込、資料付)
■ 会員の方あるいは新規会員登録していただくと、下記の割引が適用されます。
・1名申込の場合、55,000円(税込)→44,000円(税込)
・2名同時申込の場合、合計110,000円(税込)→合計55,000円(税込)
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受講料
55,000円(税込)/人
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