直交表を選定して水準数が決まったら、次に水準値を決めることになりますが、通常直交表を使うと2水準か3水準のため、水準どおしの間隔が悩ましいところです。間隔が狭すぎると水準間の差が現れず、広すぎると機能しないサンプルが出来ないか不安です。
そんな風に水準間隔で迷った時は、前者を強く心配してください。不良対策でしばしば経験するのは、①折角実験したのにどの要因の組合せでも不良が再現しなかった、あるいは②すべての組合せで全く同じように不良が発生した時です。①はいずれの因子も不良の主要な原因ではなかった、②はいずれの因子も不良に有効ではない事が判明したと言う点で無駄にはならないのですが、残念ながら最終的な対策=有効な因子は判明しません。
例えばL18直交表実験で18サンプル中の5個や10個が機能外だったとしても解析は可能です。迷った時は広めの水準間隔を採用しましょう。
一方で水準を連続的に変更できる因子ならば、水準間隔の差の出力に対する効果が同じ程度に現れるように水準間隔を設定するのが理想的です。下表に代表的な水準の取り方を例示します。
それにしても上表No.1の例で通常条件で第2水準を40度とした時に、(30,40,50)と設定した時の要因効果図の水準傾きは(20,40,60)と設定した時に比べて半分になります。他因子の要因効果と比較する時には水準間隔を意識して判断する必要があります。
また2因子間に大きな交互作用が予想される場合、誤った結論を出さないためにスライド水準が有効です。下表左のように因子と水準を設定した時に誘電体の種類によって最適温度が違う場合、当然ですがAの第1水準と第2水準でBの優劣が変わってきます。その場合Bの焼成温度を絶対値ではなく、推奨温度に対する相対温度とすることで交互作用を解消あるいは減少させることが可能になるので...