今回は、ものづくりの現場で使う特性要因図を解説します。
特性要因図は、結果(品質特性)に原因(要因)がどのように関係し、影響しているかを矢印で表した図のことです。主に品質問題を改善すると思いますから、その項目は結果なのか要因なのかを冷静に考えて見ましょう。特性要因図のスタート部分ですから、慎重に考えましょう。
特性要因図によって、品質との因果関係を突き止めることで、より具体的な課題が設定できます。テーマとして取り上げた項目は、改善したい項目ですからより具体的な表現にします。
ものづくりの現場などで作成する特性要因図は、主に中心線に対して、4Mを配置します。Man(人)Machine(機械・設備)Material(材料)Method(方法)です。
この他測定系の問題も考えられる場合は、Measurement(測定)も加え、5Mとします。
更に半導体製造などでは、各種ガス、真空、圧空、供給空気(空調)などが原因になることもあります。そこで製品の材料であるMaterialとは別にEnergy(エネルギー)を加える場合もあります。
特性要因図は、会議室などで作成することもあると思いますが、記憶や思い違い、勘違いもあると思います。できるだけ問題の対象となっている現場(工程)で作ることが良いでしょう。ある程度理解しているつもりでも、そこで観察しながら拾い出しを行うと、より正しい情報が得られます。
挙がった項目が、分類上どうしても2つの島のどちらにも密接な関係がある場合は、両方に入れても良いと思います。完成の段階まで残るかも知れません。またその過程で片方が消えるかも知れません。作りながら完成度を高めることです。
【作成手順】
- 問題となる品質特性を決め、幹を作る
- 大別した要因を大枝にして描く 4Mまたは5Mを配置
- 大別要因ごとに、更にそれらの要因を中、小の枝にして書き加える
【作り方、使い方の留意点】
- 多くの人の知識や経験を集める
- 要因を徹底的に掘り下げて追及する
- 要因と対策を混同しない
- 要因を重みづけし、対策に結びつける
QC活動のアドバイザー役は、作成された特性要因図が、納得できない場合、QC活動の現場で明確に掘り下げましょう。疑問点をそのまま進めてしまって、全体の発表会など大勢の場で指摘されてしまった方が、メンバーのやる気が低下することに繋がります。そうなる前に食い止めるこ...