識別管理の基本

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【目次】
1. 識別管理とは
2. 識別管理6つのポイント

 

1. 識別管理とは

識別管理とは、ものを「区別」して、そのものが何であるかを第三者にもわかるように「表示」することです。識別管理は、工場管理の基本中の基本であり、これが出来ていないと、次のトラブルを引き起こしやすくなります。

 

  • 不良品が良品に混入する 
  • 不良品が市場に流出する 
  • 工程が飛ばされ未加工のまま次工程に送られる

 

【識別】

識別とは、どの状態のものかが区別されていることを言います。

   例)検査前・検査中・検査後、加工前・加工後、良品・不良品など

 

【表示】

区別されたものが識別できるように明示することを言います。

   例)置き場の表示、立て札、不良品専用ボックス、現品票、区分線など

 

2.識別管理6つのポイント

① 保管管理条件の識別管理

適切な保管容器、適切な保管条件、適切な保管期間で管理し、品質問題を引き起こす可能性のある保管を未然に防止します。

 

壊れやすいもの、劣化しやすいもの、冷やさなければならないもの、沈殿しやすいもの、ばらばらになりやすいもの、消費期限があるもの、などを対象として管理します。どんな条件で保管する必要があるのか、どのような取扱いをする必要があるのかを明確にし、対象外のものとは区別して管理する必要があります。

 

② 検査品の識別管理

部品や製品を検査する場合、検査前、検査中、検査済みのものが識別がされることが重要です。

 

検査ラベルや立て札、置き場所により識別し、混同されることのないような表示やルールを確立しなければなりません。ロットアウトになった場合には、不合格ロットが合格ロットと混ざらないように、識別管理することも必要です。

 

不良品に赤札を付けたり、専用の赤い棚などに保管して識別すると共に、早急に製造工程や取引先にフィードバックすることが求められます。

 

③ 製品種類の識別管理

類似しているために間違いやすい製品を管理するために、梱包に貼るシールの台紙の色を変えて識別したり、梱包に大きな識別マークやシールを貼って、分かりやすく外観で管理します。また、社内の管理番号をつける上では、「1(イチ)とI(アイ)や0(ゼロ)とO(オー)」などの読み取り間違いや記載間違いが起きないように、間違えやすい文字は不使用にするルールを定めることも有効です。

 

④ 荷姿の識別管理

天地無用、上積み禁止の表示や、許容積み上げ段数などの意味を現場の作業者に教育し、倉庫での保管取扱いを徹底することが重要です。

 

特に海外に輸出する際には、出荷先の言葉で文字が書いてあり、注意書きが作業者に理解されない場合がありますので、わかりやすい作業標準書の作成や作業員の教育が必要になります。また、梱包に記載されている出荷先の言葉を現地の言葉に訳し、保管マークと合わせて倉庫に掲示するなどの未然防止の対策を図ることも重要になってきます。

 

⑤ 法律や安全性に基づく識別管理

特定の薬液やアルコールなど、保管数量や保管方法に制限のあるものなどは、安全性や法律(消防法など)に基づいて、適切に管理、識別しておくことが求められます。

 

また、引火性のあるもののそばでは、火災を防ぐためにたばこなどの火気の取扱い禁止を明示するとともに、電気器具や配線に近い場所に保管しないような区分管理が重要です。また、消火設備などの前にはものを置かず、いつでも扉があけられるように床に保管禁止のテープを貼るような具体的な取り組みも必要です。

 

⑥ 工場内外の識別管理

外からの汚れ...

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【目次】
1. 識別管理とは
2. 識別管理6つのポイント

 

1. 識別管理とは

識別管理とは、ものを「区別」して、そのものが何であるかを第三者にもわかるように「表示」することです。識別管理は、工場管理の基本中の基本であり、これが出来ていないと、次のトラブルを引き起こしやすくなります。

 

  • 不良品が良品に混入する 
  • 不良品が市場に流出する 
  • 工程が飛ばされ未加工のまま次工程に送られる

 

【識別】

識別とは、どの状態のものかが区別されていることを言います。

   例)検査前・検査中・検査後、加工前・加工後、良品・不良品など

 

【表示】

区別されたものが識別できるように明示することを言います。

   例)置き場の表示、立て札、不良品専用ボックス、現品票、区分線など

 

2.識別管理6つのポイント

① 保管管理条件の識別管理

適切な保管容器、適切な保管条件、適切な保管期間で管理し、品質問題を引き起こす可能性のある保管を未然に防止します。

 

壊れやすいもの、劣化しやすいもの、冷やさなければならないもの、沈殿しやすいもの、ばらばらになりやすいもの、消費期限があるもの、などを対象として管理します。どんな条件で保管する必要があるのか、どのような取扱いをする必要があるのかを明確にし、対象外のものとは区別して管理する必要があります。

 

② 検査品の識別管理

部品や製品を検査する場合、検査前、検査中、検査済みのものが識別がされることが重要です。

 

検査ラベルや立て札、置き場所により識別し、混同されることのないような表示やルールを確立しなければなりません。ロットアウトになった場合には、不合格ロットが合格ロットと混ざらないように、識別管理することも必要です。

 

不良品に赤札を付けたり、専用の赤い棚などに保管して識別すると共に、早急に製造工程や取引先にフィードバックすることが求められます。

 

③ 製品種類の識別管理

類似しているために間違いやすい製品を管理するために、梱包に貼るシールの台紙の色を変えて識別したり、梱包に大きな識別マークやシールを貼って、分かりやすく外観で管理します。また、社内の管理番号をつける上では、「1(イチ)とI(アイ)や0(ゼロ)とO(オー)」などの読み取り間違いや記載間違いが起きないように、間違えやすい文字は不使用にするルールを定めることも有効です。

 

④ 荷姿の識別管理

天地無用、上積み禁止の表示や、許容積み上げ段数などの意味を現場の作業者に教育し、倉庫での保管取扱いを徹底することが重要です。

 

特に海外に輸出する際には、出荷先の言葉で文字が書いてあり、注意書きが作業者に理解されない場合がありますので、わかりやすい作業標準書の作成や作業員の教育が必要になります。また、梱包に記載されている出荷先の言葉を現地の言葉に訳し、保管マークと合わせて倉庫に掲示するなどの未然防止の対策を図ることも重要になってきます。

 

⑤ 法律や安全性に基づく識別管理

特定の薬液やアルコールなど、保管数量や保管方法に制限のあるものなどは、安全性や法律(消防法など)に基づいて、適切に管理、識別しておくことが求められます。

 

また、引火性のあるもののそばでは、火災を防ぐためにたばこなどの火気の取扱い禁止を明示するとともに、電気器具や配線に近い場所に保管しないような区分管理が重要です。また、消火設備などの前にはものを置かず、いつでも扉があけられるように床に保管禁止のテープを貼るような具体的な取り組みも必要です。

 

⑥ 工場内外の識別管理

外からの汚れが工場内に持ち込まれないように、屋内靴への履き替えを行うなどルールを整備して工場外と作業環境を区分します。また、材料などの荷受け時には、保管前の汚れの除去手順などもルール化して、工場内を清潔な状態に保ちます。また、倉庫は、運送業者や取引先など社外の方が出入りする場所になりますので、庫内のルールを社外の人にもすぐわかるように明示して、注意喚起することが重要です。

 

次回に続きます。

 

 

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この記事の著者

今澤 尚久

「商品を買う側(小売業)」と「商品を作る側(製造業)」の両方の業界経験をベースに実効性のある経営戦略を策定します。現場・現物・現実の三現主義で現状把握から施策立案・課題解決までの全工程を支援します。

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