FMEAレビュー FMEA簡易法実施手順(その5)

 

 ここまでの解説で、設計の考え方を根本から転換する必要性について解説しました。また、問題点の検討が漏れやすい変更点・新規点の記録を、設計過程で残すべきとの見解を述べました。故障モードに注目した設計を行うためのツールである「故障モードリスト」と「故障モード抽出表」、その4では「セルフFMEA」について解説しました。今回はFMEAレビューについて解説します。

◆関連解説『FMEAとは』

 FMEAレビュープロセスでは、セルフFMEAの結果を基に、レビュアーによる抜け漏れ確認「デザインレビュー」(以下DR)を実施します。

 有識者とのディスカッションを行う中で、ほかに心配点は無いか?他の原因は無いか?など設計者だけでは考えつかない問題が潜んでいないかどうかを議論することが重要です。この場は、図面の「あら捜し」や形式的な承認を得るためのDRであってはなりません。

 

1. レビュアー

  設計者(関連部門)、生産部門、協力会社、品質部門、サービス・保守部門など

2. レビューの対象

3. レビューの観点、内容

 ・設計者は新規点、変更点を中心にその内容と設計の根拠を説明する(新規点・変更点リスト、セルフFMEA評価シート)
 ・レビュアーは設計根拠、対策内容は十分か?漏れはないか?という観点で議論する
   故障モードは他に無いか?
   発生メカニズムは?お客様への影響は他に無いか?
   対策は万全か? 
   作り難い点はないか? 保守しやすいか?
 ・レビューのアウトプットとして、社内基準に基づいて「信頼性・安全性」は万全かどうかを...

判断し、FMEAレビュー評価シートに記入する(対策要/不要)

 

図. FMEAレビュー評価シート

 以上により、DRBFMは終了とし、FMEAシートを完成させます。最後に、企業としてこの製品の市場投入可否判断を行います。以上が、FMEA簡易法(DRBFM)の実施手順の詳細です。

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