プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

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プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

 

今回は、プラグインハイブリッド型水素燃料自動車に関して、解説します。

【目次】

    1. ホンダ 新型水素燃料自動車(FCEV)販売

    ホンダから、PHEV同様に外部充電のみでの走行も可能な、プラグインハイブリッド機構付きの水素燃料自動車(FCEV)の販売がアナウンスされました。FCEVとしてはやっと正式に発表されたと感じましたが、プラグインハイブリッドという点は驚きでした。車両の特徴などをレポートします。

     

     ◆ 2023年 FCEV販売台数 振り返り

    ホンダのクラリティは2021年末で発売終了となってますので、2023年時点で商業販売されている乗用車系FCEVはMIRAIとHyundaiのNEXOの2車種のみです。

    プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

    トヨタ自動車 MIRAI:写真出典:トヨタ自動車株式会社

     

    プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

    Hyundai NEXO

     

    プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

    NEXOはその大半が韓国国内販売ですが、国内販売台数総計、約3万台となり需要が一巡しています。

     

    2. ホンダから新FCEV発売 “CR-V e:FCEV”

    展示会等でホンダの方にクラリティ発売終了以降の動きを聞いてきました。2024年初めに北米で販売するとの情報でした。2024年2月28日にホンダからCR-VベースのFCEV発売のニュースがリリースされました。同時に、東京ビッグサイトで開催されている展示会 “H2 & FC EXPO”(主催:RX Japan株式会社)で、実車を世界初公開しました。

     

    プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

    写真出典:本田技研工業株式会社

     

    CR-Vは、ホンダの北米販売SUVの販売台数TOPの人気車です。アメリカのSUVとしては小さめですが、日本の感覚では十分に大きなSUVとなります。

     

    (1)“CR-V e:FCEV”アメリカでは2024年春から、日本では夏からの販売予定

    計画台数や価格に関しては現段階では公表していないとのお話でした。なお、CR-Vの日本での販売は2022年に終了しており、現モデルは日本では販売されていません。このe:FCEVが日本初販売の現行CR-Vとなります。

     

    (2)最大の特徴は、プラグイン充電仕様

    すなわち、外部充電で電気自動車として走行が可能な点です。ガソリンエンジンのハイブリッド車PHEV類似の組み合わせです。水素満充填で600km、バッテリーのみで60km走行可能です。合計で660km走行とは表現されていません、あるいは何らかの制約でそこまでの距離は出ないのかもしれません。

     

    3. プラグインハイブリッド型水素燃料自動車

    従来のハイブリッド自動車(HEV)は、ガソリンタンク→エンジン + バッテリー→モータと、エネルギー源と駆動システムを二重に持っています。それらを組合わせて制御するというまさにハイブリッドです。PHEVは、HEVに外部からバッテリーに充電機能が付加されます(プラグイン)。

     

    “CR-V e:FCEV”は、FCEVに、外部からの充電機能が付加されていまのでPHEVにも類似しています。しかし、図に書いて整理したところ、実は簡単な構図であることがわかりました。関係を整理した図をご紹介します。上段はPHEV およびICEとBEVの関係、下段はFCEVとプラグイン式FCEVです。

     

    プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

    プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

     

    エンジンが無い分、搭載設計・制御機構などがシンプルになります。また、そもそも、FCEVでは回生電力を貯める機構があります。実際、Hyundai NEXOを数百kmほど試乗した際に、しばしば、「回生電力量が100%に達しました。」との表示を目にしました。そのたびに、モッタイナイと感じました。MIRAI(初代)乗車の際にはそのようは表示を見ませんでしたが、おそらくはバッテリー容量が大きいためではなく、そのような注意表示が出ないためと推定しています。というわけで、乱暴な言い方をすれば、FCEVのバッテ...

    プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

     

    今回は、プラグインハイブリッド型水素燃料自動車に関して、解説します。

    【目次】

      1. ホンダ 新型水素燃料自動車(FCEV)販売

      ホンダから、PHEV同様に外部充電のみでの走行も可能な、プラグインハイブリッド機構付きの水素燃料自動車(FCEV)の販売がアナウンスされました。FCEVとしてはやっと正式に発表されたと感じましたが、プラグインハイブリッドという点は驚きでした。車両の特徴などをレポートします。

       

       ◆ 2023年 FCEV販売台数 振り返り

      ホンダのクラリティは2021年末で発売終了となってますので、2023年時点で商業販売されている乗用車系FCEVはMIRAIとHyundaiのNEXOの2車種のみです。

      プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

      トヨタ自動車 MIRAI:写真出典:トヨタ自動車株式会社

       

      プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

      Hyundai NEXO

       

      プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

      NEXOはその大半が韓国国内販売ですが、国内販売台数総計、約3万台となり需要が一巡しています。

       

      2. ホンダから新FCEV発売 “CR-V e:FCEV”

      展示会等でホンダの方にクラリティ発売終了以降の動きを聞いてきました。2024年初めに北米で販売するとの情報でした。2024年2月28日にホンダからCR-VベースのFCEV発売のニュースがリリースされました。同時に、東京ビッグサイトで開催されている展示会 “H2 & FC EXPO”(主催:RX Japan株式会社)で、実車を世界初公開しました。

       

      プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

      写真出典:本田技研工業株式会社

       

      CR-Vは、ホンダの北米販売SUVの販売台数TOPの人気車です。アメリカのSUVとしては小さめですが、日本の感覚では十分に大きなSUVとなります。

       

      (1)“CR-V e:FCEV”アメリカでは2024年春から、日本では夏からの販売予定

      計画台数や価格に関しては現段階では公表していないとのお話でした。なお、CR-Vの日本での販売は2022年に終了しており、現モデルは日本では販売されていません。このe:FCEVが日本初販売の現行CR-Vとなります。

       

      (2)最大の特徴は、プラグイン充電仕様

      すなわち、外部充電で電気自動車として走行が可能な点です。ガソリンエンジンのハイブリッド車PHEV類似の組み合わせです。水素満充填で600km、バッテリーのみで60km走行可能です。合計で660km走行とは表現されていません、あるいは何らかの制約でそこまでの距離は出ないのかもしれません。

       

      3. プラグインハイブリッド型水素燃料自動車

      従来のハイブリッド自動車(HEV)は、ガソリンタンク→エンジン + バッテリー→モータと、エネルギー源と駆動システムを二重に持っています。それらを組合わせて制御するというまさにハイブリッドです。PHEVは、HEVに外部からバッテリーに充電機能が付加されます(プラグイン)。

       

      “CR-V e:FCEV”は、FCEVに、外部からの充電機能が付加されていまのでPHEVにも類似しています。しかし、図に書いて整理したところ、実は簡単な構図であることがわかりました。関係を整理した図をご紹介します。上段はPHEV およびICEとBEVの関係、下段はFCEVとプラグイン式FCEVです。

       

      プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

      プラグインハイブリッド型水素燃料自動車 水素エネルギー社会(その14)

       

      エンジンが無い分、搭載設計・制御機構などがシンプルになります。また、そもそも、FCEVでは回生電力を貯める機構があります。実際、Hyundai NEXOを数百kmほど試乗した際に、しばしば、「回生電力量が100%に達しました。」との表示を目にしました。そのたびに、モッタイナイと感じました。MIRAI(初代)乗車の際にはそのようは表示を見ませんでしたが、おそらくはバッテリー容量が大きいためではなく、そのような注意表示が出ないためと推定しています。というわけで、乱暴な言い方をすれば、FCEVのバッテリー容量を増やし、外部からの給電機構を付加するだけで構成は完成します。

       

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      ◆関連解説記事:トヨタとサムスンの違い 【連載記事紹介】

      ◆関連解説記事:トヨタ ミライ試乗レポート 次世代エネルギー車とものづくり

      ※更なる詳細解説は筆者のサイトをご覧ください。https://www.tech-t.jp/

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      この記事の著者

      高原 忠良

      トヨタ式の ” ち密さ ” をサムスン流の ” スピード ” で! 自動車業界 × 樹脂部品を中心に開発から製造までのコンサルティング

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