ここ数年、毎年のように各地で激しい雨が降っています。先日も、台風7号や活発化した梅雨前線の影響で九州地方から近畿地方にかけて大雨となりました。この大雨で甚大な被害が出ており、また、多くの死者や行方不明者の報道があります。
ところで、大雨に関する天気予報の中で気になる解説内容があります。
これはテレビでの天気予報のことですが、例えば、「明日の朝から昼にかけて、1時間に100mm程度降るような猛烈な雨になりますので通勤や通学には注意してください」や「局地的に1時間に50mm程度降るような激しい雨になるので注意してください。これは、バケツをひっくり返したように降る雨です」のような内容の解説です
「1時間に100mm程度降るような猛烈な雨」や「バケツをひっくり返したように降る雨」と言われても、それがどのような雨の降り方なのか想像できない人も多いと思います。
ウェブサイトで検索すれば、これらがどのような雨の降り方なのかがわかります。気象庁のウェブサイト注)を見れば「バケツをひっくり返したように降る雨」に関する解説が出ています。また、時間当たりの降雨量の違いを映像で紹介する天気予報やニュース番組も時々あります。
しかし、インターネットを使っていない人もいます。また、時間当たりの降雨量の違いの映像をこれまで見たことがない人も多いと思います。
特に、人命に関わる危険な雨が降ることが予想される場合には、天気予報の中で、予想される雨の降り方を事前に映像で流したらよいと思います。
すなわち、天気予報の中で、今後発生する可能性のある雨の降り方を視覚的に解説することです。言葉ではなく映像で解説すれば天気予報を見た人の行動も変わると思います。映像を見て身の危険を感じ早めに避難をする人もいると思います。
2016年8月22日(月)に台風9号が関東地方に上陸した結果各地で大雨となりました。弊社の所在地である所沢でも大雨となりました。ニュースによれば、所沢では1時間雨量が100mm程度の降水量だったようです。このため、所沢には、記録的短時間大雨情報も出されました。
台風9号が関東を通過したとき会社の窓から外を見ていましたが、前が見にくいような降り方の時間帯もありました。猛烈な雨でした。この降り方を見て、「このような大雨の中で歩くことは危険だな」と実感しました。まさに、このとき、初めて、1時間雨量が100mm程度の雨の降り方を知りました。
...
このように、“視覚的に解説すること”で“わかること”があります。
この考え方は、文書を書く場合にも当てはまります。文書を書く場合に対するこの考え方は“視覚的に書く”になります。すなわち、“見る”という考え方を取り入れて文書を書くことです。例えば、文や文章だけではなく写真や図を入れて文書を書くことです。
“見る”という考え方を取り入れて文書を書くことで読み手の理解度が変わります。“視覚的に書く”という意識を持って文書を書いてください。
【参考文献】
森谷仁著、「技術者のためのわかりやすい文書の書き方」、オーム社、平成27年3月20日