1. 少子高齢化
大きな社会問題といえば、「少子高齢化」。2025年に団塊世代が後期高齢者(75歳以上)となります。これから、後期高齢者の人口比率はどんどん増えます。そして、もう1つ、社会問題となるのが、人生100年時代と言われる「長寿」です。現在、100歳以上の方は現在全国で10万人程ですが、2030年には20万人、2050年には50万人以上になると予測されています。このような超高齢化問題も大きいのですが、一番懸念されるのが、生産年齢人口の現象です。
15~64歳までの生産年齢人口は、2021年9月時点で、総人口1億2522万人に対して生産性年齢人口は7402万人、全体の59%。後期高齢者(75歳以上)は1880万人で、全体の15%。65歳以上だと5520万人、全体の44%と、やはり高齢者比率はかなり高い。
こちらが、2030年推移だと、総人口1億1913万人に対して、生産年齢人口は6875万人。全体の57%。後期高齢者は2288万人で、全体の19%。65歳以上だと6004万人で、全体の50%になる。2030年は、2人に1人が65歳以上。
2040年の推移では、総人口1億1092万人に対して、生産年齢人口は5978万人、全体の53%。後期高齢者は2239万人で、全体の20%。65歳以上だと6160万人で、全体の55%になります。このように、2025年問題は、「団塊世代が後期高齢者へ」。2030年問題は、「生産年齢人口減が深刻化」。2040年問題は、「人口の2割が後期高齢者で、生産年齢人口がいよいよ6000万人を下回る」そして、その次の2050年問題は、「100歳以上の高齢者が50万人を超える」。
人材問題が懸念される中で、産業界は着実にデジタル化が加速していきます。将来、「日本の労働人口の49%が自動化される」と予測されています。なくなる職業と、進化する職業。2050年の産業分類労働需要は、「3割増から5割減」と予測。このように、両極化が進む。予測されるが、不確実性でもある。
デジタル化の推進や脱酸素社会実現など、産業構造がこれから大きく変革する中で、労働需要や人材問題も大きな変化点に向かっています。経済産業省は、2019年に「未来人材会議」を設置して、今後の取り組むについて議論し、2022年5月31日に「未来人材ビジョン」を公表しました。
そのポイントとして、次の2つの具体策が提示されました。
- 旧来の日本型雇用システムからの転換
- 好きなことに夢中になれる教育への転換
2. 未来人材ビジョンで求められる人材像
未来人材ビジョンで求められる人材像が4点列挙されました。
- 常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力
- 夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢
- グローバルな社会課題を解決する意欲
- 多様性を受容し他者と協働する能力
現在は「注意深さ・ミスがない」「責任感・まじめさ」が重視されていますが、将来は「問題発見力」「的確な予測」「革新性」が求められます。つまり、起業家マインドを持ち据えた人物とい...