「マインドマップ」の活用方法

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♦マインドマップ ~「連想」した事を“見える化”するノート術

 マインドマップとは1960年代にイギリス人教育者のトニー・ブザン氏(1942~2019年)が考案した「脳の思考プロセスである放射思考を反映したノート法」です。

 日本には2006年、同氏によって紹介されたのち、書籍も出版された事で一躍知られる様になりました。また本格的に「マインドマップ」を学ぶために同氏公認の講習会も開催されており、インストラクター資格制度も全世界的に運用されています。[1]

 その特徴は人間の脳の思考プロセスを邪魔する事なく「連想」した事を「見える化」する事で、効率的に脳を動かし考え続ける事ができるツールです。

1. マインドマップの基礎

 マインドマップでは、まず中心にテーマを記述し、発想した内容をブランチ(線)でつなぎながら記述していきます。中心から外に向かって連想される言葉を記述していく事で脳の中身を「見える化」する事が出来ます。

図1. マインドマップの基本的な方法

   マインドマップにはトニー氏が定めた12のルールがあります。

  • 無地の用紙
  • 横長で使う
  • 中心から書く
  • テーマはイメージ
  • 1ワード
  • ワードは単語
  • ブランチは曲線
  • 強調する
  • 関連づける
  • 独自スタイル
  • 創造的に
  • 楽しむ

 これらのルールは手書きでマインドマップを描き続ける為に有効なルールで、正式に「マインドマップ」を名乗る為には必須となっています。[2] 

 しかし、最近ではマインドマップの原理を応用したPCソフトを使ってマインドマップ風の放射状メモを活用している人が増えています。筆者もその一人です。新しいプロジェクトを始める時、メンバーを集めてブレーンストーミングを行う時やクライアントに提案を行う時などにマインドマップを活用しています。マインドマップを活用する時にはPCをマルチモニターで使用する事が最適です。

 一台のモニターでマインドマップを描きながら他のモニターで情報を検索したり、作業を行ったりする事ができます。 注目するモニターに応じて思考を切り替える事でマインドマップを最大限に活用する事が出来ます。

【写真説明】「筆者の作業環境」

 3画面で作業内容を分担する事で脳の切替えを行っています。

 本原稿を執筆する際、上のモニターで参考文献を検索・確認しながら右のモニターにマインドマップでまとめを作成、手前のモニターで文章を執筆します。この後、具体的な事例を元に活用方法をご紹介していきます。

2.  事例(1)「物事の整理」

 新しいプロジェクトを開始する際、何も考えずに手を付ける人はいないと思います。最初に「どの様な事から始めるか?」、「どの順番で作業するか?」などの事を考え、メモに残していく方が多いでしょう。ところで、未経験のプロジェクトを開始する時はどの様に始めますか?ネットで調べたり、知人に聞いたりしてもピンとこない場合、マインドマップの出番です。

 調べたり、聞いたりした事が頭の中で整理できない場合、色々な事が頭の中に散らばっている状態でしょう。その様な場合には白い紙の前で、中央にテーマを記載し、思いついた事を次々と記入していきます。事例として、私が前職を退職した際に記載したマップを添付しました。まずは「就職するか起業するか」から開始し、前職時代に経験した業務内容や独立して実現してみたい事を右側に、左側には起業(事業を起こす)するアイデアを記載しようと記入を始めましたが、右側のみに連想が進む事に気づき、起業する事を早々に断念したマップとなります。 

 マインドマップとして綺麗なサンプルではありませんが、実際に役立った一例としてマインドマップのイメージを掴んでいただけると幸いです。

図2. 筆者の記載したマップ

3.  事例(2)「ブレーンストーミング」

 次に、ブレーンストーミングの活用事例の話をしましょう。添付したのは前職時代に新規事業開発を行う際に作成したマインドマップを再構築した内容(下図)です。5年以上前に作成した内容なので、今では当たり前の事も記載されていますが「モビリティー」をテーマとして、世の中に無い事業を発見する事をテーマにブレーンストーミングを行いました。最初に第一階層(青字)の部分を全員で発想し、記載しながら連想を進めていきます。

