【この連載の前回:5S活動と「新5S思考術」の違いへのリンク】
今回のおはなしは、私たちが提唱する「新5S思考術」をあらためて紹介しながら、事務間接部門の5S活動 を継続するためのコツについておはなしします。事務間接部門の5S活動 を継続し、成果を出し続けるコツです。
1.事務間接部門の5S活動 は長続きせず停滞やすい
事務間接部門の5S活動 は
- モノを捨てる
- モノを片付ける
- モノを並べ替える
などの、活動が中心に行われるケースが多い様です。
ところが、これらの活動は、「長続きせず停滞しやすい」という特徴があります。あなたの職場でも、事務間接部門の5S活動 が長続きせず、停滞してしまったことはありませんか?確かに、作業現場に比べると整理対象も清掃対象も少なく、5S活動が停滞しやすいロケーションです。事務間接部門の5S活動 を継続させるには、どのような意識を持てば良いのでしょうか?
2.事務間接部門は、作業現場と意識する対象が異なる
事務間接部門の5S活動 は、作業現場と意識する対象がちがうのです。
事務間接部門では、書類や文具などの『もの』を扱います。また、その他に『情報』を多く取り扱う部門であります。その情報は、手順に従い処理され、付加価値を増大させたり、解りやすさをすすめて、アウトプットされます。
この情報処理を行うとき、スムーズに行うことができると、イライラやストレスも少なく業務効率も高く維持することができます。ところが複雑な手順で処理を進めると、イライラ感やストレスが増大します。このイライラやストレスは、業務ミスが増えたり、エンゲージメント(仕事への満足度)の低下をまねきます。
新5S思考術では、これらのイライラやストレスを低減するよう「整理・清掃・整頓・清潔・躾」を進めます。単なる”お片付け”ではありません。また、新5S思考術では「気付き力を高める」ことも目的としています。よって「イライラの源」や「ストレスの源」に気付くよう、活動を進めることが大切です。
3.「にくい」を「やすい」に改善する
具体的には「にくい」を探すことに集中して活動を進めることになります。
例えば
- 読みにくい
- 解りにくい
- 計算しにくい
- 照合しにくい
- 参照しにくい
などです。
事務間接部門では、日頃の業務に”にくい”が隠れてしまい、気付くケースが少ないようです。これらを気付きやすくするためモノを片付けたり、清掃をすすめます。
そして、「読みにくい」などのプロセスを「読みやすい」に改善することでイライラを低減しワークエンゲージメントも高めるよう活動を進めます。これが『新5S思考術』です。
- 処理プロセ...
事務間接部門の5S活動 は、作業現場と意識する対象がちがうのです。5Sを指導するリーダーは、これらを理解した上でリーダーシップを発揮する必要があるのです。