CASEとは、Computer Aided Software Engineeringの略です。コンピューター支援ソフトウェア工学の意味で、「ケース」と呼びます。設計開発などの工程で、システム開発支援のためソフトウェアを利用することです。CASEツールを使って、作業の一部分を自動化し、ドキュメントやソースをできるだけ再利用することを狙っています。
ただ、CASEツールは、主に1980〜1990年代に使われたツールで、最近はほぼ使われていません。使われなくなった理由も解説します。
(1)CASEツールの分類
CASEツールは、利用する工程によって大きく2つに分類できます。
【上流CASEツール】
ソフトウェア開発の上流工程の作業を支援するもので、システムの分析、設計などを支援します。もっともよく利用されているのは、設計書の自動生成です。特に、DFD、ER図など、設計書の一部分が自動化されます。
【下流CASEツール】
プログラムの作成・試験・保守などを支援するものです。具体的には、プログラムの自動生成、自動テストなどが主に利用されます。
◆CASEツールを使用するメリットと実際
当時、CASEツールを使用すると、次のようなメリットが得られる、という触れ込みで話題になりました。
- ドキュメントの自動生成
- ドキュメントからのプログラム自動生成
- 自動テスト
しかし、現在、CASEツールという言葉自体、使わなくなりました。その原因は、実際には自動生成できるドキュメントは、設計書のほんの一部分でした。また、自動生成できるプログラムや自動テスト...
もうひとつは、開発するシステムが複雑化し、開発言語、ツールも多様化したことに対して、CASEツールが対応できなくなった、という経緯があります。