モジュールサプライヤー、例えばトヨタ系列でいえば部品メーカーのデンソーやアイシン精機、またGMの部品製造部門が切り離されて独立したデルファイ、そしてドイツのボッシュなどは、マイクロソフトやインテルのような業界の盟主になれるでしょうか?
トヨタのトップから業界再編を予感させる発言として、将来自動車メーカー同士の競争が部品メーカー同士の戦いになるのではないかという予想が出ています。つまり自動車業界でもデル・コンピュータのモデルのような、すなわちマイクロソフトやインテルなどのデファクトスタンダード(事実上の標準)を組み合せ、インターネット販売と生産組立・物流をサプライチェーンとしてマネジメントすることが可能になるということです。
個人の顧客に合わせ、バーバリーやダンヒルのブランドデザイナーによって個性あふれる車を、完成車メーカーは注文生産をします。労働力や設備の手配と計画が瞬時に行なわれ納期が計算されるまでに、注文データ(仕様)は完成車メーカーの販売部門から組立工場・モジュールサプライヤ・パーツサプライヤまで瞬時に伝達されます。トヨタの自動車だけでなくGM・フォード・日産から出荷される車に、“デンソー入ってる(DENSO INSIDE)”のラベルがプリントされます。モジュール部品メーカーが完成車の品質を保証するかもしれません。下図のように、インテグレーションによるスピード勝負のサプライチェーンマネジメント能力が、自動車会社のコア・コンピタンスになってくる可能性があります。
図 部品メーカーと完成品メーカーの主役交代
部品メーカーが強大になる機会は、サプライチェー...