1.クリーン化という一つの分野
プロフィール上の対応分野は、既成の項目に当てはめたために“生産マネジメント/5S”となりましたが、実際には、経歴、業務実績の欄にも記しましたように、“クリーン化”が専門です。
このクリーン化と言う言葉は電気、電子、精密部品製造等では、ごく普通に使われています。また、海外においても、Clean Technology と呼ばれ、ものづくりの業界では、ある程度認識されている、あるいは通用する言葉と考えておりましたが、どうもそうではなく、限られた分野、領域でしか通用しない言葉であることにある日気がつきました。
今後は「クリーン化」という表現が、ものづくり現場ならどこでも当たり前に使えるよう努力をしてて、クリーン化という一つの分野になるように、広めていきたいと思います。
2.クリーン化とは
ここで、このクリーン化と言う言葉が、あまり普及しない、また誤解されていると思われる理由について考えて見ます。
クリーン化は、そもそも半導体業界で使われていた言葉ですね。半導体業界では、長年、微細化、高集積化を追い求めて来ました。そして、表示体事業、水晶事業等ゴミを極端に嫌う分野に拡散、浸透して来ました。このクリーン化活動の対象は小さなゴミ(パーティクル)の減少活動でした。この極小なゴミをどう退治、コントロールするかによって、製品の歩留まりが変わって来るからです。
例えば、半導体業界が華やかだった頃は、その工場の一つのラインだけでも、月に数十億円から、百億円に近い売り上げがありました。ゴミを減少させることにより、そのラインで作られた製品の歩留まりが、例え1%でも向上すると、数千万円/月の純利益が出て来たのです。このため、先行する製品製造技術を追いかけるように、クリーン化技術も発達しました。そして、スーパークリーンルームも出現しました。
その過程で、同一製品を生産しながらも、クリーン化への取り組みの有無により、利益が出たり、赤字になったりと企業にも差が出ました。そのことから、クリーン化は企業の競争力とも言われ、その取り組み、活動内容は門外不出と言う時期もあったのです。
3.クリーン化技術に対する誤解
このような経緯がありますので、過去をご存じの方からは、①クリーン化に取り組むものづくり現場は、目に見えないゴミを対象とした高いレベルであり、自分たちの生産現場には関係な...
しかし私が支援できる機会がありましたら、この先入観、誤解を先ず払拭させていきます。
日本のものづくりは、軽薄短小技術を得意とする分野が多いのですから、そこでは必ずと言って良いほどゴミが問題になるはずです。クリーン化の技術は、実は皆さんの身近な現場で役に立ちます。
クリーン化の方法や事例は、また次の機会にお話しましょう。