【品質保証概論 連載の目次】
1.品質の維持(品質管理)
良い商品を作り、不良品を発生させないためには、正しい作業を行うことが必要です。そのためには、何が正しい作業かを考え、必要であればより良い方法に改善していく姿勢が重要になります。
【この連載の前回:品質保証概論(その3)品質管理のためのPDCAサイクルへのリンク】
- 作業手順や条件は適切か。
- 機械設備や治工具は適切か。もっと良いものはないか。
- 原材料や部品の仕様は適切か。
- 作業者の知識やスキルは十分か。適材適所に配置されているか。
しかし、定められている作業を正しく守っているつもりでも、様々な要因で商品にはばらつきが発生し、時には不良品ができてしまうことがあります。
- 原材料の品質がばらついて、商品が安定しない。
- 作業スキルが人によって異なり、商品の出来ばえがばらつく
- 設備ごとのメンテナンス状態が同じではなく、加工精度が均一ではない
- 同じ設備でも、日々の気温や湿度の変化により、加工条件がばらつく
- 精度が落ちた測定器で検査したために、寸法不良が流出した
製造工程におけるこのような品質問題については、常に正しい作業条件を維持・管理することによって、ばらつきを小さくして不良を低減することが重要です。この活動は、決められた方法や条件を守ることによる「品質の維持活動」といいます。つまり、「維持(管理)」とは、現在の水準を安定・維持することであり、「改善」とは...