ビジネスの収益力を決めるサプライチェーンのスピード

 サプライチェーンの重要な指標は時間です。「供給する時間(玉の飛ぶ時間)」と、変動する需要(標的)に対する「供給計画を作る時間(狙いを定める時間)」が短縮されるほど、需給は同期の程度が上がります(命中率向上)。計画する時間が長くなると計画のもとになった状況が変化してしまうため、実行計画が立案時状況のまま踏襲されて、過剰在庫や欠品を起してしまいます。 

 入り口から出口までのリードタイムが、サプライチェーンのスピードです。

 セブンイレブン・ジャパンは第1号店スタートの1976年から13年後の1989年の間に、平均日販を55%増加させ、30坪3000アイテムの店舗平均の店頭在庫を46%削減しています。この間にリードタイムを3分の1に、具体的には店頭在庫日数を25日から9日に短縮しているのです。 

 また高収益高成長を続けるGEの秘訣は時間短縮のストレッチにあり、例えばエンジン製造リードタイムの半減、CT開発のサイクルを2年から1年へ短縮した例などがあげられます。

 さらにヤマト運輸の宅急便は、翌日配達のスピードによって急成長した事業といえます。

 1980年代の日本車の米国での勝利は、圧倒的なスピード差に原因があったと言われており、米国車に比べて開発リー...

ドタイム半分、製造リードタイム7分の1などの数値が例としてあげられます。

 固定費を軽減し、収益性を高め、企業全体の成長を促がすには、スピードこそがキーなのです。 

図1.ビジネスの収益力を決めるスピード

◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』

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