◆ 相対強度の計算例
XRDの相対強度の計算をしてみます。金属材料として粉末のアルミニウム(格子定数a=4.05Å)、使用するX線はCuKa(λ=1.542Å)とします。相対強度の計算を表1に示します。表1の列は下記のように計算しました。
図.アルミニウムの原子散乱因子
【列の計算方法】
- 第1列 回折線:回折ピークを低指数、低角度から番号付けました。
- 第2列 面心立方格子の構造因子に従い、回折面を低指数から並べました。
- 第3列 回折面hklのh2+k2+l2を計算した。
- 第4列 式(1)からsin2θを計算しました。
- 第5列 sin2θの平方根です。
- 第6列 θをsin-1θから計算しました。
- 第7列 sinθ/λを計算しました。次のf Alを求めるのに使用しました。
- 第8列 図1の原子散乱因子のf Alをsinθ/λから読み取りました。
- 第9列 式(2)からF2を計算しました。
- 第10列 表2の多重度因子から引用しました。
- 第11列 式(3)とθから計算しました。
- 第12列 F2(構造因子)×p(多重度因子)×Lorentzかたより因子です。
- 第13列 6個の回折線の中で最も強度の高い回折線1の強度を100とした相対値を計算しました。
表1.アルミニウムの相対強度計算
表2.立方晶の多重度因子
次回に続きます。
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