新規事業にアサインするべき開発者の特徴とは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その95)

投稿日

新規事業にアサインするべき開発者の特徴とは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その95)

 

【この連載、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その94)へのリンク】

 

【目次】

    新規事業の開発や人材育成の支援を行う中で、プロジェクトにアサインするメンバーに対する相談を受けることがあります。今回は新規事業の開発プロジェクトにアサインしたい人材像について、解説します。

     

    1. 研究開発部門のリーダー育成

    研究開発部門のマネジメント層との会話の中で、将来のリーダークラスを育成するにあたり、そもそもどういったメンバーを新規事業プロジェクトにアサインするべきか悩ましいという相談を受けました。背景には、数多くのプロジェクトを並行させる必要があること、これまで以上に成果と効率化が求められてることで、将来性があるリーダー候補に育成を注力したいという意向が強くありました。

     

    将来にわたって新規事業をリードする開発者とはどのような特徴を持っているのか、私の経験をもとに記します。前提として、自社技術に対する知識や自身の専門技術に対する深い知見を持っていることがあげられますが、ほかに3つの特徴があります。

    ...
    新規事業にアサインするべき開発者の特徴とは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その95)

     

    【この連載、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その94)へのリンク】

     

    【目次】

      新規事業の開発や人材育成の支援を行う中で、プロジェクトにアサインするメンバーに対する相談を受けることがあります。今回は新規事業の開発プロジェクトにアサインしたい人材像について、解説します。

       

      1. 研究開発部門のリーダー育成

      研究開発部門のマネジメント層との会話の中で、将来のリーダークラスを育成するにあたり、そもそもどういったメンバーを新規事業プロジェクトにアサインするべきか悩ましいという相談を受けました。背景には、数多くのプロジェクトを並行させる必要があること、これまで以上に成果と効率化が求められてることで、将来性があるリーダー候補に育成を注力したいという意向が強くありました。

       

      将来にわたって新規事業をリードする開発者とはどのような特徴を持っているのか、私の経験をもとに記します。前提として、自社技術に対する知識や自身の専門技術に対する深い知見を持っていることがあげられますが、ほかに3つの特徴があります。

       

      2. 知識欲がある

      新規事業を創出するにあたり、自社技術や既存事業の業界の研究に限らない広い知識が求められます。また近年の事業環境の変化や技術革新のスピードに追随するためにも、継続的な学習が必要です。これは若手・中堅エンジニアだけではなく、深い専門性を有するベテランエンジニアも同様です。

       

      AI・IoTといったトレンド技術の学習に自発的に取り組んでいたり、ワークフローの改善活動に積極的に関与する開発者は、知識欲が強い傾向があるといえます。日ごろの会話や業務において、新しい知識を習得しているメンバーをアサインすることが望ましいです。

       

      3. コミュニケーションを大切にする

      開発者が推進する新規事業プロジェクトは、少人数のタスクチームでスタートすることが多い傾向があります。ゆえにプロジェクトの初期から、他部門や社外団体からの協力を求める必要が出てきます。

       

      新規事業の企画や依頼事項を正確に伝えることはもちろん、円滑なプロジェクトを運営するため、日ごろから良好な関係を築くことが有効です。時には言いにくい内容を伝え、調整や交渉する機会が既存事業よりもあるので、コミュニケーションの重要性を理解し、実践するメンバーをアサインすることが望ましいです。

       

      4. 熱意がある

      3つの特徴の中で最も重要なのが、熱意があることです。

       

      ある新規事業プロジェクトの体制を決める際、専門性が高いエースエンジニアと専門性は一般的であるが好奇心が強いエンジニアのどちらをリーダーにするか議論がありました。両名と面談する中、前者は「やれと言われればやります」後者は「自分の技術力に不安はあるものの、ぜひ取り組んでみたい」という言葉があり、後者をリーダーにすることを助言した結果、このプロジェクトは事業化まで走り切ることができました。

       

      これは私の経験上、新規事業はやる気が感じられないリーダーのプロジェクトは、ほぼ100%開発中断してしまうからです。もちろん、熱意だけでは事業化できません。しかし、熱意がないとできない理由探しをしたり、環境のせいにしたりと前向きな活動を妨げることがあります。ゆえに立候補するような熱意があるメンバーをアサインすることが望ましいです。

       

      株式会社ファースト・イノベーテックでは新規事業の開発支援において、体制構築や推進、開発者の人材育成を支援しています。お気軽にお問い合わせください。

        

       

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      川崎 響子

      革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

      革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


      「事業戦略」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その4)

            今回は、イノベーションに基づく経営で有名な3Mのイノベーションの定義について、解説します。 ◆関連解説『事業戦略...

            今回は、イノベーションに基づく経営で有名な3Mのイノベーションの定義について、解説します。 ◆関連解説『事業戦略...


      普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その13)

           前回はイノベーションを創出するのも阻害するのも、その要因が組織の抵抗という話をしました。今回はその組織の抵抗の解説し...

           前回はイノベーションを創出するのも阻害するのも、その要因が組織の抵抗という話をしました。今回はその組織の抵抗の解説し...


      普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その12)

           今回は、広く存在する組織の中のイノベーションへの抵抗とイノベーションの関係について考えて見たいと思います。 ◆関連...

           今回は、広く存在する組織の中のイノベーションへの抵抗とイノベーションの関係について考えて見たいと思います。 ◆関連...


      「事業戦略」の活用事例

      もっと見る
      【ものづくりの現場から】年間200社以上が見学に訪れる3S工場が生み出した現場管理ツールとは(山田製作所)

      【特集】ものづくりの現場から一覧へ戻る ものづくりを現場視点で理解する「シリーズ『ものづくりの現場から』」では、現場の課題や課題解消に向けた現場の取り組...

      【特集】ものづくりの現場から一覧へ戻る ものづくりを現場視点で理解する「シリーズ『ものづくりの現場から』」では、現場の課題や課題解消に向けた現場の取り組...


      請負企業と価値創造

       今回は、生産財メーカーの価値創造、商品企画について解説します。生産財メーカーに商品企画の課題を伺うと、多くの企業から商品企画は行っていない。顧客から...

       今回は、生産財メーカーの価値創造、商品企画について解説します。生産財メーカーに商品企画の課題を伺うと、多くの企業から商品企画は行っていない。顧客から...


      感性工学・感性価値 :新環境経営 (その35) 

       新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有...

       新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有...