1.生産戦略とは
JISの定義によれば「生産」とは、「生産要素である素材などの低い価値の経済財を投入して、より高い価値の財に変換する行為または活動」であり、言い換えれば図1のように1M(材料、部品など)に3M(人材、設備、方法)を加えて付加価値を向上させる活動です。一方「戦略」は、敵に勝つための総合的・長期的な計略です。ということで「生産戦略」は、4Mを競合よりも上手に組み合わせて、需要家の期待するQCD(品質、コスト、納期)に適合させるための一貫した計画と言えるでしょう。そのためには、何をいつどこでどう作るかを含めてしっかり検討することが重要になります。
図1.生産とは4Mで付加価値を上げてQCDを達成する活動
明治の文明開化以前は、PLC(製品のライフサイクル)が極めて長かったために、10年20年ゆっくり考えていても良かったのですが、今や長期的計略と言いながらも半年で戦略が陳腐化しかねない製品分野もあり、常に気を抜くことができません。
2.生産戦略策定の手順
生産戦略を策定する時は図2のような手順が取られます。
① 外部環境分析:先に企業戦略を策定するために、社外環境を分析します。ここは業界に関係のない政治、経済、社会、科学などのマクロ分析と、自社が属する業界の競合関係、価格や技術動向などのミクロ分析に分かれます。
② 内部環境分析:次に社内の状況を分析します。経営者、立地状況、設備、従業員、資金力、営業力、技術力などを評価します。客観的な自己分析は思ったより...