中小企業は日本経済の基盤ですが、多くの課題に直面しています。そんな中小企業に対して政府や自治体はさまざまな補助金を用意しています。補助金とは事業費の一部を負担する制度です。補助金を活用すれば、事業や経営に役立ちます。しかし、補助金には種類や条件が多く、申請方法も複雑です。今回、中小企業におすすめの4つの補助金を紹介し、内容や対象者、申請方法や注意点を解説します。補助金を活用して、経営基盤を強化しましょう。
1. 補助金のメリットと注意点
補助金には、以下のようなメリットがあります。
- ●資金繰りや経営改善に役立つ
- ●返済義務がない
- ●信用力や信頼性が高まる
- ●他の支援制度と併用できる
一方で、補助金には以下のような注意点もあります。
- ●対象者や条件が限られる
- ●申請書類や手続きが煩雑で時間がかかる
- ●採択される確率が低い
- ●不正利用や虚偽申告が発覚した場合は返還や罰則がある
補助金を利用する際は、メリットと注意点をよく理解し、各企業の事業に合ったものを選びましょう。
2. 補助金の種類と選び方
中小企業向けの補助金から代表的な4つの補助金を次に紹介します。
(1)ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業が新商品やサービスを開発する際の費用を一部支援する制度で、最大500万円まで交付されます。対象者は中小企業基本法に定められた中小企業で、新規性・創造性・市場性・技術的優位性・社会的意義が高い事業を行うことです。申請方法はものづくり補助金事務局から申請書類を入手し、開発計画書や見積書などを添付して提出することです。公募は毎年春から夏に行われます。
(2) 事業再構築補助金
事業再構築補助金は、コロナ禍や自然災害などで売上減少等に直面した中小企業が事業再構築計画に基づいて取組む経営改善等に必要な費用(人件費等)及び設備投資等(設備導入費等)に対して支援する制度です。事業再構築計画とは「売上高又は利益率等」「従業員数」「生産性」「資本力」「キャッシュフロー」「デジタル化」「環境配慮」等から成る指標及び目標値等を含む計画です。「売上高又は利益率等」及び「従業員数」以外から最低2つ以上選択する必要があります。
事業再構築補助金では、最大で1000万円まで(上限額は年度ごとに変動)の補助金が交付されます。対象者は中小企業基本法に定められた中小企業であり、コロナ禍や自然災害などで売上減少等に直面していることです。申請方法は事業再構築支援サイト(https://www.shigoto-saisei.jp/)から申請書類をダウンロードし、必要事項を記入し、事業再構築計画書や見積書などを添付して提出することです。毎年春頃から夏頃までに公募が行われます。
(3) 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、コロナ禍や自然災害などで売上減少等に直面した小規模事業者が事業を継続するために必要な経費(人件費等)や設備投資等(設備導入費等)に対して支援する制度です。経費や設備投資等が対象で、最大で200万円まで(上限額は年度ごとに変動)の補助金が交付されます。対象者は中小企業基本法に定められた中小企業であり、従業員数が20人以下であることです。申請方法は小規模事業者持続化補助金事務局(一般社団法人中小企業振興センター)から申請書類を入手し、必要事項を記入し、見積書や収支計画書などを添付して提出することです。毎年春頃から夏頃までに公募が行われます。
(4)IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業がITツールやサービスを導入する際に必要な費用の一部を支援する制度です。ITツールやサービスの利用料や設備導入費などが対象で、最大で150万円まで(上限額は年度ごとに変動)の補助金が交付されます。対象者は中小企業基本法に定められた中小企業であり、ITツールやサービスを新たに導入することです。ITツールやサービスはIT導入支援サイト(https://it-hojo.go.jp/)に登録されているものである必要があります。申請方法はIT導入支援サイトから申請書類をダウンロードし、必要事項を記入し、見積書や収支計画書などを添付してオンラインで提出することです。毎年春頃から夏頃までに公募が行われます。
3. 専門家、コンサルタントの活用
今回は、中小企業におすすめの4つの補助金を紹介しました。それぞれの補助金にはメリットと注意点があります。各企業の事業に合ったものを選びましょう。また、申請方法や条件も確認しましょう。補助金は申請するだけでなく、採択されることが...