1. JIT生産と誤解
JIT生産は、今や改善活動の目指すべき完成モデルとなりつつあります。しかし、その認識には、誤解が多く、購買側からの「多頻度小口納入」要求が、「JIT生産」の大義名分の元に実施されることを取り上げ、その弊害を指摘する意見もあります。しかし、単なる「多頻度小口納入」要求は、本当のJIT生産ではありません。
JIT生産の本質は、「多頻度小口納入」にはなく、より内部の取組み「生産の流れ化・平準化」と「現場改善」にこそあります。自動車生産の場合は、組立てラインへの多様な部品生産・供給の大半を下請けが受け持つため、生産の流れ化・平準化を実現しようとすると、下請けからのJIT納入が不可欠であり、これがより際立って見えるだけです。