BIツールは、どのような生産性分析ができるのか?

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BIツールは、どのような生産性分析ができるのか?

 

前回のBIツールとは、生産性向上にお勧めしたい最強のツールの解説に続けます。BIツールは、情報を把握、蓄積していくことで、以下の様な分析が可能になります。

 

・案件別利益率・生産性の散布図

案件別の利益と生産性の散布図を作成することで、それぞれの案件が利益を出しているのか、また生産性はどうかを視覚的にわかりやすく示します。生産性分析の入り口になるグラフで、これから利益率、生産性の差を確認しその理由を調べていきます。

 

BIツールは、どのような生産性分析ができるのか?

 

案件別の利益率・生産性の散布図は、分析の視点を切り替えることで別の角度から分析を進める事ができます。 

1. 部門別利益率・生産性の散布図

同じ散布図で、表示の軸を切り替えることで、部門別の売上、利益率、生産性の比較を行うことができます。下図からは、利益率ではほぼ同等ながら、システム2部の生産性が1部、3部よりも劣ることが分かります。

 

BIツールは、どのような生産性分析ができるのか?

 

2. PM別利益率・生産性の散布図

表示の軸を担当PMに切り替えることで、同様に部門別の売上、利益率、生産性の比較を行うことができます。下図からは、プロジェクトマネージャーCさんの生産性が劣ることが分かります。

 

BIツールは、どのような生産性分析ができるのか? 

 

3. 業種別の利益率・生産性の散布図

分析の軸を業種に切り替えると、業種別の比較を行うことができます。下図からは、損保の生産性がかなり高いことが分かります。

 

BIツールは、どのような生産性分析ができるのか?

 

前回説明したデータを元に分析を行うことで、下記の様な分析が可能になります。

  • 要員別のプログラム開発の効率
  • プログラミング言語別の開発効率
  • プロジェクト管理手法別の開発生産性 

 

以上は、ごく一例ですが、①要員別のプログラム開発の効率は、プログラミング言語、業種、業界などを絞ることで、かなりの精度で各人のプログラム開発効率を計ることができます。このような視点で分析の視点を絞るのは、言語、業種などの環境要因を同一にするためです。

 

実績の開発ステップ数を工数で割ることで、各人のプログラム開発効率が分かります。ただし、不必要に大きなステップ数で開発してしまい見かけ上、効率が上がっているように見えてしまう可能性があります。 

 

これを防ぐために、事前の見積もりステップ数と比較したり、他の要員との同等案件のステップ数と比較したりする事で、各人のプロ...

BIツールは、どのような生産性分析ができるのか?

 

前回のBIツールとは、生産性向上にお勧めしたい最強のツールの解説に続けます。BIツールは、情報を把握、蓄積していくことで、以下の様な分析が可能になります。

 

・案件別利益率・生産性の散布図

案件別の利益と生産性の散布図を作成することで、それぞれの案件が利益を出しているのか、また生産性はどうかを視覚的にわかりやすく示します。生産性分析の入り口になるグラフで、これから利益率、生産性の差を確認しその理由を調べていきます。

 

BIツールは、どのような生産性分析ができるのか?

 

案件別の利益率・生産性の散布図は、分析の視点を切り替えることで別の角度から分析を進める事ができます。 

1. 部門別利益率・生産性の散布図

同じ散布図で、表示の軸を切り替えることで、部門別の売上、利益率、生産性の比較を行うことができます。下図からは、利益率ではほぼ同等ながら、システム2部の生産性が1部、3部よりも劣ることが分かります。

 

BIツールは、どのような生産性分析ができるのか?

 

2. PM別利益率・生産性の散布図

表示の軸を担当PMに切り替えることで、同様に部門別の売上、利益率、生産性の比較を行うことができます。下図からは、プロジェクトマネージャーCさんの生産性が劣ることが分かります。

 

BIツールは、どのような生産性分析ができるのか? 

 

3. 業種別の利益率・生産性の散布図

分析の軸を業種に切り替えると、業種別の比較を行うことができます。下図からは、損保の生産性がかなり高いことが分かります。

 

BIツールは、どのような生産性分析ができるのか?

 

前回説明したデータを元に分析を行うことで、下記の様な分析が可能になります。

  • 要員別のプログラム開発の効率
  • プログラミング言語別の開発効率
  • プロジェクト管理手法別の開発生産性 

 

以上は、ごく一例ですが、①要員別のプログラム開発の効率は、プログラミング言語、業種、業界などを絞ることで、かなりの精度で各人のプログラム開発効率を計ることができます。このような視点で分析の視点を絞るのは、言語、業種などの環境要因を同一にするためです。

 

実績の開発ステップ数を工数で割ることで、各人のプログラム開発効率が分かります。ただし、不必要に大きなステップ数で開発してしまい見かけ上、効率が上がっているように見えてしまう可能性があります。 

 

これを防ぐために、事前の見積もりステップ数と比較したり、他の要員との同等案件のステップ数と比較したりする事で、各人のプログラム開発の効率を計る精度を上げていきます。その他、BIツールを使った効率、生産性分析を行うことで、生産性の定量化を実現することができます。 

 

案件別の利益率・生産性の散布図は、分析の視点を切り替えることで別の角度から分析を進める事ができます。

 

4. PM別利益率・生産性の散布図

表示の軸を担当PMに切り替えることで、同様に部門別の売上、利益率、生産性の比較を行うことができます。下図からは、利益率ではほぼ同等ながら、システム2部の生産性が1部、3部よりも劣ることが分かります。 

 

例えば、案件21005は、売上1.4億円、利益率35%、生産性(面積原価利益率)0.29%/日と他の案件と比較して生産性がかなり劣っていることが分かります。

 

その分析のための切り口が他の案件との比較です。因みに、案件21006は、売上1.63億円、利益率33%、生産性0.55%/日と、案件21005と売上、利益率は、ほぼ同等ですが、生産性が約2倍も違っているのが分かります。

 

この後、案件21005と案件21006を色々な切り口から分析し生産性の差がどこにあるのか問題点を探っていきます。

 

【出典】コヒーレント・コンサルティング HPより、筆者のご承諾により編集して掲載。

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この記事の著者

小山 太一

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