 このケースではファシリテーターが掘り下げるテーマをガイドしながら進める事で参加メンバーの連想を加速していきました。

 マインドマップソフトにはブランチの入れ替えや表示・非表示の切替え機能が装備されていますので、ミーティング中に討議するポイントのみを表示したり、会議後にブランチを入れ替えたり、階層の整理をしたりする事で議事内容を整理することも可能です。

4.  事例(3) 経営コンサルティング

 初めて顧客と打ち合わせを持つ際に皆さんはどの様な資料を用意しますか?

 私が初見の打ち合わせを行う際には顧客より相談された内容を元にマインドマップを一枚書いて望みます。添付した資料は「知財戦略の強化をしたい」とのテーマで打ち合わせを行った際のマップです(下図)

 経営コンサルタントとして顧客の課題に対し、どのポイントで話を聞けば良いか分からないケースが多いと思います。その様な時に一枚のマインドマップをお見せして、どのポイントで課題をお持ちか聞く事で話が進むケースが多いと思います。一方で、この一枚を提出する事で相手の課題が解決してしまうこともありますが…。

 

5.  お薦め‼マインドマップソフト3選

   お勧めのマインドマップソフトをご紹介させていただきます。[2]

① iMindMap: トニー・プサン氏監修の公認ソフト
 私は使用した事はありませんが、唯一の公認ソ...

 

♦マインドマップ ~「連想」した事を“見える化”するノート術

 マインドマップとは1960年代にイギリス人教育者のトニー・ブザン氏(1942~2019年)が考案した「脳の思考プロセスである放射思考を反映したノート法」です。

 日本には2006年、同氏によって紹介されたのち、書籍も出版された事で一躍知られる様になりました。また本格的に「マインドマップ」を学ぶために同氏公認の講習会も開催されており、インストラクター資格制度も全世界的に運用されています。[1]

 その特徴は人間の脳の思考プロセスを邪魔する事なく「連想」した事を「見える化」する事で、効率的に脳を動かし考え続ける事ができるツールです。

1. マインドマップの基礎

 マインドマップでは、まず中心にテーマを記述し、発想した内容をブランチ(線)でつなぎながら記述していきます。中心から外に向かって連想される言葉を記述していく事で脳の中身を「見える化」する事が出来ます。

図1. マインドマップの基本的な方法

   マインドマップにはトニー氏が定めた12のルールがあります。

  • 無地の用紙
  • 横長で使う
  • 中心から書く
  • テーマはイメージ
  • 1ワード
  • ワードは単語
  • ブランチは曲線
  • 強調する
  • 関連づける
  • 独自スタイル
  • 創造的に
  • 楽しむ

 これらのルールは手書きでマインドマップを描き続ける為に有効なルールで、正式に「マインドマップ」を名乗る為には必須となっています。[2] 

 しかし、最近ではマインドマップの原理を応用したPCソフトを使ってマインドマップ風の放射状メモを活用している人が増えています。筆者もその一人です。新しいプロジェクトを始める時、メンバーを集めてブレーンストーミングを行う時やクライアントに提案を行う時などにマインドマップを活用しています。マインドマップを活用する時にはPCをマルチモニターで使用する事が最適です。

 一台のモニターでマインドマップを描きながら他のモニターで情報を検索したり、作業を行ったりする事ができます。 注目するモニターに応じて思考を切り替える事でマインドマップを最大限に活用する事が出来ます。

【写真説明】「筆者の作業環境」

 3画面で作業内容を分担する事で脳の切替えを行っています。

 本原稿を執筆する際、上のモニターで参考文献を検索・確認しながら右のモニターにマインドマップでまとめを作成、手前のモニターで文章を執筆します。この後、具体的な事例を元に活用方法をご紹介していきます。

