集団創造の進め方とチームづくり

更新日

投稿日

1.集団創造に必要な5条件

 企業が創造活動をする場合、集団で特に小集団で行うケースは日本では大変多くあります。たとえばQC運動やプロジェクトチームなどが代表的といえます。そこで私は、集団構造には次の5つの条件が満たされることが大切だと思います。

チームによるアイデア発想(1)目的が明確で切実なテーマであること
(2)やる気と能力がある少人数のメンバーがいること
(3)創造的なリーダーがいること
(4)仕事本位のチームワークがとれていること
(5)チーム運営の方法が確立していること 

 まずテーマが大切です。京セラ社長の稲盛和夫さんは、新製品開発の際、まだ形にならない状態で得意先に納入時期を知らせるそうです。そうなると、チーム全体は狂気の状態で仕事を進めるというわけです。

 メンバーの選び方については次に述べますが、人数は6~9名くらいがよいでしょう。これ以上多くては討論が活発にはなりません。

 

2.効果的なチームづくり

 問題解決には、個人より集団のほうが有利なことは言うまでもありません。しかし、集団というのはそれ自体が生き物みたいなものですから、人の組合せや、実践活動がうまくいかないと、個々人の総和よりかえって悪い結果となります。

 シネクティクスのゴードンは、発想グループのメンバーの条件に、次の3つをあげています。

(1)同年代・同地位が望ましい
(2)専門が異なるメンバーであること
(3)異性はなるべく入れない 

 まとめると、上役や異性が入ると遠慮して自由にものが言えなくなるのでよくない。また、専門が異なるメンバーの方が多角度の情報が得られ、視野が広がるというわけです。

 これらをヒントに私は、チームメンバーの条件として次の4つを考えています。

(1)共通の目的意識をもっていること
(2)異質のメンバーの組合せ
(3)メンバー同士、支配関係がないこと
(4)相互に尊敬し合えるメンバーであること

 メンバ...

1.集団創造に必要な5条件

 企業が創造活動をする場合、集団で特に小集団で行うケースは日本では大変多くあります。たとえばQC運動やプロジェクトチームなどが代表的といえます。そこで私は、集団構造には次の5つの条件が満たされることが大切だと思います。

チームによるアイデア発想(1)目的が明確で切実なテーマであること
(2)やる気と能力がある少人数のメンバーがいること
(3)創造的なリーダーがいること
(4)仕事本位のチームワークがとれていること
(5)チーム運営の方法が確立していること 

 まずテーマが大切です。京セラ社長の稲盛和夫さんは、新製品開発の際、まだ形にならない状態で得意先に納入時期を知らせるそうです。そうなると、チーム全体は狂気の状態で仕事を進めるというわけです。

 メンバーの選び方については次に述べますが、人数は6~9名くらいがよいでしょう。これ以上多くては討論が活発にはなりません。

 

2.効果的なチームづくり

 問題解決には、個人より集団のほうが有利なことは言うまでもありません。しかし、集団というのはそれ自体が生き物みたいなものですから、人の組合せや、実践活動がうまくいかないと、個々人の総和よりかえって悪い結果となります。

 シネクティクスのゴードンは、発想グループのメンバーの条件に、次の3つをあげています。

(1)同年代・同地位が望ましい
(2)専門が異なるメンバーであること
(3)異性はなるべく入れない 

 まとめると、上役や異性が入ると遠慮して自由にものが言えなくなるのでよくない。また、専門が異なるメンバーの方が多角度の情報が得られ、視野が広がるというわけです。

 これらをヒントに私は、チームメンバーの条件として次の4つを考えています。

(1)共通の目的意識をもっていること
(2)異質のメンバーの組合せ
(3)メンバー同士、支配関係がないこと
(4)相互に尊敬し合えるメンバーであること

 メンバー選びは、大切にしたいものです。企画マンの心掛けとしては、ありとあらゆる分野の人々を常日頃から発見し、知り合いになろうと決意し実行することです。企画は新鮮で専門の情報が常に必要とされます。またアイデア発想は1人より2人、2人より3人と多数のほうが基本的には有利です。その意味からいってもチームメンバー候補はいくらいても多すぎることはないといえます。

◆関連解説『アイデア発想法とは』

   続きを読むには・・・


この記事の著者

髙橋 誠

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!


「アイデア発想法一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
系列型収束アイデア発想―因果分析法の進め方

1.因果分析法とは   問題の原因を見つけ出してカード化します。そのカードを原因→結果とつなげながら本質的な原因を追求してゆく方法で...

1.因果分析法とは   問題の原因を見つけ出してカード化します。そのカードを原因→結果とつなげながら本質的な原因を追求してゆく方法で...


強烈な問題意識が創造のスタート、固定観念から抜け出せ!

1.ビジネスマンに必要な感性  ビジネスマンは、すべからく企画マンであるべき時代です。企画マンにとって最も大切なものは鋭敏な感受性であり、別な言葉で言え...

1.ビジネスマンに必要な感性  ビジネスマンは、すべからく企画マンであるべき時代です。企画マンにとって最も大切なものは鋭敏な感受性であり、別な言葉で言え...


発散思考と収束思考の使い分け

  ◆関連解説『アイデア発想法とは』 1.発散思考と収束思考の活用法  アメリカの著名な心理学者、J・P・ギルフォードは人間の頭脳を「...

  ◆関連解説『アイデア発想法とは』 1.発散思考と収束思考の活用法  アメリカの著名な心理学者、J・P・ギルフォードは人間の頭脳を「...


「アイデア発想法一般」の活用事例

もっと見る
発明事例-実験で出たガスの臭いから未知の生成物を直観、合成ゴム発明の物語

 アセチレンの研究に没頭していたアメリカの化学者ジュリアス・オーサー・ニューランドは、ある時アセチレンを銅とアルカリ金属の塩化物の溶液に通すと奇妙なにおい...

 アセチレンの研究に没頭していたアメリカの化学者ジュリアス・オーサー・ニューランドは、ある時アセチレンを銅とアルカリ金属の塩化物の溶液に通すと奇妙なにおい...


屋内外で発見したことからの発想事例2 -熱気球、パンチカード-

1.煙突の上で紙切れが舞っているのを見て熱気球を発明した、フランスの発明家 モンゴルフィエ兄弟     ジョセフ・ミシェル・モンゴルフィエと、ジャック...

1.煙突の上で紙切れが舞っているのを見て熱気球を発明した、フランスの発明家 モンゴルフィエ兄弟     ジョセフ・ミシェル・モンゴルフィエと、ジャック...


化学分野でのアイデア発想事例(元素と発酵)

1.知人の科学者が話した「ある気体」の正体を見抜いて、化学元素を発見 フランスの化学者 アントワーヌ・ローラン・ド・ラヴォアジエ  1774年秋のこと...

1.知人の科学者が話した「ある気体」の正体を見抜いて、化学元素を発見 フランスの化学者 アントワーヌ・ローラン・ド・ラヴォアジエ  1774年秋のこと...