6、強いモノづくり
◆ 最適な生産スピード
「モノづくりは速く作るより、ゆっくり作るほうが生産性はよくなる」と言ったら皆さんはどう思われるでしょうか?
「そんなバカな!速いほうが生産性は高いに決まっているじゃないか」と思われた方はいらっしゃいませんか。
しかし、スピードを速めると、手作業であれば不良が増え、設備だと停止回数が増えると思います。そして全体でスピードを速めると、工程間のつなぎが難しくなるので、そこに在庫や運搬が必要となり、さらに余分な管理まで必要になってきます。
一番大切なことは、お客様の要求に応えることです。
出荷にさえ間に合うのであれば、急ぐ必要は何もありません。急ごうとするから人手が増えてしまうのだともいえます。間に合うギリギリのスピードで作ればいいのです。組み立てであっても機械加工であっても、それだけの数を時間内で作るのに必要な人員配置をしてゆっくり作りましょう。そうすればムダのない生産ができることになります。
スピードを上げると人は機械の監視者になってしまいますが、ゆっくり作業することでと一緒に働くことができます。「高い設備なのだから、スピードを上げなければならない」と思い込んでいる人も見掛けますが、作る量は決まっているのですから、速く作れば作るほど結局、不要な在庫ができてしまうだけです。
もちろん、このゆっくり作るという作業状況を行うためには、日ごろから機械の故障が起きないように、きめの細かい整備ができていることが求められますし、担当者が休んでも、必ず代わりの人が役割を果たせるような多能工化ができていることが前提になります。
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人も設備も無理なくゆっくりと動いて、お客様にタイムリーに製品を届けることが最もエコなモノづくりとい...
今回の言葉
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出荷に間に合う、最もゆっくりなスピードで作れ。
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「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」
日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