2.  事例(1)「物事の整理」

 新しいプロジェクトを開始する際、何も考えずに手を付ける人はいないと思います。最初に「どの様な事から始めるか?」、「どの順番で作業するか?」などの事を考え、メモに残していく方が多いでしょう。ところで、未経験のプロジェクトを開始する時はどの様に始めますか?ネットで調べたり、知人に聞いたりしてもピンとこない場合、マインドマップの出番です。

 調べたり、聞いたりした事が頭の中で整理できない場合、色々な事が頭の中に散らばっている状態でしょう。その様な場合には白い紙の前で、中央にテーマを記載し、思いついた事を次々と記入していきます。事例として、私が前職を退職した際に記載したマップを添付しました。まずは「就職するか起業するか」から開始し、前職時代に経験した業務内容や独立して実現してみたい事を右側に、左側には起業(事業を起こす)するアイデアを記載しようと記入を始めましたが、右側のみに連想が進む事に気づき、起業する事を早々に断念したマップとなります。 

 マインドマップとして綺麗なサンプルではありませんが、実際に役立った一例としてマインドマップのイメージを掴んでいただけると幸いです。

図2. 筆者の記載したマップ

3.  事例(2)「ブレーンストーミング」

 次に、ブレーンストーミングの活用事例の話をしましょう。添付したのは前職時代に新規事業開発を行う際に作成したマインドマップを再構築した内容(下図)です。5年以上前に作成した内容なので、今では当たり前の事も記載されていますが「モビリティー」をテーマとして、世の中に無い事業を発見する事をテーマにブレーンストーミングを行いました。最初に第一階層(青字)の部分を全員で発想し、記載しながら連想を進めていきます。

 このケースではファシリテーターが掘り下げるテーマをガイドしながら進める事で参加メンバーの連想を加速していきました。

 マインドマップソフトにはブランチの入れ替えや表示・非表示の切替え機能が装備されていますので、ミーティング中に討議するポイントのみを表示したり、会議後にブランチを入れ替えたり、階層の整理をしたりする事で議事内容を整理することも可能です。

4.  事例(3) 経営コンサルティング

 初めて顧客と打ち合わせを持つ際に皆さんはどの様な資料を用意しますか?

 私が初見の打ち合わせを行う際には顧客より相談された内容を元にマインドマップを一枚書いて望みます。添付した資料は「知財戦略の強化をしたい」とのテーマで打ち合わせを行った際のマップです(下図)

 経営コンサルタントとして顧客の課題に対し、どのポイントで話を聞けば良いか分からないケースが多いと思います。その様な時に一枚のマインドマップをお見せして、どのポイントで課題をお持ちか聞く事で話が進むケースが多いと思います。一方で、この一枚を提出する事で相手の課題が解決してしまうこともありますが…。

 

5.  お薦め‼マインドマップソフト3選

   お勧めのマインドマップソフトをご紹介させていただきます。[2]

① iMindMap: トニー・プサン氏監修の公認ソフト
 私は使用した事はありませんが、唯一の公認ソフトです。
 このソフトを使用しないと「マインドマップ」とはいえません。

② FreeMind: Javaベースで開発されたフリーウェア
 私が最初に使用したソフトです。Windows/Mac版が用意されていますが、2016年にアップデートが終了しています。

③ Freeplane: FreeMindベースのフリーウェア
 Mac上で稼働するフリーウェアとして、現在使用しています。文字入力にバグがあり、使い勝手は今一ですが、FreeMindと同様の使い勝手があり、気に入っています。

 その他、多数のソフトがあります。業務で本格的に使用する場合はWEB系のMindMeister等をお勧めします。グループウェアとしてオンライン上で同時作業を行う事が可能で、リモート会議での活用が可能です。

【参考文献】
 [1]マインドマップの学校       https://www.mindmap-school.jp/
 [2]ウィキペディア                  https://ja.wikipedia.org/wiki/マインドマップ

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この記事の著者

吉村 隆一郎

プロフェッショナル企業参謀として、研究 開発から販売現場まで一気通貫で事業計画の策定から事業管理まで を担当します。 

プロフェッショナル企業参謀として、研究 開発から販売現場まで一気通貫で事業計画の策定から事業管理まで を担当します。