1.TPP利用のステップ
HSコードとは、国際的に統一された商品分類表の番号で、この分類に従って関税率が分かります。これは税関の輸出統計品目表から調べることができます。
通常適用される税率(MFN税率と呼ばれます)やEPA税率(日本が各国と締結している既存の税率)とTPP税率とを比較します。相手国の関税はWorld TariffのウェブサイトからMFN税率とEPA税率を確認することができます。TPP税率はHSコード別に関税撤廃のスケジュールが記されている付属書より確認できます。これらを比較してTPP税率が一番低い場合は、TPPが利用できます。(ただし、協定発行後となります。)
これは参加12カ国内で製造された「メイド・イン・TPP」の部品の使用比率を定めたルールです。また、「わが社はオールジャパン製だ」と話しても、これには目に見える根拠が必要です。「日本産」とは、日本で最終的に加工され日本で十分な付加価値が与えられた産品です。この付加価値の根拠となる手法が、「関税番号変更基準 (CTC)」と「付加価値基準 (VA)」の2つです。「関税番号変更基準」は 非原産材料と完成品を比べて、関税分類番号が変わったら実質的変更とする表し方です。「付加価値基準」は、非原産材料と完成品を比べてその産品の生産で一定以上の付加価値が付加されることを実質的変更とする表し方です。尚、ものづくり中小企業にとって原産地規制は、馴染みのない作業も伴いますから、最寄りの税関や取引のあるフォワーダー(乙仲業社)へ直接問い合わせて確認することが早道です。
完全累積制度もTPPの特徴の一つです。生産工程が複数国にまたがってもTPP参加12カ国内で生産された物品は「メイド・イン・TPP」と見なされ、関税優遇を受けられます。完全累積制度の採用によってTPP域内での調達需要が高まり域内での三国貿易の増加も期待され、サプライチェーンが飛躍的に...