今回は、品質管理の基本、「なぜルールを守らないのか」を考えます。ルールを守る活動は、「ルールを決め」「それを守り」「守られているかどうかをチェックし」不備があれば「見直し改善を続けていく」というサイクルを回すことです。
1. ルールが守られない理由
ルールが守られないという現場では、以下のような理由を挙げています。
・守りたくても守れない理由がある
・ルール自体が業務の実態と合っていない
・そもそもルールの必要性を感じない
・ルールを守っていたら仕事にならない、効率が悪い
・ルールを知らなかった
・理想のルールはわかるが、現実的ではない
ルールを守らない、守れない理由はいくらでもあります。つまり、現場では、ルールの必要性・重要性を感じていないということなのです。
2. 現場で発生している問題
その結果、現場では以下のような様々な問題が発生しています。
・それぞれの部署や人の仕事の役割がはっきりしない
・情報が伝わらない、遅い、正確でない
・それぞれの個人の判断で仕事が進められ間違いが多く、効率も悪い
・問題が解決されず放置されれている
・若手社員がすぐ辞めていく
管理層は、現場に対してこのようなことが起きないように、改善するように指示しますが、なかなか思うように進みません。
では、一体どのようにすればルールが守られるようになるでしょうか?
上図に示すように、まず発生した問題を解析し対策を講じます。この時、必ずルール(標準)を見直すことが最も重要なポイントになります。
ルールの見直しを行わない対策は「もぐら叩き」の対策であり、また必ず再発します。ルールを見直すことによって、問題が発生しない作業手...
順、業務手順が出来上がって行くのです。ルールとは、トップダウンで与えられるのではなく、職場内で自らが不備な点を一つ一つ直していくという、地道な努力を継続的に行うことを通じ、受け身体質から脱却していくことが一番大切なことなのです。