改善の限界を超える新プロセスを構築するDFSS(Design For Six Sigma)

 

 

リーン・シックスシグマのアプローチは、DMAIC(Define/ Measure/ Analyze/ Improve/ Control)が世界標準のアプローチです。業務プロセスや開発プロセス、製造プロセスなど、改善対象となるプロセスが既に存在する場合には、Define(定義)、Measure(測定)、Analyze(分析)、Improve(最適化)、Control(維持制御)のフェーズに区分して、DMAICの順番通りに改善プロジェクトを進めて行きます。そうする事で、試行錯誤の繰り返しによる時間的金銭的損失を最小限に抑え、最短距離でプロセスを改善します。

◆関連解説『シックスシグマ』

 

 

まずDフェーズでは、VOC(Voice Of the Customer:顧客の声)を集め、上位マネジメントの意思を明らかにして、現状とのギャップを把握した上で、CTQ(Critical To Quality:最重要課題)を定義してプロジェクトを設定します。

 

Mフェーズでは、必要なデータを収集して課題となる状態や状況を最も的確に測定して把握するための指標を抽出します。そしてその指標を使って目標値を決めます。

 

 

ところが、これまでに無い新しい製品やサービスを開発する場合にはVOC(Voice Of the Customer)や上位マネジメントのアイデアはあるが、具体的な現状や指標と言われてもまだ実績がありません。結果はともあれ失敗を覚悟でやってみるしかない場合や、現状のプロセスはもう改善をやり尽くしていて、これ以上の改善は対投資効果的に得策ではない場合には、標準アプローチのDMAICではなかなかうまく行きません。なぜなら既存プロセスの改善と言うよりはむしろ新しいプロセスを構築する事が必要だからです。

 

 

すなわち Define(定義)、Measure(測定)、Analyze(分析)、Design(設計)、Verify(検証)のフェーズでプロジェクトを進めます。

 

 

 

 

ところで、実はDFSSのアプローチに関しては、対象となる課題や会社によってそれぞれの違ったアプローチが存在します。例えばDMAOV(Define/ Measure/ Analyze/ Optimize/ Verify)やDFACE(Define/ Focus/ Analyze/ Create/ Evaluate)またはIDOV(Identify/ Design/ Optimize/ Verify) などのアプローチがそれです。

 

どのアプローチを使うべきなのかと悩んでしまうところですが、心...

配は要りません。DFSSにはどのアプローチにも共通する流れがあります。「カスタマー領域」、「機能領域」、「実体領域」、「プロセス領域」の流れに沿っていると言う事です。「カスタマー領域」でアイデアの価値を明確にし、「機能領域」でアイデアを実現する為の機能を定義し、「実体領域」機能を実現する製品やサービスを試作し検証する、そして「プロセス領域」で商品として量産する製造プロセスを完成し、ビジネスとしてサービスを提供する仕組みを構築します。

 

 

対象となるアイデアや、ビジネスの領域に合わせて、最適な DFSS アプローチを選択することが重要です。

 

 

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